僕の兄上マジチート ~いや、お前のが凄いよ~

SHIN

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精霊たちの秋祭り

僕と探し子

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「赤子を探してほしい?」


 あいも変わらず真っ白な世界には真っ白な円卓があり、4つの椅子とそれぞれの席にはお茶が置かれていた。そんな世界に呼び出されて目が潰れそうなほど美しく若々しい父上達からのお話は、そんなお願いだった。
 どうやら精霊界の王の子が行方不明になっている様でその無事を祈る声と恨みの声が父上達にまで届いたのだという。
 
 地上に干渉をしないという信条が一応はあるので、僕達に調べてほしいとの事だ。

 その赤子は人間の手によって連れてかれたそう。目撃していた妖精曰く、相手は二人組の男達であり、騎士では無いのに腰に剣が装備してあった所を見ておそらくは冒険者であろうと目星はつけたようだ。
 後ろ姿だけ見ただけだったが、精霊達の憎しみを込めた視線は呪いとなり今頃は男達を謎の不調が襲いじわじわと苦しめているだろう。


「そんなことを語っていた。ちなみにその赤子は新緑の様な髪に綺麗な琥珀のような瞳の子のようだ。名前はシャリノアで男の子だと言っていた。」


 紫暗父様の優しいアメジストの様な紫色の瞳が少しだけ心配しているように見える。
 鼻筋が通り、残虐性のある切れ長の目は一見冷たそうな魔帝王だけどその内面はこうやって心配をしてくれる方だ。
 魔王達の上の存在なのにその思想が伝わらないで勝手に神と喧嘩をする魔王共を懲らしめたいわ。


「あの心配の顔はお前シンリにむけているぞ。色々と絡まれるからな。」
「そうだね☆妖精の王様は綺麗物好きだからね☆」
「まあ、愛し子だと知っているだろうから手出しはしないだろうけどな。」
「そう言えば知っているんだよね。」


 人形の国ニブヘイムから帰ってきたら愛し子を騙る少女に出会った事があった。その時、精霊は少女の元を離れて魔法が使えなくした事がある。
 その時は精霊王には会わなかったが、今回の機会にあのときの礼も含めて挨拶をしたほうが良いだろうな。

 
「勝手に向こうが敬って来るんだけどな。」
「精霊は自然界が無いと生きられないから、この世界を創った魔神を特別扱いだよ☆」
「日頃から感謝の念や捧げ物とかがとてつもない量だったが、その中でもこの願いは必死さを感じた。だから俺たちにも声が届いたのだろう。」


 代理として調べるのは問題ない。
 ついでに暫くはシシリーはお休みする予定だ。ムラキの事は父上も見ていて接触があったことも知っているはずだ。なのにひたすらにその話題に触れないと言うことは悪い意味であの男を警戒していると言うことだ。あの聖女の集いで兄上が父上と何をしていたか教えてくれないが、冒険者の魂の復帰の他にきっとこの事も話していたのだろう。
 そもそも、そんなに警戒している人物ご何故にこの世界に来れたのか。この状況的に父上達が召喚したわけでは無さそうだけど。

 別に関わりたいとは思わないから良いけど。


 ふと、視線が向いたのは、僕達四人の空間に居心地の悪さを感じるのかそわそわしている相変わらずの美人さんな女神様カトレア様だ。彼女は席にもつかずに立ちっぱなしである。
 カトレア様は恐縮してしまっているようで、椅子も自分の分は用意していないみたいだ。
 このまま長居しても迷惑だろうしそろそろお暇しないといけないな。そう思った時この世界はカトレア様が管理しているのだから精霊王の事はカトレア様に聞いた方が良いのではと思い立つ。せっかくの機会だし帰るその前にカトレア様に妖精王について聞いておこう。


「カトレア様、妖精王ってどんな方です?」
「良くも悪くもとてもマイペースですかね。」


 来い来いと手招きをして、僕のために造ったと言われた椅子に座らせるのは酷なので、申し訳ないが上着を床に敷き座ってもらう。
 とても遠慮してたが本来なら女性を立ちっぱなしにしてるなんて言語道断なんだよ。しかもいま生きている世界の女神様なのに。
 渋々と上着の上に座ってくれたカトレア様に精霊王について尋ねると、先の言葉が帰ってくる。


「マイペース?」
「はい。ほんわかしていると言うより興味が移ろい易いというか。」
「それはそれは。」
「ですが、カリスマ性があるようで色々な精霊たちには好かれているようでした。色々な属性がある中で平等に好かれるのはまさに精霊王と言う名に相応しいかと。」
「会ったことは?」
「数回だけあります。」


 人よりは神に接する事があるということかな。
 姿を持たない下級の精霊は魔法の手助けもしてくれているのだし、この世界にとっても重要な存在ではある。場所によっては神の眷属と言われている様だし。

 マイペースな精霊王が勝手に人々に復讐をしてしまう前にどうにかしないと。


 
「詳しくは精霊王に聞けばいい。俺らの使いだという分かりやすい印を後でつけておくから、会いに行ってこい。」
「本で見たけどめったに人の世界には来ないって。」
「もうすぐ祭りがあるから大丈夫☆」


 祭りとの言葉で思い浮かぶのは今度行われる収穫祭だった。秋の様々な収穫を祝うこの祭りには先祖の霊や精霊が紛れ込む事もあるとかないとか。
 まるでハロウィンでも混ぜたかの様な行事だ。だけどこの世界はファンタジーだから実際幽霊や精霊が見れるのだろうなと思っていたけど、まさか精霊王も参加するのか。



 

 
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