僕の兄上マジチート ~いや、お前のが凄いよ~

SHIN

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精霊たちの秋祭り

僕と誘拐犯の自供

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「そんなことになっていたのか。」


 暫くして目を冷ましたタオシャンの父親、ノアさん。ノアさんを含めて僕達がここに来た理由を教えれば、二人は驚いた表情をしている。
 そりゃあいきなり精霊族ですよなんて言われたら驚くよね。

 ノアさんがダリオから聞いた話だと、街郊外の森で茸が輪になって生えているとこで拾われたとの事。その時は長時間の寒い外での放置されていたらしく肺炎に似た症状を起こしてしまっていて、死にかけていたのだとか。
 拾ったときには呼吸もおかしく熱もすごくて辺りを気にすることなく街に走り込んだ。
 その後に森に戻って調べても親の姿や形跡がなく、茸の輪があったのでチェンジリングの被害者の子かもしれないと判断したみたいだ。

 きっと、見知らぬ地で両親はいるのだと慰められていたノアさんだけど両親に捨てられたと思っていたので、ダリオが自分の親だと今でも思っているので、今更精霊王が親だと言われても困るそうだ。

  これまで何故精霊族だと誰も気が付かなかったのか。


「前に、上位の精霊の子はサナギだと聞いたことがある。」


 恐らくは外敵から身を護る防衛本能の一部なのだろうと。蛹の状態では人とそれほど変わらず、ある一定の期間を得て羽化覚醒の儀式を上げることで精霊の特性を得れるのだとか。
 蛹のまま大人になるのは聞いたことがなかったがそのおかげで精霊特有の気配が薄れ、そのまま人間と同じ時を過ごす事になったのではないかと兄上が仮説を立てる。


 精霊族の時間の体感と人の時間の体感の流れが違うから、ちょっと目を離したは一日位で、最近は30年も経っていたと言うことなのだろう。マイペース。

 捨てられたと思っていたノアさんが父親と会いたいかは個人次第だが、今回の原因は明らかにあちらにありそうだ。
 あと、タオシャンの存在をどうするかだ。精霊、しかも力の強い精霊王の血筋と人の子のハーフと言うことが判明したのでどのような事が起こるか想像がつかないのだ。


「もしかしたら、タオシャンも今は蛹の状態で羽化したら時の流れがゆっくりになるかも知れないし、面倒事もかかるかもしれない。」
「精霊王の孫だからな。」
「精霊王には私も会いに行きたい。一発殴りたいですし息子には自由に生きて貰いたいからね。」


 その精霊王のちょっとした事で死にかけて、更には恩人は精霊の呪いで死んでしまったのは許せない様だ。

 しかも、そのせいで自分もまた死にかけて息子には迷惑をかけることになってしまった。
 お怒りになるのもわかるし、僕も殴りたい。


「伝があるので一緒に会いに行きましょうか。ですが、会ってしまったら今からでも羽化させられるかもしれませんが。」
「断固拒否します。」


 あ、この人もいい性格だ。
 障りのせいで落ち込んだ体力を回復して貰う事も含めて精霊王に会いに行くのは数日後。アンナと約束でタオシャンの父親と会うと言っていたがもう会ってしまったが、様子を見るがてら会いに行くのも良いだろう。そしたらその時に予定を立てて精霊王に会いに行くと言うことでいいかな?

 その前にまた恨みが襲い掛からないように話だけはしておくか。


「そうだな。まさか向こうも息子にまで障りを振りかけていたとは思わないだろうからな。」
「ちゃんと話しを聞いてくれるかな。」
「その時は聞かせてやる。」


 わあ、兄上が頼もしい。

 今日はこれ以上はやることも無いので帰ることする。障りを回収した人形に精霊達の恨みの矛先を移動させてあるから大丈夫だとは思うけど、念の為この家に結界を張り、壊したドアは魔法で直させて貰った。魔法で直せて良かったよ。
 
 そう言えばこの世界で初めて使った魔法はこれだったな。

 形代はこの家に無くても大丈夫なので欲しそうにしていた兄上に事にする。まあ、兄上なら謎の耐性を持っているからだいじょうぶだろう。




 タオシャンの家を出て向うは協会だ。
 カトレア様経由で精霊王に警告を出してもらうのが一番良さそうだ。

 流石にこの世界の女神様のお言葉なら聞いてくれそうだし我々が精霊に伝言するよりは早く確実につくだろう。一度あちらに行けば一瞬で行ける様にできるだろうから、そしたらカトレア様のお手をかけることも少なくなる。そう言えば『魔神の愛し子』になってすぐに精霊達が騒ぎ出したが、どこかに目印でもあるのかな。今回も印をつけておくって言っていたけど。


「精霊は愛し子だと感覚でわかるんだ。だけどそれは実際見た精霊が感じることだ。精霊同士どこかしら意識が繋がっているから、一気に知れ渡る。しかし、今回はカトレアに伝えて貰った方が真実味が増すだろう。」
「なるほど。そうなんですね。」
「ついでに言うなら彼奴等の使者の証は指に有るぞ。」


 そう言われて見てみれば小指にピンキーリングの様な痣が浮かんでいる。しかもよく見ると古代神聖文字で使者と書かれているようだ。全く気が付かなかった。

 え、精霊王に古代神聖文字が小指に書かれているからね。とでも伝えてあるの?


「愛し子自体がステータスだからおまけみたいなもんだろ。念の為だ。」
「そっか。」 


 フラグじゃないけどね、馬鹿な精霊がもしも僕達をわからなくて害したら大変だからきっと用意したのだろうね。古代神聖文字なら昔から居る精霊達は読めるから。

 うんうんと自分的に納得して協会でお祈りしてその日は終わった。翌日に形代への障りが増加してないのを兄上と確認したのでちゃんと伝わったようだ。カトレア様にはすべてを話してあるので呆れてこめかみに青筋を立てていたが、全てを語るのは僕達が良いだろうと心情を抑えて要点だけしか伝えていないそうだ。


 


 
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