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はじまりと記憶
僕の魔力は×××!?
しおりを挟む「シンリ君のステータスが気になるな。」
そんな鶴の一声もとい、皇帝陛下の一声に辺りがざわめき動き始めた。
それというのも小説や漫画にある転生者や異世界人の能力が良かったりするセオリーはこの世界にも有るらしくかつての勇者も異世界人であるのだとか。
全員が全員と言うわけでもないが。
兄上曰く、この世界には転生者、異世界人が多いらしく、水道整備や法律などいろいろと住みやすいのは彼らのお陰でもあるのだとか。
たまに、腐女子の会という謎の軍団が現れたりもして余計な知識も落として行くのだという。
その中には魔法はもちろん戦術も得意でない者もいたらしい。
「さて、ステータスを見るには二通りある。」
そう言って出されたのは、大きな水の張った器と巻物状に巻かれた紙であった。
「これらの様に他者に見せるものとステータスが見たいと思い自分だけ見るものがある。シンリ君には転生者なので是非ともみせてもらいたい。」
どうしたものかと、一度コウに視線を向けると昔と変わらない興味を持ったときにしか浮かべないニヤニヤした笑みを口元に張り付かせていた。
まあ、そう言うことらしい。
「わかりました。使い方を教えてくださいますか?」
「ありがとう、シンリ君。では、記録に残らない水鏡法を用いろう。」
水が張られた器は水鏡法と言うらしい。
説明によると特殊な水の張られた水面に触れて波紋を造りそうすると水が反応しステータスが浮かぶ。どんな仕掛けなんだろうか。
さっそく、指先を水面に浸ける。
指先に冷たい感触がすると同時に波紋が指先から発生し縁に広がる。無意識に口元から囁きが漏れ始めた。それが聞こえているだろうコウは笑みを満足げなものに変える。
波紋が縁から指先に戻ってくる。
『……我が身を移せ』
戻ってきた波紋が指に集まったとき光を放つ文字が浮かび上がった。
***
シンリ・ディーレクトゥス (5歳)
性別 男の娘
種族 不明
魔力 50
称号 転生者 上限解放者 暗器使い 理を知る者の血縁(new) ××××××××
魔法属性 不明
***
辺りが静まりかえったのがわかった。
良い意味での絶句で無いことは憐れみの目を向ける騎士たちでわかる。
僕の横を抜けてコウが水鏡に指を突っ込む。
その表情には周りとは違う暖かなものが浮かんでいた。空いているてで頭を撫でてくれる。
「大丈夫だ。」
この世界では魔力持ちの最低値は0。
それは魔法が使えないと言うわけでは無いのだという。他の人から魔力を貰い、魔法を使うと言う手があるのだとか。
ただし、魔法にはそれぞれの消費魔力があるらしくその魔力の消費の量により上位の魔法が使える様になる。
普通ならば他人にその魔力を差し出す事はしない。
「だが、俺には腐るほど有るからな。」
「腐るって生物じゃないでしょ。」
「本当の事だ。使っても使っても減らん。」
「こやつは魔法が下手だからな。魔力をもて余らせているし。」
下手なのか。
さっきの結界はちゃんとできてたけど?
確かに前にいた世界では魔法の魔の字もない生活でしたものね。
「前に魔法使って城を半壊させたけどな。」
「あの犯人は魔王様でしたか!」
謁見の間の修理をしていた魔法使いの一人が思わずといった風に大声をあげていた。
きっと、彼が半壊した城の修復に駆り出された独りなんだろうね。
「何故か火玉が火炎隕石の威力だったよね。」
「それ、室内で撃っちゃ駄目なやつ!」
魔法使いのお兄さん、僕の兄上がチートでゴメンね。
「と言うわけで、むしろ魔力を貰ってくれると嬉しい。」
「うーん、でも僕も扱いが下手だったら意味ないよね。」
「……火玉でも打つか?」
「せっかく、修理したのに!?」
うぎゃんと頭を抱えて魔法使いのお兄さんが苦悩の表情を浮かべている。
確かに、先程まで見る影もない程に荒らされていた部屋は、ほぼ以前の姿を取り戻していた。
ほぼと言っているが、直らないところはあまりにも被害が凄かった所なのでこれはちゃんとした大工さんにやってもらわないといけない場所らしい。
あっ、それなら。
「じゃあ、『復元』なら大丈夫じゃないですか?」
指を立てて、思い付いた事を述べれば被害が酷かった場所が淡い光のエフェクトに包まれて元に戻ってしまった。あれぇ?
コウランは慌てた様子で僕の肩を掴み、揺さぶってきた。
「気持ち悪くはないか?頭痛は?」
「ゆっゆすぶら……きもち……わるっ……」
「気持ち悪いのか!」
「ち、ちがっ……うっぷ……」
「家の可愛い息子から離れろ!」
父様の回収により揺さぶりから解放された僕は、心配そうな兄様と母様の視線にぶちあたった。
どうしてそんな表情をしているのかわからずに首をかしげると、母様が抱きついてきた。
「いきなり魔法を使うからびっくりしたわ。」
「ふぇ、ま、魔法?」
「ええ、復元なんて魔力消費も激しいのよ。」
「な、ナンダッテー!」
僕はステータスと心で叫んだ。
すると、先程水鏡に浮かんだステータスが頭のなかで浮かびだした。
***
シンリ・ディーレクトゥス (5歳)
性別 男の娘
種族 不明
魔力 50
称号 転生者 上限解放者 暗器使い 理を知る者の血縁(new) ××××××××
魔法属性 不明
使用魔法 復元 消費魔力1
***
「今の、消費魔力1ですけど?しかも、既に魔力は回復済みみたいです。」
「えっ。」
遠くで魔法使いのお兄さんが絶叫している姿が見える限り、それは異常な事らしい。
「シン、光を使ってみろ。辺りを照らす魔法だ。」
「?『光』!」
辺りを包むように照らす暖かな光を思いながら言葉を発せば辺りはイメージ通りになった。
「ステータスは?」
***
シンリ・ディーレクトゥス (5歳)
性別 男の娘
種族 不明
魔力 49 (回復まで2秒)
称号 転生者 上限解放者 暗器使い 理を知る者の血縁(new) ××××××××
魔法属性 不明
使用魔法 光 消費魔力1
***
コウランの言葉に直ぐにステータスを確認すると、消費魔力は先程と同じ1だった。そして魔力回復は数秒なのがわかる。
それを伝えれば、少し考えた様子を見せたあと納得した様に頷く。
「お前の『理を知る』能力のお陰だな。」
「今生でもお世話になるとは。」
「理とは何なのだ。それを知ると魔力消費が減るのか?」
前世で僕は非凡な人生を歩んでいた。
兄上を守るために武力を覚え、理を知る者として陰陽を調える事をしていたこと。
僕の血にはその筋の血が混じっている。
何故かはわからないがこの理を知る能力を前世から引き継いでいるみたいだ。
「理は全ての源。僕が僕である真理。」
「星より未来を予想し、吉兆を見る。」
「良く分からんの。」
「長年付き合っている俺でも半分しか理解できない。」
どうやら僕の魔力は50で十分みたいだ。
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