僕の兄上マジチート ~いや、お前のが凄いよ~

SHIN

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勇者という存在がもたらすもの

僕の楽しい卒業旅行 準備編

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「と言うことで卒業旅行についてきてくれませんか?」


 僕はさっそくディーレクトゥス家に戻るとげんなりとした様子のシス兄様に話しかけた。シス兄様はいきなりの話に目をパチクリとさせていたが、状況を飲み込んでいくうちに親指を上げてにこやかに笑ってくれた。
 せれはそうだよね。僕以上にヴァン兄様とジャスミン義理姉様の生活を見せつけられているもんね。
 最初は顔を赤くして抗議していたけどあのヴァン兄様に叶うことなく撃沈したよね。
 ジャスミン義理姉様には卒業旅行と行っているけど二人のイチャイチャが耐えられませんと伝えてあるし、共につけたメイドが姐サン的な方のはずだから帰ってきたら手綱を引いててくれていると嬉しいな。

 あの腐れ王子をあそこまで引っ張ってきたのだから大丈夫だと思うけど。


「メンバーは何時ものか?」
「えっと、僕とシス兄様とコウにぃとアキさんだよ。」
「思っていたより少ないな。」
「うん。だって冒険者として行こうかと思って。それに仲の良い子はまだ卒業じゃないし。」
「そういえばそうだな。この優秀な末っ子め。」


 わしゃわしゃと髪の毛を犬にでもするように掻き乱された。
 でも手付きは優しくてとても気持ちがいい。後で髪の毛を整えるのが大変だがたまにの兄弟のスキンシップを堪能する。
 コウにぃにはアキさんが伝えてくれているのでこちらはこちらで旅行の準備をしておく。快適な旅行にしたいので料理とかを空間魔法を使って保存するのは勿論の事、何ならキャンプ道具も入れてしまおう。


「あまりにも身軽過ぎないか?」
「旅は身軽が一番だよ。」
「どこに旅行に行くんだよ。」
音の国ミュージア。」
「ああ、今噂に持ち上がっている国か。勇者だったか。」
「そう。そこ。やっぱり知ってたか。」


 やっぱりというか辺境地であるディーレクトゥス家にも噂はきている様だった。
 ここまで広がりが早いというのは国が率先して広めている証拠だ。勇者本人にとってそれがどういう意味として行われているのかわから無いな。本人が希望して保護されているとは思えないな。

 旅行だという名目でミュージアに行くが正直の所、勇者と呼ばれる存在をこの目で見てみたかったという理由もある。だってファンタジーの様な世界の勇者だし内心ドキドキ・ワクワクしてもしょうがないじゃないか。
 僕達の存在が既にファンタジーだけど勇者と魔王は別格だよね。
 魔王様達は良い人達だったけどあの魔王特有の雰囲気や威圧は人とは別格で感動していたのはコウにぃには内緒だ。


「ミュージアに行くなら友人が居るんだ。連絡しておくから案内してもらおう。」
「え、シス兄様の友人?」
「狼の獣人のだけどその凶悪な面とは逆のギャップに驚くが良いやつだぜ。」
「へぇ。シス兄様がそこまで言うならきっとそうなんでしょうね。」
「勇者についても聞いといてやるよ。」


 もう、僕が勇者に興味があるってバレバレですね。
 卒業旅行もしたい。勇者にも会いたい。
 
 旅行の準備の中に装備なんかもあるけど、勇者にも会えるかもしれないのなら見目の良い防具も用意しとこう。僕の黒髪に合うように白っぽいなにかの革で造られたこの防具何て良いかな。魔法防御や物理無効、自動洗浄の効果を持つし便利だろ。
 
 シス兄様の戦闘スタイルは前に一緒に狩りに行ったときに見せて貰った。
 ヴァン兄様と共にオールラウンダーなのだがなんとなく槍が動きが良いように見えたので槍使いよりなのかもしれない。
 なので、槍を誕生日にあげたらそれをほぼ装備しているようなのでそれに伴った防具を選んでおこう。
 母様と一緒の淡い紫の髪には黒鉄色とか合いそうだけど『シンリとお揃いが良い』と言われたら白っぽい防具を出しておく。

 ちなみにとある転生者が最強の防具を作るだと作った物が城にあったのだがビキニアーマーだった。しかもバフをかけまくりの無効効果等がついていたけど一緒に見ていた兄上の『くだらない』の一言で消し炭にされていた。
 ビキニアーマーが国宝って僕も嫌だったので見守っていたけど。変わりにお手性の防具に入れ替えておいたらいつの間にか魔神の加護や精霊王の加護等が付加されていて今まで以上だよと喜ばれた。


「乗り物は馬車か?」
「うん。特に急ぐ用事は無いからね。」


 勇者を得たことを大体的に広めているようだから別に直ぐにどこかに開放するわけは無さそうだからゆっくりと道中を楽しみながらいくことに決めている。今までがなんかお急ぎでのイメージが多かったから今から楽しみだ。


「それならちょっと高いがギルドで借りられるはずだからそれにしよう。紋章とかは邪魔だろ。」
「紋章は邪魔だね。でもギルドで馬車まで借りれるのか。」


 よくよく考えるとそこまでしなくても良さそうだが素材回収の依頼のときなどは助かるか。少し高いのもその馬車が壊れた際の保証と考えたら別段気にならないくらいの金額だしな。むしろ馬車を買うよりは断然コスパが良い。
 何よりギルドの物なら公爵家が乗っていようがバレないだろうし今の僕たちには欲しい代物だ。

 
「さすがはシス兄様だね。ありがとう。」


 御礼を伝えたらまた頭をわしゃわしゃとされてしまった。





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