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勇者という存在がもたらすもの
僕と旅行道中 野営地
しおりを挟む何年も何年も同じ場所を通れば道が出来る。同じ場所で休めば野営地が出来る。ここはそんな感じでできた冒険者達の野営地だ。とは言ってもキャンプ場みたいに設備があるわけではなく、ただ単に広い広場の様になっているというだけだがここには冒険者の証が必要だったりする。
勿論護衛任務だったりするときはそのメンバーは入れる。近くに別の野営地もあるのでそちらに商人だけとかは野営を出来るのだけど冒険者の野営地は態々護衛を雇いたいほど人気だったりする。
それは何年も冒険者が使ってゆくうちに色々と使いやすい様に改造されているからだ。
先程ただ単に広い広場の様になっているといたがよくよく見るとちゃんと火の場所はあるし、見張りもいるメンバーで相談しながらやれば良いので疲労も減る。何より場所によっては温泉が掘ってあったりもするらしい。
あまりにも人気になったのでギルドが規制をかけたそうだ。
「あら、お嬢ちゃんは私達と今晩は過ごす?男だらけじゃ怖いでしょ?」
「僕も男だから大丈夫だよ。声をかけてくれてありがとう。」
「まあ、ごめんなさいね。なんかあったら声かけて。」
こういった理由から常に複数の冒険者が利用しているので女冒険者は女冒険者で集まったり、護衛の女性達を担当してくれたりしているようだ。昔にそれで暴力を振るわれた女性も助けることができたそうだよ。
ヒラヒラと手を降って女性冒険者が消えた向こうで『嘘っ』『私より可愛いのに』なんて声が聞こえて苦笑い。
そして、今回僕がこの野営地に来たかったのは情報交換のため。冒険者の野営地なので冒険者同士が色々と情報交換や物々交換交換等も行っているようだ。ギルドで管理されている冒険者同士ちゃんとした情報が入るし、色んな国の冒険者も現れる。王都に来ることのない訳アリさんも来るので、楽しみなのだ。
今回この場に居るのは5組の冒険者だ。異国の鎧を身に着けた冒険者パーティーも居れば商人を護衛しているらしい身なりの良い団体もいる。
先程の女性メンバーは神秘的な銀髪の少女を護衛しているようだ。どこかの巫女様かな。
「ナンパか?」
「違うよ。また女性に間違われただけ。」
「別にナヨナヨしているわけではないのにな。」
「それ、ハラスメントだよ。」
冗談だ。と両手を小さく上げて降参を示す兄上に手に持っていた薪を渡す。今から僕達はお昼ご飯です。アキさんは今夜の見張りのお話しをしに他の冒険者の元に行っていてシス兄様はちかの川原で水を組みに行ってくれている。
兄上と僕は火起こしなのだけど薪になる木を拾って戻ってきたらどこからか火種を貰ったらしく火がついていた。
「後で御礼をしないとね。」
「俺が着けたかもしれないだろ。」
「火打石は渡してないし魔法で着けたなら一帯が火の海になるでしょう。」
「火の海にまでしないさ。」
ということで貰い物の火種を使わせてもらって火を大きくする。するとちょうどよくシス兄様が帰ってきてくれた。水を組んでもらっただけなのにその背には野ウサギや魚などを担いで来ているし、何なら血の匂いがプンプンしているのでそれ以外も狩ってきている可能性がある。
そしてそれは正解だった。
川原で水と魚を確保したらなんとイノシシ型のモンスターに遭遇し、それを退治して野ウサギを見つけて手土産にしたらしい。
うん。水を汲んできてもらったら何か採ってくるとは思っていたけど予想以上だ。退治したモンスターは他の冒険者に食べてもらうべく慌ててリーダー格の集まっているアキさんの所に向かった。話している所申し訳なかったが血の匂いで他の物がよってきても困るので事情を説明したら皆ガッツポーズをとりそれぞれ獲物を携えて消えて行った。
「ごめんね。」
「シンリ様が謝らないでください。確かに血の匂いで別のモンスターが来るかもしれませんし、何より皆さん喜んでますから。」
「なら良いけど。これじゃあ話し合いにならないからお昼食べてからかな。」
「そのようです。」
肉の塊をどんどん持ってくる冒険者の達。
どんな大きな獲物を獲得したのか気になるけど喜んでけれているので良いことにする。ただ、肉の処理の時間になってしまったので話し合いは中断し先にお昼を食べることにする。他のパーティーの人たちにもそう伝えると『了解です』のコトバを頂けだので火の番をしてくれているみんなの元に戻る。
野ウサギはもうすでに捌かれていて、魚は串を刺して丸焼きがすでに済んでいる。せっかくなので野ウサギのシチューでも作ろうかな。冒険者の野営地なら形跡が残ろうが良さそうだし。
「ちょっとした村みたいだよな。」
「確かに。でも明日には皆それぞれの所に行くけどね。」
「誰も居ないときとかもあるのか。」
「多分ね。」
冒険者の野営地は冒険者が居ないと入れないと言ったが別に壁で囲まれては居ないし管理者も居ない。ただ見つけにくいのだ。冒険者になったときにに渡されるカードを少しコチョコチョすると近くの野営地をしることが出来るのだがただの人は見つからない。近くの普通の野営地はわかりやすいのだがなぜかこちらは冒険者じゃないと見つからない。よくわからないがそうらしい。
だからこそたまにモンスターや野獣に盗賊が紛れ込んでくると言うわけだ。
「コウにぃ、シス兄様にらめっこしてないでご飯できたよ。」
お昼のメニューは焼き魚にうさぎのシチューとパンです。
あたりに美味しそうな匂いを漂わせてしまっていますが。いただきます。
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