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青い光のスヴェトリナー
僕ととある男の昔話
しおりを挟む国王が一人で国を回せるとは思わないが独裁政権の国等よく聞くものだ。男が教えてくれたのは王が魔道具を手に入れてからの話である。
王は魔女が持ってきた魔道具をいたく気に入り、魔女にその魔道具を献上するようにいった。もちろん魔女は魔道具の価値を知っているのでその話には乗らない。王は最後に一度だけ貸してくれないかと話しを持ちかける。魔女は渋々ながらそれによって出る利益が膨大だったため、取り上げられないように紐を付けてならと、魔道具を貸し出した。
しかし、それがまずかった。
王は魔道具で最初に願ったのは魔女をガラス瓶に閉じ込める事だった。魔道具は青い炎を輝かせて魔女を手のひらほどのガラス瓶へと閉じ込めてしまったのだ。
これで魔道具は王の物になったのだ。
次に王は国中の自らの評価を知るために人々が集まる場所を映し出して様子を見た。そこでは王の信頼は地に落ちていて文句ばかりの国民の姿を見ることとなる。
王は怒り、魔道具を使い寝ずに動ける兵士を作り出した。兵士たちどんどん作られては国に散らばり王が望むように行動する。王は次に城を強固な守りで固めた。寝ずの兵士が徘徊し要塞のような城が王を守る。
国は段々と可笑しくなってきた。
人々の眠りを奪い、他国の者には何事もない記憶を植え付ける。ゆえに色んな国を周る冒険者は異常は気づかなかった。
「魔法の道具さ宝石や珍しい石を食べて願いを叶えるんだぁ。」
「ああ。長老も言っていたね。」
「まるで見てきた様だな。」
「うぇ!いや、おいらは‥…。」
「お前も現場に居たのだろ?」
「お、おいらは兵士たちから話しを聴いただけだよ。」
「いや。それにしては詳しすぎる。俺達も暇じゃない。知っていることを全て教えろ。」
ズイッと迫るように詰問するコウにぃにひぃと悲鳴を上げとうとう観念したかの様に俯きながら話し始めた。
「おいらは元々お城で働いていただ。可愛い姫様とぶきっちょな今は居ねぇ王様の元働けて幸せだった。」
前王が病に倒れ時期王候補であった殿下が王位に着いてそれは変わった。本当は姫様を次期にと考えていたはずが周りの側近に謀れて王妃が甘やかしたせいでわがまま放題の王子の方が王になってしまったのだ。
わがままを聞き入れるふりをいて影で側近、宰相と王妃が共同して動かしていた。そして内戦が起きた。内戦は武力の多さで押し切る形で王が勝利し、その首謀者とされて姫様は城の離れに軟禁されることとなってしまう。本当は苦言を申し立てる姫様が厄介に感じた宰相達の企みだと皆は噂をしていたが。
「おいらもその内戦で大怪我をやらかして城をお出でされてしまったんじゃ。」
故郷の村に帰ろうとしたが王はろくな給金も与えずなおかつ怪我して皆を困らせたと退職金もくれなかったそうだ。ほぼ金子もない状態で放り出されたルカさんはここで一晩の宿をお願いしたそうだ。もちろんその変わりに雑多事を引き受けると言って。
どうやら魔女は雑多事をするのは好きではなかった様子で喜んでその申し出を受け入れてくれた。しかしそれ一日で終わるような量ではない。2日、3日と延長されていく日々に魔女は自分を開放する気がないと感じ取る。
やれやれどうしたことだと井戸に腰掛けて居ると井戸の奥に光る何かがあるのがみえた。
井戸の滑車を使い中に降りてみるとそこには半分が地面に埋まったランプがあった。それを丁寧に井戸の水でゆすぐと細かい細工が目をみはる素晴らしい物だった。井戸から上がりよく乾かしたランプに火を灯すとそこには美しい青色の炎が灯る。
ルカさんはその炎に見とれていると家の中から叱咤の声が飛ぶ。
そうだ。今日は庭の掃除を頼まれていたのだ。
慌ててランプを地面に置いて庭の掃除に取り掛かろうとしたとき、青い炎が揺らめき一瞬のうちに落ち葉だらけだった庭が綺麗になった。一体何があったのか目をパチクリしていた所で魔女が外に出てきてしまい、綺麗になっている庭に御満悦のようだった。
次に命じられたのは裏手にある畑の耕しだった。それは街外れと言うこともありとても広大な畑である。一日で終わらないほどだ。
それを目の前にしてはあ。とため息をしたあと鍬に手を伸ばしたとき、一緒に持ってきたランプの炎がまた揺らめき気が付くと目の前の畑は全て耕されていた。
似たことが2度もあり、ルカさんはランプを持ち上げた。きっとこの不思議なランプは井戸から助けた自分にお礼をしてくれているのだ。そう思ってまじまじと見ていると分かりづらいが、何かが嵌っていたと思われる凹みを見つけた。せっかくだからと少ないながらも頂いた宝石を嵌めて見た所、すうっと宝石が消えてしまった。
そして一段と輝くランプにルカさんにとって見たこともない可憐な人の姿をした青い炎が現れた。炎はルカさんに語り掛ける。
『仄暗い水の底から助けてくれてありがとう。そして新たなエネルギーをくれてありがとう。』
自分はランプの魔人であり力尽きかけていたが、井戸から助けてくれたルカさんにお礼をしたくて最後の力を振り絞った。そしたら新たなエネルギー源の石をくれて少しだけ時が伸びた。魔人は感謝の意を伝えてくれて何か望みはないかと尋ねてきた。
ルカさんには心残りがあった。
あの姫様だ。
あの姫様を逃がすために協力をしてくれないかと魔人に話すと快く引き受けてくれた。魔女の寝静まったよるに事情を伝えるために姫様の元に行く。城の下っ端がやるような事をしていたルカさんを姫様は覚えていた。
魔人の協力の元に逃げ出そうと伝えるも姫様は首を縦には振らなかった。姫様は知っていたのだ自分が逃げ出せば病に臥せる父や顔なじみの侍女達が殺される事を。
ならばと魔人に頼み一時の自由を。
暗い部屋ではなく雲の先の星空を眺め夜に咲く花を二人で眺めてまたあの部屋に戻る。それだけだったが姫様は幸せそうに笑っていた。
「魔女さんにバレちょった。」
魔女は井戸に捨てた筈の使い方がわからなかったランプをルカさんが持っていることに気がついた。そして観察し、魔人と談笑する様子を眺めて使い方を学んだあとルカさんを盗人と言い放ちランプを取り上げてしまった。力で抵抗すればよかったのかもしれないが、年老いた魔女をどうこうすることも出来ずにランプが奪われてしまった。
「後はさっき言った通りだ。おいらは城の隠し通路から全てを見て怖くて逃げ出したんだ。」
愚かな男だろ?
______
何時もお読みいただきありがとうございます。
8/5の更新は体調不良の為お休みします。
また再開しましたら読んでいただけると幸いです。
SHIN
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