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青い光のスヴェトリナー
僕と唯我独尊の王様
しおりを挟むシロガネ様の案内でやっと王様の居るところに来たら、どうやら兄上と対面していたもよう。宝石が辺りに散らばる部屋で見たこともない青い炎を宿すランプを片手に赤いビロードの椅子に座り足を組んで優雅に座って兄上の呆れた様な表情に、余裕な姿だ。
恐らくはあのランプを持っているからだろうか。
とりあえず、こちらにはきがついていないようなので高みの見物とさせて貰う。シロガネ様が飛び出そうとするのを手で制して部屋を無駄に豪華に飾り付けている柱の影に隠れた。
「君は面白いことを言うな。」
「どうも。」
「吾がこのランプを渡すとでも?」
「‥…渡してくれたら一番平和だと思うが?」
「ふははは!」
大きい声で笑い声を上げ、まるで子供のように手を叩く何がそんなにおかしいのか。
コウにぃはヤレヤレといったふうに首をすくめると帯刀している刀に手をかける。そんな姿を笑いながら見つめていた王はピタリと笑いをやめて真顔になった。
「交渉決裂だ。」
「そのようだ。」
「青い炎の魔人よ。吾を守れ!」
剣を抜き王に襲いかかるコウにぃを止めたのは寝ずの騎士だった。
未だに瞳がロゼ色の彼は一回飛び退きその後に剣を一閃させて砂塵へと還す。それを見た王はニヤついていた表情を驚いた顔に変えて身を乗り出す。それはそうだろう、今この国を制している重要な要因である騎士が一撃で倒されているのだからたまったものじゃない。
王はランプに宝石をじゃらじゃらと与えると兄上を指差す。
「あの男を倒せ!」
青い炎がきらめいて体格の良いオーガのような存在が出現された。その存在も寝ずの騎士のように魔力のおかしなところがあるのであれもゴーレムの術式のものなのだろう。それは兄上も理解して居るようでその場所に迷わず剣をつきたてる。しかし先程とは違い今度は剣が弾かれる。どうやら魔人はこちらが弱点が見えているとわかっているようだ。
ならばと垂直に剣を突き立ててその剣の柄を蹴りつけた。
「ちっ、浅いか。」
今度は剣が肉に埋まったかの様に見えたのだがそれでも術式には届かないようだ。そのまま剣が抜ける様子がなくて一旦距離をとったコウにぃが面倒そうにため息をつく。
このすきにランプを僕が奪ってしまえば良いのだがランプは王が抱きしめるように持っていて近寄ればこちらにも攻撃が来るのが分かる。
「あぁ‥…。」
「誰だ!」
思案していたらシロガネ様の悲惨な声が辺りに響いた。
そうなれば当然とばかりにこちらに王が視線を向けた。
シロガネ様はそんなことなどお構いなしに部屋の隅に放置されている瓶を抱え込んでいた。何か黒いものが入っているようにも見れる瓶。
「なんだ、シロガネか。隣の女は誰だ?」
「なんだじゃないです。こ、この瓶の中身は‥…。」
「気が付いたか?そうだ。吾に歯向かった奴らを閉じ込めて排除したのさ。」
「まだ、まだ生きている方は‥…。」
慌ててそこらに散らばる瓶を集めては中を覗く姫様。
僕も王の動向に注意しながら一つ拾って中を覗いてみると中にはボロ雑巾のようなマントを纏った老婆の姿。もうすでにこと切れているのか、反応はなくやせ細った身体と恐怖に慄く表情がわかる。拾ったときに体制が崩れたのか横たわってしまっている姿は何処かの飽きられた動物のよう。
「命を何だと思っているのよ。」
「吾に逆らったのだから命などいらぬだろ。」
「だからといって宰相様や母様まで。」
「そやつらは吾を利用していたとわかったからな。シロガネも利用されて内線の黒幕にされただろう。」
「だからと言って‥…うぅ。」
瓶を抱きしめ泣き出すシロガネ姫。
その姿に心揺さぶられるならそもそもこんなことはしないだろう。宰相や王妃、元王とシロガネ様の母親はどうやら利用しようとしていたのがバレたようだ。それもランプの仕業と言うことはわかっている。
「そこの女は何か言いたいのか?」
「ん?別に。と言いたいところだけどそのランプは僕のだから返してよ。」
「君もそんなことをいうのかい?」
「魔人は僕に似てるでしょ?」
そう言うと王が今は炎の状態のランプをみる。
そのすきに僕は地面を蹴った。ナイフを片手に襲いかかれば案の定でランプがオーガのようなゴーレムをこちらに向けてきた。だけどもそれは予想通りでナイフでオーガを受けたちながらもう片方の手で暗器の糸を王に向けた。
流石に糸に気付くような有能なやつではないのてランプに絡ませることが出来たが思っていたよりもオーガの力が強い。糸が外れないように気をつけながら相対した。
「どうしようかな。」
「姫様ぁ!」
「あれ?」
聞いたことのある声がしてそちらをチラ見するとルカさんがどこで拾ってきたのかボロボロの剣を携えて現れた。
その行く手を兄上と対峙していたオーガが遮るが、シロガネ様が泣いているのを目撃して頭に血が上っているのかウォぉという掛け声と共に無謀にも体当たりをして押しのけていた。そのオーガの身体が仰向けに倒れてちょうど刺さった剣が上に向く。
コウにぃは好機と見たのか飛び上がると剣の上に着地して更に剣が刺さる。その僅かな差で弱点に届いた様だ。オーガは声なき悲鳴を上げて砂塵へとかわる。
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