212 / 245
青い光のスヴェトリナー
暗き世界の光の道
しおりを挟む俺達はこの国の愚王に睡眠を奪われた。
昔は良かった。
けして大国のように賑やかさは無かったがとても暖かな国だった。姫様はお転婆で王は不器用だけど国民を愛し、寄り添ってくれた。王妃も最近ではだめだが最初の頃は王と仲睦まじく式典で現れたさいは優しく微笑みかけてくれた。
だが息子、今の愚王が大きくなるにつれて王妃は笑わなくなった。きっと妹の姫君がとても優秀で兄が王になれないことが悔しいのだろう。噂では宰相と何かを企んでいたらしい。
そして、王が倒れてから自体が急速に悪化した。
姫君に酷い濡れ衣を着せて軟禁し国中の税金が上がった。だが、どうにか対処した。しかし月日がたったある日を境に更に酷くなる。税金は更に上がり納税できない者は持っている宝石や珍しい石を納めさせた。そのうちに王は近くの鉱脈を掘り宝石を納めろとまで言ってくる。普通に仕事があり生活をしている我々にどうしたらそんな時間があると言うのか。
王に反逆しようと企んだものも居たが、何故かバレてしまって処罰を受けるだけだった。このままでは寝ないで働かないといけなくなるとい訴えた者もいた。王はニヤリと笑うと『寝ずに働ける様にしてやろう。』そう宣言した。それからこの国は地獄と化した。
働けど働けど疲れて寝る無事もできない。
長い長い暗黒を歩いている気分がした。死ねば楽になるのだろうか。
だが死んだら妻は、子供はどうなると言うのだろうか。
そんな日々を過ごしていたら一本に纏めた奇麗な漆黒の髪をゆらし一人の少女、いや、あの骨格は少年だろう。が魔獣に跨り現れた。
その手には姫様の紋章を掲げている。
姫様はご無事なのだろうか。少年の姿を皆が見つめる。
「今日、闇は晴れた。一人の男の勇気によりあの愚王は倒されたのだ。さあ、身体の疲労に耳を傾け暫しの休息を得よ。」
神々しい太陽を背にそう話す少年がまるで神の使いのように見えたのは俺だけでは無かったようだ。膝を紙面について祈るような姿勢をしていたとき、久しく感じてなかった眠気が突如襲われた。
ああ。少年の言っていることは本当なのだ。闇は晴れたのだ。勇気のある男とは誰なのだろうか。その方にも感謝の意を‥…。
僕の目の前には石も虫もいる地面で眠る街の皆様。
ランプにあった残り滓を吸収したところで彼らに掛かっていた力もなくなっていたはずなのだが、気力と緊張で今の今まで働き続けた彼ら。やっと寝れて良かった。流石に城下街の人を全員家に運ぶなんて出来ないから、申し訳ないけどそのまま放置してギルドに向う。ギルドの中の職員もこの国の住人で成り立っているので突然の眠気に倒れている人が多い。
他国から来ていた冒険者がどうしようかとオロオロしているところに声をかけた。
そういえば国の国民以外は街に異変がないと感じるようになっていたが僕達に影響がなかったのはやはりあの魔道具が僕だったからだろう。今になっては冒険者もハッとした表情をしているので異変に気が付いているようだ。
僕が全ての事を姫の紋章を見せながら話した事で冒険者たちは慌てだした。そりゃそうだ。これだけの出来事があり街の殆どの者が今や眠りに落ちている。その対処を今起きているメンバーでやってもらわないといけない。
「恐らくは明日には皆は目覚めると思うよ。」
「そ、そうなのか。」
これでこちらは大丈夫かな?
ちょっと不安だけどやってもらうしかない。
魔獣にたまがり今度は隣接の国へといく。医者を手配しなければならないからだ。
やれやれ、やることが多いぞ。
やっとのことで全てが終えたときにはすでに夜になってしまった。シロガネ姫様のご厚意で、部屋を用意してくれこの日はお城に泊まらせて貰うことにする。ムラキたちの動きがいつあるかわからない状況でじっくりと寝ている場合では無いのかもしれない。だけどそれはそれ。身体は休めるときには休まないといけない。
「だからといってこれはどういうことだべ?」
勿論僕達が泊まると言うことはルカさんも泊まっていると言うことだ。街の葉擦れまで戻るなんて大変だもんね。そこで僕とシロガネ様によってルカさんは飾りつけされていた。ビロードのマントを身体のラインのわかる礼服の上から羽織る。そして最後に王冠をつけたら‥…。
_______
いつも読んでいただきありがとうございます。
明日8/15は急遽体調不良の為お休みします。
体調回復しだいあげますので、宜しくおねがいします。
0
あなたにおすすめの小説
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。
卒業パーティでようやく分かった? 残念、もう手遅れです。
柊
ファンタジー
貴族の伝統が根づく由緒正しい学園、ヴァルクレスト学院。
そんな中、初の平民かつ特待生の身分で入学したフィナは卒業パーティの片隅で静かにグラスを傾けていた。
すると隣国クロニア帝国の王太子ノアディス・アウレストが会場へとやってきて……。
メインをはれない私は、普通に令嬢やってます
かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール
けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・
だから、この世界での普通の令嬢になります!
↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
悪役令嬢エリザベート物語
kirara
ファンタジー
私の名前はエリザベート・ノイズ
公爵令嬢である。
前世の名前は横川禮子。大学を卒業して入った企業でOLをしていたが、ある日の帰宅時に赤信号を無視してスクランブル交差点に飛び込んできた大型トラックとぶつかりそうになって。それからどうなったのだろう。気が付いた時には私は別の世界に転生していた。
ここは乙女ゲームの世界だ。そして私は悪役令嬢に生まれかわった。そのことを5歳の誕生パーティーの夜に知るのだった。
父はアフレイド・ノイズ公爵。
ノイズ公爵家の家長であり王国の重鎮。
魔法騎士団の総団長でもある。
母はマーガレット。
隣国アミルダ王国の第2王女。隣国の聖女の娘でもある。
兄の名前はリアム。
前世の記憶にある「乙女ゲーム」の中のエリザベート・ノイズは、王都学園の卒業パーティで、ウィリアム王太子殿下に真実の愛を見つけたと婚約を破棄され、身に覚えのない罪をきせられて国外に追放される。
そして、国境の手前で何者かに事故にみせかけて殺害されてしまうのだ。
王太子と婚約なんてするものか。
国外追放になどなるものか。
乙女ゲームの中では一人ぼっちだったエリザベート。
私は人生をあきらめない。
エリザベート・ノイズの二回目の人生が始まった。
⭐️第16回 ファンタジー小説大賞参加中です。応援してくれると嬉しいです
ナイスミドルな国王に生まれ変わったことを利用してヒロインを成敗する
ぴぴみ
恋愛
少し前まで普通のアラサーOLだった莉乃。ある時目を覚ますとなんだか身体が重いことに気がついて…。声は低いバリトン。鏡に写るはナイスミドルなおじ様。
皆畏れるような眼差しで私を陛下と呼ぶ。
ヒロインが悪役令嬢からの被害を訴える。元女として前世の記憶持ちとしてこの状況違和感しかないのですが…。
なんとか成敗してみたい。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる