僕の兄上マジチート ~いや、お前のが凄いよ~

SHIN

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残り幾日かの狂騒曲

僕と現状把握

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「残り5日、いや、もう夜だから残りは4日か。」



 今僕たちは神の国フェーリスの城の謁見の間に来ていた。その場には皇帝陛下様やバルスさんやユーシヤさん、それに僕の父であるカーディス・レオン・ディーレクトゥス等も居た。

その中でも異質な存在がいる。
 僕を要として神官たちによって顕現した女神様カトレア様だ。ブロンドの髪をふんわりと纏めて何時もの穏やかな表情とは違う深刻そうな顔付きをしていた。そして先の言葉の日付を教えてくれたのだ。

 世界と世界が交わるまで残り4日しかないのだという。神たちも阻止すべく動いているがどうも神たちの手の出しづらい我々の領分なのだと言う。神に等しき所業なのに神たちは手出ができない。とても歯痒い事だろう。


「では、我々は現象の要になっている物の除去をすれば良いのですか。」
『そうです。要が無くなれば多少なりとも事態は変わります。』
「ですが、何故私の息子なのですか。」
「父様。」
『その想いは重々承知しているつもりです。』


 腕を組み仁王立ちして女神という存在に臆する事なく、厳しい眼光を向けて言い放った。カトレア様はその眼光を真正面から受け頭を下げる。神が頭を下げるなど教会の神官たちは驚き、周りからもざわめきが起きた。

 カトレア様の言葉は更に続く。


神(魔)我々はそう簡単に動けぬ存在。この世界の住人である貴方方に任せる事になります。その中でも我々と深い縁を持っておりますシンリ様やコウラン様に任せる事になってしまいました。』
「縁があるものなら神族や魔族がいるだろう。」
『彼らでは駄目なのです。』
「何故だ。」
『それは‥…。』


 ちらりと僕たちなの視線を落とした後に神官たちにも目線を送る。
 あまり周りには流したくない内容のようで、カトレア様が困ったような顔をしていた。一大事で内緒にしておくも何も無いとは思うがそれがカトレア様の心遣いなのだろう。

 後々に聞いたらやはり我々の『魔神の愛し子』という縁に勝るものはなくさらにはムラキとの縁があるのは僕だということからお願いするしかなかったとのこと。本来なら彼等から隠して置きたいところをむしろ接点を多くすることに申し訳ないと謝られた。
 だけどムラキは僕を追ってきているのは間違いないし、この現象は僕にも責任があると言えよう。そんなときに僕は他に任せて閉じこもっていられないだろうからむしろ感謝しているのだけどね。


「‥…滅多に見れないカトレア様の使者をして、何度も姿を見ているのはこの世界でも希少な事だろう。だからこそカトレア様はシンリを選んだんだろう。」


 そうフォローをしてくれたのはコウにぃだった。
 僕を溺愛しているはずの兄上の言葉にそれを知っている皇帝陛下やバルスさん、父様は驚いた様な顔をしている。


「大切な者と言ったのは嘘だったのか?」
「何よりも大切な者に決まっているだろう?」
「なら、何故に。」
は大切にしすぎて知らぬ、手の届かぬところで消えたのだ。今度はこの手で守る。」


 なんの話をしているのかわからない者もいるだろうが、それでもコウにぃの真剣な顔に折れたのは父様だった。
 それならば私も共について行くと宣言した。
 本来辺境の地の異変などを見守るのが父様の役目だが、ここのところはヴァン兄様やシス兄様がその役目を担いはじめているしあの領地には母様もいるので心配ないだろうとの事だ。

 ただ、それならば皇帝陛下をお守りしてほしいという気持もあるがそんな周りの言うことなど聞くよしもないだろう。

  

「分かった。ディーレクトゥス辺境伯にはいつも家族より国を優先してくれている。偶には存分に家族を守るが良い。」
「感謝する。」
「女神様よ。我々のやることを改めて教えてくれ。」
『ありがと御座います。』


 間に立ってくれたコウにぃとこのような状況で戦力を快く送り出してくれた皇帝陛下に礼を述べ、下げられた頭を上げるた。


まず僕とコウにぃ、父様は僕がムラキの配下に遭遇したグランドオールに向かい状況を確認する事になった。もしかしたらアキさんと捕まえた男が生きていて要になっているかもしれないからだ。
 それが無くても何かしら手がかりがあるかもしれない。

 行っている間に他の者は最近のおかしな場所が無いか調べてくれるという。そこの担当にはバルスさんの姿も目線が合うとありにっこりと笑ってくれた。

 神官たちは人々が混乱しないようにどうにかしてみると言ってくれ、カトレア様はこの世界の全てに神託を述べて情報を集めてくれる。



「時間がない。したくが出来たら早速行動を開始するぞ。」

おおー!


 皇帝陛下の言葉に皆から声があがる。カトレア様は僕の身体からすでに消えていてどうやらもう行動を開始してくれているらしかった。
 こちらの旅の準備は済んでいるので父様を見上げたら、父様は腰に帯刀する剣を揺すり大丈夫だと答えた。

 辺境の地で急に災害があるときもあるので準備は常に万端にしているのだという。
 ブォンという音を立てて空間魔法を見せてくれた。さすがチートな家族同然のように騎士でもあるような父も空間を持っているのか。


「グランドオールは一度行ったから転移で行くぞ。」
「お願いね。」





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