215 / 245
残り幾日かの狂騒曲
僕と現状把握
しおりを挟む「残り5日、いや、もう夜だから残りは4日か。」
今僕たちは神の国の城の謁見の間に来ていた。その場には皇帝陛下様やバルスさんやユーシヤさん、それに僕の父であるカーディス・レオン・ディーレクトゥス等も居た。
その中でも異質な存在がいる。
僕を要として神官たちによって顕現した女神様だ。ブロンドの髪をふんわりと纏めて何時もの穏やかな表情とは違う深刻そうな顔付きをしていた。そして先の言葉の日付を教えてくれたのだ。
世界と世界が交わるまで残り4日しかないのだという。神たちも阻止すべく動いているがどうも神たちの手の出しづらい我々の領分なのだと言う。神に等しき所業なのに神たちは手出ができない。とても歯痒い事だろう。
「では、我々は現象の要になっている物の除去をすれば良いのですか。」
『そうです。要が無くなれば多少なりとも事態は変わります。』
「ですが、何故私の息子なのですか。」
「父様。」
『その想いは重々承知しているつもりです。』
腕を組み仁王立ちして女神という存在に臆する事なく、厳しい眼光を向けて言い放った。カトレア様はその眼光を真正面から受け頭を下げる。神が頭を下げるなど教会の神官たちは驚き、周りからもざわめきが起きた。
カトレア様の言葉は更に続く。
『神(魔)はそう簡単に動けぬ存在。この世界の住人である貴方方に任せる事になります。その中でも我々と深い縁を持っておりますシンリ様やコウラン様に任せる事になってしまいました。』
「縁があるものなら神族や魔族がいるだろう。」
『彼らでは駄目なのです。』
「何故だ。」
『それは‥…。』
ちらりと僕たちなの視線を落とした後に神官たちにも目線を送る。
あまり周りには流したくない内容のようで、カトレア様が困ったような顔をしていた。一大事で内緒にしておくも何も無いとは思うがそれがカトレア様の心遣いなのだろう。
後々に聞いたらやはり我々の『魔神の愛し子』という縁に勝るものはなくさらにはムラキとの縁があるのは僕だということからお願いするしかなかったとのこと。本来なら彼等から隠して置きたいところをむしろ接点を多くすることに申し訳ないと謝られた。
だけどムラキは僕を追ってきているのは間違いないし、この現象は僕にも責任があると言えよう。そんなときに僕は他に任せて閉じこもっていられないだろうからむしろ感謝しているのだけどね。
「‥…滅多に見れないカトレア様の使者をして、何度も姿を見ているのはこの世界でも希少な事だろう。だからこそカトレア様はシンリを選んだんだろう。」
そうフォローをしてくれたのはコウにぃだった。
僕を溺愛しているはずの兄上の言葉にそれを知っている皇帝陛下やバルスさん、父様は驚いた様な顔をしている。
「大切な者と言ったのは嘘だったのか?」
「何よりも大切な者に決まっているだろう?」
「なら、何故に。」
「前は大切にしすぎて知らぬ、手の届かぬところで消えたのだ。今度はこの手で守る。」
なんの話をしているのかわからない者もいるだろうが、それでもコウにぃの真剣な顔に折れたのは父様だった。
それならば私も共について行くと宣言した。
本来辺境の地の異変などを見守るのが父様の役目だが、ここのところはヴァン兄様やシス兄様がその役目を担いはじめているしあの領地には母様もいるので心配ないだろうとの事だ。
ただ、それならば皇帝陛下をお守りしてほしいという気持もあるがそんな周りの言うことなど聞くよしもないだろう。
「分かった。ディーレクトゥス辺境伯にはいつも家族より国を優先してくれている。偶には存分に家族を守るが良い。」
「感謝する。」
「女神様よ。我々のやることを改めて教えてくれ。」
『ありがと御座います。』
間に立ってくれたコウにぃとこのような状況で戦力を快く送り出してくれた皇帝陛下に礼を述べ、下げられた頭を上げるた。
まず僕とコウにぃ、父様は僕がムラキの配下に遭遇したグランドオールに向かい状況を確認する事になった。もしかしたらアキさんと捕まえた男が生きていて要になっているかもしれないからだ。
それが無くても何かしら手がかりがあるかもしれない。
行っている間に他の者は最近のおかしな場所が無いか調べてくれるという。そこの担当にはバルスさんの姿も目線が合うとありにっこりと笑ってくれた。
神官たちは人々が混乱しないようにどうにかしてみると言ってくれ、カトレア様はこの世界の全てに神託を述べて情報を集めてくれる。
「時間がない。したくが出来たら早速行動を開始するぞ。」
おおー!
皇帝陛下の言葉に皆から声があがる。カトレア様は僕の身体からすでに消えていてどうやらもう行動を開始してくれているらしかった。
こちらの旅の準備は済んでいるので父様を見上げたら、父様は腰に帯刀する剣を揺すり大丈夫だと答えた。
辺境の地で急に災害があるときもあるので準備は常に万端にしているのだという。
ブォンという音を立てて空間魔法を見せてくれた。さすがチートな家族同然のように騎士でもあるような父も空間を持っているのか。
「グランドオールは一度行ったから転移で行くぞ。」
「お願いね。」
0
あなたにおすすめの小説
断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。
メインをはれない私は、普通に令嬢やってます
かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール
けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・
だから、この世界での普通の令嬢になります!
↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・
ナイスミドルな国王に生まれ変わったことを利用してヒロインを成敗する
ぴぴみ
恋愛
少し前まで普通のアラサーOLだった莉乃。ある時目を覚ますとなんだか身体が重いことに気がついて…。声は低いバリトン。鏡に写るはナイスミドルなおじ様。
皆畏れるような眼差しで私を陛下と呼ぶ。
ヒロインが悪役令嬢からの被害を訴える。元女として前世の記憶持ちとしてこの状況違和感しかないのですが…。
なんとか成敗してみたい。
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
ざまぁされるための努力とかしたくない
こうやさい
ファンタジー
ある日あたしは自分が乙女ゲームの悪役令嬢に転生している事に気付いた。
けどなんか環境違いすぎるんだけど?
例のごとく深く考えないで下さい。ゲーム転生系で前世の記憶が戻った理由自体が強制力とかってあんまなくね? って思いつきから書いただけなので。けど知らないだけであるんだろうな。
作中で「身近な物で代用できますよってその身近がすでにないじゃん的な~」とありますが『俺の知識チートが始まらない』の方が書いたのは後です。これから連想して書きました。
ただいま諸事情で出すべきか否か微妙なので棚上げしてたのとか自サイトの方に上げるべきかどうか悩んでたのとか大昔のとかを放出中です。見直しもあまり出来ないのでいつも以上に誤字脱字等も多いです。ご了承下さい。
恐らく後で消す私信。電話機は通販なのでまだ来てないけどAndroidのBlackBerry買いました、中古の。
中古でもノーパソ買えるだけの値段するやんと思っただろうけど、ノーパソの場合は妥協しての機種だけど、BlackBerryは使ってみたかった機種なので(後で「こんなの使えない」とぶん投げる可能性はあるにしろ)。それに電話機は壊れなくても後二年も経たないうちに強制的に買い換え決まってたので、最低限の覚悟はしてたわけで……もうちょっと壊れるのが遅かったらそれに手をつけてた可能性はあるけど。それにタブレットの調子も最近悪いのでガラケー買ってそっちも別に買い換える可能性を考えると、妥協ノーパソより有意義かなと。妥協して惰性で使い続けるの苦痛だからね。
……ちなみにパソの調子ですが……なんか無意識に「もう嫌だ」とエンドレスでつぶやいてたらしいくらいの速度です。これだって10動くっていわれてるの買ってハードディスクとか取り替えてもらったりしたんだけどなぁ。
私と母のサバイバル
だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。
しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。
希望を諦めず森を進もう。
そう決意するシェリーに異変が起きた。
「私、別世界の前世があるみたい」
前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?
気絶した婚約者を置き去りにする男の踏み台になんてならない!
ひづき
恋愛
ヒロインにタックルされて気絶した。しかも婚約者は気絶した私を放置してヒロインと共に去りやがった。
え、コイツらを幸せにする為に私が悪役令嬢!?やってられるか!!
それより気絶した私を運んでくれた恩人は誰だろう?
ねえ、今どんな気持ち?
かぜかおる
ファンタジー
アンナという1人の少女によって、私は第三王子の婚約者という地位も聖女の称号も奪われた
彼女はこの世界がゲームの世界と知っていて、裏ルートの攻略のために第三王子とその側近達を落としたみたい。
でも、あなたは真実を知らないみたいね
ふんわり設定、口調迷子は許してください・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる