僕の兄上マジチート ~いや、お前のが凄いよ~

SHIN

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残り幾日かの狂騒曲

僕と音の国リターン

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 時間がないのでまた兄上の力を借りて音の国ミュージアに戻ってきた。本当は今度も観光として来たかったのだけど緊急事態なのでしょうがない。

 あいも変わらず人族街と獣人街で分かれているようだがその境目は行き来の出来るように門は上がっていた。あの問題の音が緩和されたのが良かったのか、こちらの街も向こうの街の住人も笑顔である。

 まあ、空に見える向こうの世界のせいでぎこちないところはあるのはしょうがない。
 だけどもあの王様がいたときよりはいい国になっているのは間違いなさそうだった。


 僕たちはすでに暗くなってきた事もあり異変を知らせてくれたシヤさんに話を聞くことにした。


 あの2つの世界が浮かび上がった日、地下に捕らえていた王様が叫びだしたのを兵士が目撃した。元々あの事件からいたらしく、最初はまたかと思っていた様だが身体からほとばしるように上がる何かが見えた気がして、急遽ラウルス侯爵、今は身分はないからラウルス家か。に連絡が行ったのだという。

 たまたまラウルス家にいた勇者と呼ばれているグレイシアを連れてクラウスさんが様子を着たときには元王は異形の存在へと変わっていたそうだ。それと同時にダウニー元公爵様は正気を取り戻し何かを訴えているという。

 そんなときにに女神様カトレアが現れて世界の異常事態を宣言した。
 そこでこの事態も関係あるのではないかと考えてギルド経由でアキさん、シアさんに連絡が来たのだとか。


「取り敢えずは元王は捕らえられたままなんだね。」
「ああ。だが、変異してから変なガスが出ているようで、サラート夫妻が漏れないように守っていると聞いてます。」
「そうなんだ。じゃあ、牢獄に向かったほうが良さそうだね。」
「俺とディーレクトゥス辺境伯は街の中を確認してから行く。」
「‥…公爵様の誘いなら付き合うしかないか。」


 暗に二手に別れると言っているが何か考えがあるのだろう。僕はシアさんと共に元王のいる牢獄に向かった。





「『ぐごぉお‥…。』」
「これは凄いね。」


 僕たちが、見たのは肌が緑色でイボイボが目立つまるでカエルの様な姿の元王の姿だった。目は爬虫類のそれでねっとりとした粘液状の唾液を口元から垂らしている。時たま見えるピンク色の舌は長く伸びる時もあり正にカエルなのだがその大きさは大人5人ほど有るだろうか。

 そんな異形の者の端っこに壊れた牢屋の鉄格子の下敷きになってダウニー元公爵がいる。生きてはいるみたいでガダガタと身体を震わせて被害に合わないようにしているようだ。

 そんな彼のところのそばで、緑色の煙が充満しているドームがあった。これがサラート夫妻の結界であり煙が変なガスと言うことのようだ。牢獄の側には今やご神木の様な扱いの位牌を模した要がある。薄っすらと見える靄の様なサラート夫妻はあの日よりも状態が良い。


「さて、ここからは僕が代わるよ。」
「あ、シンリ‥…様。」
「シンリで良いって。クラウスさんもサラート夫妻もお疲れ様。」
「うむ。私はほぼ何もしていないがな。」


 僕が声をかけると今や身なりが整ったグレイシアが顔をほころばせて迎えてくれた。まだ、無表情気味だがあのコウにぃと一緒に居て鍛えた観察眼には自身がある。
 取り敢えず化けカエルは下や意外と鋭い爪で攻撃してくるみたいなのでそれを抑えながら、シアさんに頼んでダウニー元公爵の回収をお願いする。
 音の国ミュージアで色入起こした事件も今回も何か知っているのは間違いないから生きてて貰わないと。


「まったく。ムラキは何を考えているのだが。」
「『む、むむむ‥…ムラキ‥…様‥…。』」


 何気なく呟いた言葉に化けカエルは反応を示した。
 ぐるぐると目がおかしな風にギョロギョロ回り、言葉らしい物を発声している。よほど何かあったのか。
 攻撃が激しくなるのをただ受けるだけにとどめてシアさんのダウニー元公爵の回収を見届けてから伸びてくる舌を地面に縫い付けた。

 ギャッと言う声と共にピンク色の舌は針状の何かで縫い止められてびくピクと蠢く。たかだか針だから直ぐに抜かれてしまうのは目に見えて居るので、即座に切り落とす。


「駄目。再生する。」
「ん?」
「何度落としても強化されて戻る。」
「へえ。このガスは?」
「『分からないのです。吸った兵士は痙攣して気絶したので下がりました。』」
「クラウスさん、上でその兵士の様子を見てきて欲しいです。」
「分かった。」


 よくわからないガスを吸った兵士を心配しているわけではない。ただ単に気になるのでお願いしたのだ。もしかしたら、ここで抑えてくれたことに感謝することに為るかもしれない。


「取り敢えずこの元王様は再生が間に合わないほど攻撃してあげないとね。」


 ぴっと糸状の暗器を、手に取ったらにっこりと微笑む。そしてサラート夫妻の結界の先にある化けカエルに攻撃を仕掛けさた。
 再生するなら再生できないほど切り刻んでしまえば良いのさ。


「『ぎゃああ‥…。』」


  これで再生するならまた別の方法を考えれば良い。
 



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