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残り幾日かの狂騒曲
僕と辺境の地
しおりを挟むディーレクトゥス家があるランドグシャ領、そこは自然豊かでいてそのため魔の物の質も高い。基本的にディーレクトゥス家は共存を望みともに協力をして開墾してきた。だが、中にはその安寧を脅かす者も居る。
この地は豊かであるゆえに魔素が強く強力な力を持つものも産まれやすい。
それらをほぼ一人で制しているのがカーディス・レオン・ディーレクトゥスだ。その妻はランドグシャ領に来る前は氷の魔女とも呼ばれてその優しい表情とは裏腹に戦地に草一つ生えさせないようなえげつない魔法を繰り出す事で有名だった方だ。彼女もこの辺境の地で無事に過ごせるひとりだろう。
今現在も世界の危機に駆り出されている当主の代わりに治めている。
その子供達も大変稀なる能力を持ち、子供ながらに森に遊びに出かけることの出来る逸材だ。
「なんていうのが世間での見方だよね。」
「だいたい合っているだろ。」
「僕はだいたい王都で過ごしているから、森の記憶はほぼ無いよ。」
あってもあの木漏れ日の下お昼寝に良さそうだ。ぐらいだ。
「あそこで昼寝出来るなら流石はディーレクトゥス家と言えるだろうよ。」
「えー。」
今回の同行者は兄上と音の国から戻ってきたシヤさん。それに自分達の領土に戻る僕と父様で四人での行動となった。
父様もまさか辺境の森に隠れ住んでいるとは思っていなかったようだ。そもそもが父様含めてディーレクトゥス家は異常なぐらいの戦闘能力を持つ。その者達がわざわざ王に命じられて守っていた地である。先程の話していた世間の見方でもそんな感じなので今まで会っていたムラキの配下には到底攻略なんて出来る気はしない。
「そういえば、俺がこちらに来るのは初めてだな。」
「あ、そういえばそうだね。良い所だよ。温泉もあるし特別な薬草とかも採取できるし。」
「ある程度の強さがあればでしょう?お姫様。」
「いやいや、普通の領民も居るから。」
「じゃあ、その領民達の特徴を言ってください。」
シヤさんに言われてそう言われてランドグシャ領の皆を思い出す。
基本、王都で過ごしている僕が帰ってきても笑顔で迎え入れてくれて、遊びに行くと魔獣の解体のし方とかチャンバラとかで遊んでくれる。疲れたら一緒に休んで昼寝したりとか、開拓の為に森を崩すときも皆で協力してだいたい2日ぐらいには終わっているんだよね。
女の人も普通に薬草採取してそれを加工した後に王都に売ったり、たまに遭遇するというモンスターの肉を加工したりしてアグレッシブな人達だ。
皆笑顔でいい人達だよ。
「で、こちらの辺境の魔獣たちの強さはどのくらいか知ってますか?」
「え、確かSランク冒険者が苦、戦‥…する。」
「そうです。何なら魔の森よりも強い奴らがうようよいます。そんな所を気軽に薬草取ったり昼寝なんて普通ではありません。」
「うぐ。言うようになったね。」
「お姫様の顔で騙されていた頃とは違いますからね。」
それはあの人魚の国の事を行っているのだろう。あのときと公私で分けた呼び名は変わらないけど確かに少し諦められている気はする。
「ランドグシャ領は辺境にあるのに安心安全旅行地になってますよ。」
「へえ。」
「なので、そんなところでよく隠れられていると関心してます。」
「死んでいて石だけ放置の可能性もあるな。」
まあ、それもありそうだが僕はちゃんと人がいると予測している。
石だけになってしまっていれば共存してくれている魔獣や魔の物が知らせてくれるからだいつもと見たことない人がいても教えてくれるいい関係を結んでいた。
ということはそれだけの対魔スキルか隠れるスキルだけは一流かも知れないということ。気を引き締めておかなくては。
「にしても、辺境の地まで一瞬とは凄い。」
「兄上が監修したからね。これがあるからほぼ王都で過ごす事になったのだけど。」
「嫌だったか?」
「全然。僕の家族全員に会えるんだもの最高だよ。」
「こういうときに役立つしな。」
この装置が無ければ今回は間に合わなかったことだろう。これはコウにぃのブラコンのおかげだと感謝する。まあ、どんだけ執着されても嫌ではないのだけどね。
「あら、カーディス。帰ってきたの?」
そうしてランドグシャ領の僕の家に来たときに出迎えてきてくれたのは装備を整えた母様であった。
相変わらずの可愛らしい僕の母様は今の異常事態でありながら帰ってきた父様にきょとんとしながら声をかけた。
「詳しいことは言えないがどうやらあの森にシンリを狙う仲間がいるらしい。」
「なんですって。なら、この件も関係しているのかしら。」
「どうした。」
「実は‥…。」
父様が領地を他の家族に任せて王都に行ったあと、領地に隣接する例の森でモンスターや野獣が騒ぎ出したのだという。
その騒ぎは普通ではないぐらいけたたましく誰かが追われているようなのはわかった。だが、騒ぐモンスターや野獣は怒りの感情が強く、兄嫁がその殺気で倒れてしまったそうだ。
「今から怒りを収めに行く予定なの。」
「恐らくはこちらの件が絡んでいるな。俺達が行こう。」
「うん。母様は義姉様を看病してて。」
「そう?なら言葉に甘えて私は家を守るわね。」
「頼んだ。」
父様は母様の額にバードキスを送ったあと案内すると言って先陣をきる。
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