僕の兄上マジチート ~いや、お前のが凄いよ~

SHIN

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霊峰と深緑の山

新緑の山ツクバネ 不穏

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本来ならゆっくりと景色を楽しみながら登りたい。
 紅葉は鮮やかで緑、赤、黄色と混じっている山間はまるでモザイク画の様に美しい。時折聞こえる鳥の囀りに動物達の姿は見ている分には申し分ない。純粋に観光に来た客もカメラを片手にそんな自然を楽しんでいる。

 動物や魔獣が襲うことなく直ぐ側までで来るのはこの山特有なのだと自慢気に語る地元の観光客。
 そんな中で周りの景色を見ることなく進むのは僕達と観光とは違う目的をもっている別の集団位だ。


「野生の動物や魔獣のこの姿は異常だな。」
「両方、警戒心を持ってない。もしも野心のあるものが近づいてもお構いなしだろう。」
「そうすると密猟者や行方不明者が出てくるね。」


 ずる賢い魔獣は人を喰うために近づき、野心のある人は珍しい動物を捕らえる為に動き出すだろう。
 珍しい動物や魔獣は死んでいようが生きていようがそれなりの価値になり、裏では競売や対戦などに使われているそうだ。懐いて来て手に入るなら罠などに金もかけなくて良いからボロ儲けだろう。


 キューン


 先を急いでいる途中で嫌な予感が当たった 。
 甲高い何かしらの生き物の声が耳に届いた。辺りを見ても景色に夢中で気がついているのは僕等だけのようだ。

 億人もの人が使って道になっている所からそれて声がした所にむかうと、そこには明らかに観光客とは異なる装備の男達が何やらもそもそとしている網の塊を抱えている。
 そこから微かに先程の声が聞こえていた。あれは母親に助けを求める子供の声だ。

 僕が動こうとしたとき、それよりも早くアキさんが行動に移した。
 網を持つ男の周りに居た者達に奇襲を掛けている。それは咄嗟の出来事では対応出来ない程にスムーズで相手がもたもたとしている間に残りは網を抱え持つ男の一人だけになっていた。

 アキさんの紅い髪に宝石の様な角が輝き、さぞかし敵対している男は生きた心地がしないことであろう。


「その中身を寄越しなさい。」
「ひっ!」
「はいはい、逃げちゃだめよ。」
「な、仲間?」


 ずいと迫るアキさんから逃げようと後退あとずさった男の肩ににこやかに手を置いて阻止する。それにびくりと身体を跳ね上げて手の力が抜けたのか網が地面に落ちそうになった所をコウにぃがナイスキャッチしてくれる。


「き、危険な魔獣を人が接触しないように捕まえただけだ。」
「装備的にそうは見えないけど。」


 男達の装備は銃やマチェットナイフナイフなど危害を加えられる物ばかりだ。
 それに、魔獣と人を接触しないようにするなら親子を引き離す方が危険である。子供を想う親が暴走し、死者が出るなどよくある話だ。


「おまえ、ハラグロだかノドグロだかの仲間か?」
「ノドグロ様をご存知か。なら、そのを渡せ。」
「やっぱり売る気じゃないか。」
「な、騙したな!」
「たまたま、受付で見かけたんだよ。商紋が一緒だからもしかしてと思ったんだ。」


 商人の一派が仲間だと分かるように一派に分からないように家紋のような紋様をつけるのが流行っている。それを一度見ただけで見抜き、確証をもって話しかけるとはやはり兄上チートは違うな。

 密猟者は縄で縛っておき、そこらへんの木で作った札を首から掛けておく。
 その木札には『この者密猟者也』と書いておく。
 そしたら皆が通る道の脇に置いておけば誰かしらが通報してくれるだろう。


 網に囚われていた魔獣の子供、銀色の子狐は怪我をしていないか確認した後に山に返す。今度は人に遭ったら警戒心を持っていると良いな。


「じゃあ、先に進もうか。」
「はい。」


 受付嬢からもらった可愛らしいイラスト付きのパンフレットには頂上手前の水辺に祠があると記されていた。今の場所からその場所までこのペースならさほど掛からずにつくことが出来そうだ。

 3人で頷き合って周りが可怪しく感じないように先を急ぐ。

 観光地となっているので祠に向かう客も大勢いる。流石にそんな大勢の前で山神に話しを聞くわけにはいかない。話しかけるのは夜にするにしても場所は把握しておきたい。その場所を確認できたら異質の存在を捜す時間に当てようと最初から計画していたのだ。


 暫くして開けた所に出ると派手な金箔が貼られた祠が見えた。ここも人が入れる様になっている様である程度の大きさになっているが、やたらと目が痛い作りだ。

 これは恐らく人が勝手にやった事だろう。特に僕達を見下げたあのケンキとかいう宮司はやりそうだ。せっかくの自然で美しい風景が台無しだ。


「今はそんなの気にしてられないけど。」
「取り敢えず、人が落ち着くまで散策だな。」
「そうだね。ここは凄くがするから間違いなく居そうだ。」
「人様の世界にケチつけた奴には先ずは話し合いだ。通じそうに無ければボコれ。」


 そうは言うけど、きっと兄上は話しを聞く前にボコるだろうな。
 
 
 ここで二手に別れる事にしたアキさんと僕とコウにぃと腕輪から元に戻った宵月だ。コウにぃと宵月は僕と行くと争っていたので二人で行ってこいとアキさんと先にその場を後にしたのだ。

 そして数時間後、顔を腫らした少年を引きずった兄上と再会をする事になった。






___________


 皆様読んでくださり有難うございます。

 この度はスプラトゥーン休みを頂きたく存じます。
 レベ上げなどを満喫するため10/8迄休ませてください。9日の12時よりまた再開します。

スプラトゥーン楽しい!


SHIN
 
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