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30.お前は化け物だ
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ゼインは冷酷でも残忍でもない。その真逆の人だ。国のため、人のために身を粉にして働き、血塗られた仕事ですらオルフェウスの代わりにこなしてきた。
必死になって出した結果も、ゼインなら当たり前、ゼインなら失敗することはないと言われる。さらなる期待を持たれて、それすらもゼインは完璧にやり遂げる。ひとつの文句も言わずに立派な王太子としてあり続ける。
結婚すらも自由がない。それでもハルに対して何度も優しい手を差し伸べてくれた。ハルに言われて無愛想な自分を直そうと頑張る姿も愛おしくてたまらない。
あんなに努力家で、献身的で、優しい人のどこが冷酷で残忍なのか。
「……ゼインさまはこんな命令を出す人じゃない」
ラインハルトは嘘をついているに違いない。ゼインがハルを他のアルファに抱かれて来いと差し出すわけがない。
「帰ります!」
ハルはラインハルトの手を振り払った。
「今すぐ扉を開けてっ、くださいっ!」
ハルは扉を開けようと試みる。だが、扉は動かない。ガタガタと揺らしてもびくともしないのだ。
「無駄だ。私に仕えている魔導師の結界を解ける者などいない。あいつは最上位魔導師だ」
「えっ……!」
ハルには魔力がまったくない。魔法でなければドアを物理的に破壊して外に出ることができるが、魔法による結界だとしたら、破る術がない。
「ひと晩中とは言わない。深夜には部屋に帰してやる。だから大人しく受け入れろ。あまり乱暴な真似はしたくないのだ」
「あっ……!」
シャツの胸元を引っ張られ、ハルの服が破けた。そのまま手首を頭の上で押さえつけられ、壁に背中を叩きつけられる。
「嫌だ、放してっ!」
ハルは必死で抵抗するが、オメガの細腕ではアルファに敵わない。ラインハルトは魔法でハルの両手首をまとめて縛りつけた。
このままでは身動きがとれなくなる。部屋からも逃げられない。
「肌も綺麗なのだな」
破けた服の隙間から手を差し込まれ、ハルはあまりの気持ち悪さに震えた。
逃げたいのに、両手は使えない。壁とラインハルトに身体を挟まれて身動きが取れない。
ラインハルトに触れられたくない。ゼインだけの身体でいたい。
こんな男に、オメガの身体を犯されるなんて耐えられない。
ハルがここから逃げ出せる方法はひとつしかない。
魔法による結界だとしたら、それを破ることができるのは最上位魔導師と同等かそれ以上の魔力を持っている人だ。
声が外に聞こえるかどうかわからない。でもハルが頼れる人はたったひとりしかいない。
「ゼインさまっ! ゼインさま助けてくださいっ!」
ゼインなら最上位魔導師にも、たくさんの護衛兵にだって負けない。ハルが助かる道は、ゼインがここまで助けに来てくれることだけだ。
「ゼインさまっ!」
「うるさいっ」
叫んでいたらラインハルトに睨まれた。頬を引っぱたかれ、手で口を塞がれる。
「あんな男のどこがいいんだっ! 陰気くさくて無愛想なくせに、皆、ゼインゼインとあいつのことばかり……!」
ラインハルトは強引にハルを引っ張りベッドに連れ込もうとする。
「ゼインさまっ! 助けてくださいっ! ゼインさまっ!」
それにハルが必死で抵抗していたときだった。
いきなり扉が光り出した。寝室に差し込む強い光の線はやがて大きくなり、扉が大きく開かれた。
光の中から現れたのは長身で黒髪の男だ。ハルの目の前に、望んでいた人が現れた。
ゼインはハルを見捨てなかった。
「ハル。そんなに俺が恋しかったのか?」
ゼインの手のひらには魔紋章が浮かび上がり、光を放っている。
ゼインは臆することなく、ラインハルトとハルに向かって歩みを進める。
「人のものに手を出すとは、リディアック王家も落ちぶれたものだな」
ゼインが手をかざしただけで、ハルを拘束していたラインハルトの魔法が解けた。
ゼインの後ろには護衛兵や魔導師がいる。あとから駆けつけてくる者もいて、皆、ゼインのことを遠巻きにして警戒し、護衛兵は剣の切っ先を向けている。
「ゼイン。お前は化け物だよ。あの結界は熟練した魔術師でなければ解けないはずだ。それをこうも易々と。護衛兵にはお前をここに通すなと命じてあった。それを全員薙ぎ払ってきたのか」
「はい。ここにいる者をすべて倒すことは俺にとって造作もないことです」
ゼインはラインハルトにそう言い切ってみせるが、それは嘘ではないのだろう。ゼインは強すぎる。束になってかかってもゼインには勝てない。
「俺を通さない時点で、何か秘密があると思って正解だった」
ゼインが周囲に睨みを利かせると、護衛兵たちは一斉に剣の先をゼインに向ける。魔導師はいつでも術がかけられるように身構えた。
「ふざけるな。いくらお前でもここにいるのは精鋭ばかり。勝てるわけがない」
ラインハルトはニヤリと口角を上げる。
「王の間に許可なく立ち入ったこやつを捕らえよ!」
ラインハルトの命令が下った。それを聞いて護衛兵たちはじりじりとゼインに迫る。
いったいゼインが何をしたというのだろう。ゼインはハルを助けに来ただけだ。
「この場にいる全員が俺が消えることを望んでいるとは。血塗られた俺は、本当に呪われているようだ」
ゼインは寂しげな表情を見せる。それを見てハルまで悲しくなってきた。ゼインが呪われるわけがない。あんなに人のために尽くしてきたのに。
それにこの場にいる全員とはなんて言いぐさだ。敵に囲まれてはいるが、この場にはハルもいる。あんな言い方をしたら、ハルまでもがゼインが消えることを望んでいるように聞こえてしまう。
「早く捕らえろ。さっさと俺を解放してくれ」
ゼインは右手をゆっくりと下げた。ゼインには抵抗する気はないらしい。
ゼインにそんなことをさせられない。ゼインが捕まるなんて絶対にダメだ。
「ゼインさまに対する無礼は許さない!」
ハルはゼインの目の前に立ち、ゼインを庇うように両手を大きく横に広げた。
「ラインハルト陛下、なぜゼインさまを捕らえようとするのです? ゼインさまは私を探してここにいらっしゃっただけです。そしてなぜゆく手を阻まれながらもここに来てくれたのか、その理由は陛下ならよくご存じですよね?」
ハルがラインハルトに厳しい目を向けると、ラインハルトが一歩たじろいだ。ラインハルトにとって予想外のことだったのかもしれない。
「今すぐ命令を取り下げてください。それが成されなければ、私は今回の件をレドナ中立国の国際議会ですべて公にします!」
どちらが最初に悪いことをしたか、ラインハルトはわかっているのだろうか。それをゼインを捕らえることで帳消しにしようとしているのなら、絶対に許さない。
「陛下! 早くご決断を」
ラインハルトが一国の王でも、こちらもアレドナールの王太子妃だ。年上だから敬っているが、態度によってはこっちも出るとこ出るぞと睨みを利かせる。
ラインハルトは魚のように口をパクパクさせたあと、「め、命令を取り下げる!」とあっさり方向転換した。
「この件について、ゼインは不問としよう。これからのこともある。大ごとになってしまったが、この件はこれで終わりだ。皆、持ち場に戻れっ!」
なんという雑な采配なのだろうと思うが、やはり自分がオメガにしてきたことは知られたくないのだろう。自らの恥を追及されたくなくてうやむやにしたのだ。
ラインハルトはゼインを不問にしたし、ハルもそれ以上のことは黙っていることにした。
ゼインがハルを見限らず助けに来てくれたおかげでひどい乱暴を受けずに済んだのだから。
必死になって出した結果も、ゼインなら当たり前、ゼインなら失敗することはないと言われる。さらなる期待を持たれて、それすらもゼインは完璧にやり遂げる。ひとつの文句も言わずに立派な王太子としてあり続ける。
結婚すらも自由がない。それでもハルに対して何度も優しい手を差し伸べてくれた。ハルに言われて無愛想な自分を直そうと頑張る姿も愛おしくてたまらない。
あんなに努力家で、献身的で、優しい人のどこが冷酷で残忍なのか。
「……ゼインさまはこんな命令を出す人じゃない」
ラインハルトは嘘をついているに違いない。ゼインがハルを他のアルファに抱かれて来いと差し出すわけがない。
「帰ります!」
ハルはラインハルトの手を振り払った。
「今すぐ扉を開けてっ、くださいっ!」
ハルは扉を開けようと試みる。だが、扉は動かない。ガタガタと揺らしてもびくともしないのだ。
「無駄だ。私に仕えている魔導師の結界を解ける者などいない。あいつは最上位魔導師だ」
「えっ……!」
ハルには魔力がまったくない。魔法でなければドアを物理的に破壊して外に出ることができるが、魔法による結界だとしたら、破る術がない。
「ひと晩中とは言わない。深夜には部屋に帰してやる。だから大人しく受け入れろ。あまり乱暴な真似はしたくないのだ」
「あっ……!」
シャツの胸元を引っ張られ、ハルの服が破けた。そのまま手首を頭の上で押さえつけられ、壁に背中を叩きつけられる。
「嫌だ、放してっ!」
ハルは必死で抵抗するが、オメガの細腕ではアルファに敵わない。ラインハルトは魔法でハルの両手首をまとめて縛りつけた。
このままでは身動きがとれなくなる。部屋からも逃げられない。
「肌も綺麗なのだな」
破けた服の隙間から手を差し込まれ、ハルはあまりの気持ち悪さに震えた。
逃げたいのに、両手は使えない。壁とラインハルトに身体を挟まれて身動きが取れない。
ラインハルトに触れられたくない。ゼインだけの身体でいたい。
こんな男に、オメガの身体を犯されるなんて耐えられない。
ハルがここから逃げ出せる方法はひとつしかない。
魔法による結界だとしたら、それを破ることができるのは最上位魔導師と同等かそれ以上の魔力を持っている人だ。
声が外に聞こえるかどうかわからない。でもハルが頼れる人はたったひとりしかいない。
「ゼインさまっ! ゼインさま助けてくださいっ!」
ゼインなら最上位魔導師にも、たくさんの護衛兵にだって負けない。ハルが助かる道は、ゼインがここまで助けに来てくれることだけだ。
「ゼインさまっ!」
「うるさいっ」
叫んでいたらラインハルトに睨まれた。頬を引っぱたかれ、手で口を塞がれる。
「あんな男のどこがいいんだっ! 陰気くさくて無愛想なくせに、皆、ゼインゼインとあいつのことばかり……!」
ラインハルトは強引にハルを引っ張りベッドに連れ込もうとする。
「ゼインさまっ! 助けてくださいっ! ゼインさまっ!」
それにハルが必死で抵抗していたときだった。
いきなり扉が光り出した。寝室に差し込む強い光の線はやがて大きくなり、扉が大きく開かれた。
光の中から現れたのは長身で黒髪の男だ。ハルの目の前に、望んでいた人が現れた。
ゼインはハルを見捨てなかった。
「ハル。そんなに俺が恋しかったのか?」
ゼインの手のひらには魔紋章が浮かび上がり、光を放っている。
ゼインは臆することなく、ラインハルトとハルに向かって歩みを進める。
「人のものに手を出すとは、リディアック王家も落ちぶれたものだな」
ゼインが手をかざしただけで、ハルを拘束していたラインハルトの魔法が解けた。
ゼインの後ろには護衛兵や魔導師がいる。あとから駆けつけてくる者もいて、皆、ゼインのことを遠巻きにして警戒し、護衛兵は剣の切っ先を向けている。
「ゼイン。お前は化け物だよ。あの結界は熟練した魔術師でなければ解けないはずだ。それをこうも易々と。護衛兵にはお前をここに通すなと命じてあった。それを全員薙ぎ払ってきたのか」
「はい。ここにいる者をすべて倒すことは俺にとって造作もないことです」
ゼインはラインハルトにそう言い切ってみせるが、それは嘘ではないのだろう。ゼインは強すぎる。束になってかかってもゼインには勝てない。
「俺を通さない時点で、何か秘密があると思って正解だった」
ゼインが周囲に睨みを利かせると、護衛兵たちは一斉に剣の先をゼインに向ける。魔導師はいつでも術がかけられるように身構えた。
「ふざけるな。いくらお前でもここにいるのは精鋭ばかり。勝てるわけがない」
ラインハルトはニヤリと口角を上げる。
「王の間に許可なく立ち入ったこやつを捕らえよ!」
ラインハルトの命令が下った。それを聞いて護衛兵たちはじりじりとゼインに迫る。
いったいゼインが何をしたというのだろう。ゼインはハルを助けに来ただけだ。
「この場にいる全員が俺が消えることを望んでいるとは。血塗られた俺は、本当に呪われているようだ」
ゼインは寂しげな表情を見せる。それを見てハルまで悲しくなってきた。ゼインが呪われるわけがない。あんなに人のために尽くしてきたのに。
それにこの場にいる全員とはなんて言いぐさだ。敵に囲まれてはいるが、この場にはハルもいる。あんな言い方をしたら、ハルまでもがゼインが消えることを望んでいるように聞こえてしまう。
「早く捕らえろ。さっさと俺を解放してくれ」
ゼインは右手をゆっくりと下げた。ゼインには抵抗する気はないらしい。
ゼインにそんなことをさせられない。ゼインが捕まるなんて絶対にダメだ。
「ゼインさまに対する無礼は許さない!」
ハルはゼインの目の前に立ち、ゼインを庇うように両手を大きく横に広げた。
「ラインハルト陛下、なぜゼインさまを捕らえようとするのです? ゼインさまは私を探してここにいらっしゃっただけです。そしてなぜゆく手を阻まれながらもここに来てくれたのか、その理由は陛下ならよくご存じですよね?」
ハルがラインハルトに厳しい目を向けると、ラインハルトが一歩たじろいだ。ラインハルトにとって予想外のことだったのかもしれない。
「今すぐ命令を取り下げてください。それが成されなければ、私は今回の件をレドナ中立国の国際議会ですべて公にします!」
どちらが最初に悪いことをしたか、ラインハルトはわかっているのだろうか。それをゼインを捕らえることで帳消しにしようとしているのなら、絶対に許さない。
「陛下! 早くご決断を」
ラインハルトが一国の王でも、こちらもアレドナールの王太子妃だ。年上だから敬っているが、態度によってはこっちも出るとこ出るぞと睨みを利かせる。
ラインハルトは魚のように口をパクパクさせたあと、「め、命令を取り下げる!」とあっさり方向転換した。
「この件について、ゼインは不問としよう。これからのこともある。大ごとになってしまったが、この件はこれで終わりだ。皆、持ち場に戻れっ!」
なんという雑な采配なのだろうと思うが、やはり自分がオメガにしてきたことは知られたくないのだろう。自らの恥を追及されたくなくてうやむやにしたのだ。
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