GLUTTONY MAGIC

多細胞アメーバ

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序章

第3魔法 ~崩れゆく日常~

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いつも通りの朝 いつも通りの会話 いつも通りの遅刻
いや、遅刻が当たり前なのは直さないとな…
いつも通りの友達 いつも通りの…
それが今、目の前で音を立てて崩れていく
止めようとしても止まらない 止められない 何もできずただ見ていることしか…

「…うにそんなことが?」
「信じがたいだろうが実際そうだからなあ…前から変だとは感じてただろ?」
目を覚ますと知らない天井が視界に入った まだ意識はぼんやりとしているが誰かが近くで話をしているようだ
「う…ん、ここは?」
「なっ!?目を覚ましたのか!?」
「やはり…しかしそうなると…」
今ならわかる 近くにいるのは遼と斎藤さんだ でもなんで…?
「っ!?そうだ!あの時俺はっ」
勢い良く起き上がろうとして頭痛に見舞われた ああ、よく漫画とかドラマでこんなシーンあったな
「どうやら体も動かせるようだな 驚いたぜ…」
「その様子だと赤色の目あれについて何か知ってるようだな… 遼、あれは何だ?」
「魔術、ですよ。空くん」
「…魔術?冗談はよしてくれよ斎藤さん 魔術そんなものなんてあるわけないだろ?」
「…貴方はあの時屋上でのことをどれだけ覚えていますか?」
「えっ? …えーと、斎藤さんの本を受け取ろうとして、突然体が動かなくなって、それで…」
「最後に「赤い目を見た」…ですね?」
「とりあえずもう日が暮れそうだ 明日にでもゆっくり話してやるから今日はゆっくり休め」

少しずつ暗くなっていく道を一人、重い足取りで歩いていた
「明日話す」とは言われたが本当に話してくれるのだろうか なぜ今日話してくれなかったのか あの目は赤色だったが青色の目おれとは関係あるのだろうか 彼らは「魔術」と言っていたg
「おい!見ろ!なんだあれは?」
突如聞こえたその声の主はどこかを指さして慌てるように叫んでいた 何かあったのだろうか そう考えるより先に嫌な予感が走った 彼が指さしている方角はちょうど孤児院の方向だった まさかと思い孤児院のほうを見ると
真っ黒な煙が立ち上っていた

気が付けば孤児院の門の前で立ち尽くしていた いや、正しくは「孤児院だった場所」の前だろう
そこには「何もなかった」 建物の骨組みや瓦礫、小さなコンクリートの破片すらなかった ただ、大きなクレーターとそこから立ち上る黒い煙だけが「孤児院がなくなった」という事実を物語っていた
「なんだよ…これ…」
何が起きたのかもわからずその場で立ちつくしていると横から走っているような足音が聞こえてきた
「はあ…はあ…よお、さっきぶりだな」
そこにはさっき別れたはずの遼が立っていた しかし身にまとっているのは学校の制服ではなくどこか不気味なローブだった
「悪いが立ち話してる暇はねえ レイちゃんも中にいるから早く入れ」
そう言って勢い良く背中を押した俺の親友はおもむろに一枚の紙を取り出すと
現実的な幻覚リアリティイマジンッ!」
突然叫んだかと思うと貼り付けた紙を勢い良く殴った
直後、孤児院の跡地が透明な膜のようなもので包まれた
「…ふう、これで一旦は大丈夫だな」
「相変わらず仕事に時間をかけ過ぎです せめて身体強化ぐらい使ったらどうですか?」
後ろから聞き覚えのある、鋭い声が聞こえてきた
「…どうやってもあなたがここに来ることはわかってましたが、それでも予想より早かったですね 空くん」
「斎藤さん…?」
そこには予想通りの人がいた しかし身にまとっているものはやはり制服ではない
「早く隠滅しないといけないんですから動いてくださいよ、隠滅うそはあなたの得意分野でしょう?」
「だがこいつはどーすんだ?」
「私が話します あなたが話していたら隠滅が出来ないでしょう?」
目の前で話しているのは俺が知っている人物の話のはずだ なのになぜこんなに他人のように感じるのだろう 身につけているものではない、もっと根本的な何かが違うような気がする
「先に言っておくと孤児院の人間は一人を除いて全員が無事です しかしその一人が行方不明です」
「一人…?なんで一人だけ?」
「他の全員は孤児院ここにいたため容易に避難させることができたのですが…白子さんだけはその時いなかった為どうすることも出来ませんでした そして今も帰ってくる気配がないどころか今どこにいるかすらわかりません」
「…それを聞いて安心したよ 白子は多分放っといても勝手に一人で生きていける」
「落ち着いてくれたようですね」
「ああ、だから教えてくれないか?赤色の目のこと、そしてこのクレーターのこと」
「ええ、そのつもりです が、その前に孤児院を直さないといけませんね」
「直るのか?」
「さあ?そこはライの頑張りがかなり大きいのでなんとも言えませんね」
「…一応確認しとくけどその「ライ」って言うのは遼のことで会ってるよな」
「ああ、そうだ 俺のことであってるぜ」
「もういいのですか?」
「ああ あとは錬金術士アルケミストがなんとかするからな」
「だそうなので今のところ直るみたいですね」
「…お前らってそんな感じだったっけ? もっと、こう…一方通行かわいそうな感じじゃなかったっけ?」
「あんなの演技だよ 実際はそこまで悪くねえよ」
「私はあまりうれしくないんですけどね…」
「あ、そういやお前、どこまで話したんだ?」
「孤児院の人間の安否だけですよ 一旦落ち着くのが良いかと」
「ああ、そうか んじゃ改めて…」

「俺とレイちゃんは魔術師だ そして恐らくお前も魔術師おなじになる」
俺の日常は、大きく変わっていく




ー後書きー
はじめましての方ははじめまして
そうでない方はまたあったな(キリッ)
どうも、とも8です
今回も今回とて不思議な日本語で構成された駄文を書いてしまいました 申し訳ない…
ホント、日本語ってすごいよね 最初に考えた奴は一週回って馬鹿なんじゃないかな バーカバーカ
あ、そうそう かなり更新が早いと思いますが多分今だけです その内遅くなります
というのもこれから色々とイベントがあったりまだストーリー考えてなかったりするんですよね…
そんな訳であとちょっとぐらいは早いかもしれませんが(もしかするとこの話から)次の話が出るまでの間隔があいてしまうと思います 申し訳ない…
できるだけ早くあげるので温かい目で見守ってくれるとありがたいです 急かされると死んでしまいます
さて、本編ですがまたストーリーが進みました といってもそこまで一気に進んではないと思うのですが…
そして今回は会話メインですね 結構台詞が多かった気がします まあこういうのもいいかな、と思います …いいよね?
内容としてはついに魔法っぽいのが出てきましたね なんかでっかいクレーターとか あとはあれですね リアリティイマジンッ! ああ、恥ずかしい…
前回もでっかい目が出てきたり魔術書が出てきたりしましたがまあ置いときましょう
あとは前回倒れたレイちゃんがなんで当たり前のように最初のシーンで登場したか、ですが決して忘れてたわけではありません 仕様です 種明かしは近いうちにあると思います
…これぐらいかな?例によって3000字なのでこれぐらいで終わろうかな
今回も疲れた 次回は多分もっと疲れるから早く寝るようにしよう

それではまた次回!夜ふかしはやめようね!
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