11 / 18
丁一の性癖が歪んだ話
3(終)
しおりを挟む
だが仁郎はまだ渋っていた。股を擦り合わせて余裕がないくせに動こうとしない。
焦れた丁一が仁郎の腕を取る。
「こっちだよ」
「あっ……!だめ、ああぁぁ」
瞬間、仁郎の口から切なげな悲鳴が上がり、見る間にズボンに黒い染みが広がった。
ガクガクと足を震わせながら、仁郎はどうしようもない開放感から涙を浮かべて耳まで赤くして、膀胱に溜まったものを出し切った。
片方の手で止めようとする本人の抵抗も虚しく、しゃああと勢いよく流れた液体は、スニーカーを濡らし地面にまで伝い、焦げついた影のように濃い色を作る。
「はぅ……」
ふる、と小さな体を揺らし、仁郎は呆然としてその場にへたり込んだ。放心した瞳が丁一へ向き、ぽろぽろと涙がこぼれる。
「ご、ごめんよ!」
丁一は咄嗟に謝る事しかできなかった。自身が手を引いたのがきっかけになってしまったかもしれない。
しかし同時に悪いとは思いながらも目が離せないでいた。止めようもない生理現象に翻弄される仁郎の様子があまりにもいやらしくて可愛くて、気持ちが昂るのを感じる。
情けなさに縮こまった姿も、羞恥でいっぱいになり涙を流す表情も、すべて含めて愛おしいと思ってしまい、そんな自分に戸惑った。
「あ……僕、走って着替え取ってこようか?僕の貸してあげる。ここで待っててくれる?」
「…………うん」
蚊の鳴くような声を絞り出して頷く仁郎に背を向けて走り出す。
まだ心臓が高鳴っている。
走りながら丁一は自身の下腹部に帯びた熱を自覚していた。
【おわり】
焦れた丁一が仁郎の腕を取る。
「こっちだよ」
「あっ……!だめ、ああぁぁ」
瞬間、仁郎の口から切なげな悲鳴が上がり、見る間にズボンに黒い染みが広がった。
ガクガクと足を震わせながら、仁郎はどうしようもない開放感から涙を浮かべて耳まで赤くして、膀胱に溜まったものを出し切った。
片方の手で止めようとする本人の抵抗も虚しく、しゃああと勢いよく流れた液体は、スニーカーを濡らし地面にまで伝い、焦げついた影のように濃い色を作る。
「はぅ……」
ふる、と小さな体を揺らし、仁郎は呆然としてその場にへたり込んだ。放心した瞳が丁一へ向き、ぽろぽろと涙がこぼれる。
「ご、ごめんよ!」
丁一は咄嗟に謝る事しかできなかった。自身が手を引いたのがきっかけになってしまったかもしれない。
しかし同時に悪いとは思いながらも目が離せないでいた。止めようもない生理現象に翻弄される仁郎の様子があまりにもいやらしくて可愛くて、気持ちが昂るのを感じる。
情けなさに縮こまった姿も、羞恥でいっぱいになり涙を流す表情も、すべて含めて愛おしいと思ってしまい、そんな自分に戸惑った。
「あ……僕、走って着替え取ってこようか?僕の貸してあげる。ここで待っててくれる?」
「…………うん」
蚊の鳴くような声を絞り出して頷く仁郎に背を向けて走り出す。
まだ心臓が高鳴っている。
走りながら丁一は自身の下腹部に帯びた熱を自覚していた。
【おわり】
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
3
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる