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4、愛を教えてくれた君へ〜side 尊〜
②
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「熱中症と過労…熱中症は僕のせいだ。店内の冷房すぐ切るんじゃなかったぁ。しかもすごく汗かかせちゃったし…て、ダメダメ!さっきうじうじするなって言われたんだった」
パチンと自分の頬を叩き、気合を入れ直した。ベッドの側まで行き、拓真さんの寝顔を見ると、少し寝苦しそうだった。ワイシャツで寝るなんてことないだろうし、スラックスは寝辛いよな。せめてTシャツに着替えさせておいた方がいいよね。そう思いながら、ワイシャツのボタンを外し、起こさないように身体を持ち上げる。
僕のTシャツを着せるとぶかぶかで、拓真さんが僕より小柄なことがより浮き彫りになった。いかにも社会人といった格好は少しだけ人を大きく見せるのかも。これだったらお尻まで隠れるし、下は脱がせるだけで大丈夫だろう。窮屈そうなスラックスを脱がそうと、ベルトに手をかけると、拓真さんが急に声を上げた。
「ダメ…」
「え!?すみません!」
思わず謝り、ベルトから手を離す。起こしてしまったのかと見てみるが、寝息を立てながらさっきより気持ちよさそうに眠っている。
なんだ寝言かと僕は胸を撫で下ろした。それにしても、「ダメ」って…寝言のせいか、吐息混じりで色っぽくて、なんだかイケナイコトをしている気分になってしまった。でも寝苦しいのは可哀想だし、しかもパンツもきっと気持ち悪いだろうし。
「拓真さん、これは下心ないので!」
拓真さんに手を合わせ、ベルトを外しスラックスとパンツ同時に下げる。琥太郎の言った通り、拓真さんのそこはパンパンだった。
さっきも出したのにまだ勃ってるって、もしかして溜まってたのかな。苦しそうだし、抜いてあげた方が…いや、寝込みを襲うなんて…僕が悶々としていると、拓真さんの甘い喘ぎ声が部屋中に響き渡った。何事かと思ったら、拓真さんは無意識に自分で抜いてしまっていたようだった。右手は陰茎を握りしめ、左手はシーツをギュッと掴んでいる。つま先はピンと伸びていて、とても気持ちよかったのだろう、恍惚とした寝顔で小刻みに震えている。そして拓真さんのその匂いは僕を欲情させるほどに甘美な匂いだった。
――これはまさに生殺し
正直触れたいし、僕だって限界なのに。男を試されている状況に僕は耐えるしかなかった。それに初めては起きてて欲しいと思う。ちゃんと僕を認識して、感じて欲しい。こんなにも自分に独占欲があるなんて、思わなかった。
スッキリしたせいで、今はすやすやと眠る拓真さんの唇にそっとキスを落とし、濡れタオルで下半身を拭く。拭く度に拓真さんは甘い上擦った声を漏らし、僕を欲情させてくる。
「はぁ…人の気も知らないで…」
僕は心底残念な気持ちを溜め息に込めて、思い切り吐いてやった。幾分か煩悩が消えた気がする。今のうちに拭き終え、パンツを履かせる。
「僕のTシャツ着て、パンツも履いて。拓真さん起きたらビックリするだろうな。でも楽しみだな、どんな顔するんだろ。」
散々欲情させられたのに何もできないもどかしさへの精一杯のやり返しだ。少しくらいいいよね。
それにしても、拓真さんってすごく働いてるんだな。昼間走っているのはよく見かけてたけど、残業もすごいんだろうな。過労で倒れるって相当だ。僕とは大違い。ちゃんとした会社に勤めたことないし、好きなことやって生きてただけの僕。一方でちゃんとした企業に入って、働いている拓真さん。もしかしたらこの先幻滅されちゃったりして。
「思ったのと違うってなったらどうしよう…」
不安になってついつい拓真さんの手に自分の手を重ね、指を絡ませる。すると拓真さんも指を絡ませてきた。たったそれだけなのに、僕の心は満たされた。
「幸せ…頑張ろう…」
好きなこと貫いてきたこと、拓真さんは僕の話嫌がらずに聞いてくれたんだ。きっと大丈夫。
「ふあぁ、僕も眠くなってきちゃったな…そうだ、隣で僕が寝てたらさらに驚くかも!」
僕は名案とばかりにベッドに潜り込んだ。今日はいい夢が見れそうだ。
そのまま僕は拓真さんと手を繋いだまま眠りについた。
パチンと自分の頬を叩き、気合を入れ直した。ベッドの側まで行き、拓真さんの寝顔を見ると、少し寝苦しそうだった。ワイシャツで寝るなんてことないだろうし、スラックスは寝辛いよな。せめてTシャツに着替えさせておいた方がいいよね。そう思いながら、ワイシャツのボタンを外し、起こさないように身体を持ち上げる。
僕のTシャツを着せるとぶかぶかで、拓真さんが僕より小柄なことがより浮き彫りになった。いかにも社会人といった格好は少しだけ人を大きく見せるのかも。これだったらお尻まで隠れるし、下は脱がせるだけで大丈夫だろう。窮屈そうなスラックスを脱がそうと、ベルトに手をかけると、拓真さんが急に声を上げた。
「ダメ…」
「え!?すみません!」
思わず謝り、ベルトから手を離す。起こしてしまったのかと見てみるが、寝息を立てながらさっきより気持ちよさそうに眠っている。
なんだ寝言かと僕は胸を撫で下ろした。それにしても、「ダメ」って…寝言のせいか、吐息混じりで色っぽくて、なんだかイケナイコトをしている気分になってしまった。でも寝苦しいのは可哀想だし、しかもパンツもきっと気持ち悪いだろうし。
「拓真さん、これは下心ないので!」
拓真さんに手を合わせ、ベルトを外しスラックスとパンツ同時に下げる。琥太郎の言った通り、拓真さんのそこはパンパンだった。
さっきも出したのにまだ勃ってるって、もしかして溜まってたのかな。苦しそうだし、抜いてあげた方が…いや、寝込みを襲うなんて…僕が悶々としていると、拓真さんの甘い喘ぎ声が部屋中に響き渡った。何事かと思ったら、拓真さんは無意識に自分で抜いてしまっていたようだった。右手は陰茎を握りしめ、左手はシーツをギュッと掴んでいる。つま先はピンと伸びていて、とても気持ちよかったのだろう、恍惚とした寝顔で小刻みに震えている。そして拓真さんのその匂いは僕を欲情させるほどに甘美な匂いだった。
――これはまさに生殺し
正直触れたいし、僕だって限界なのに。男を試されている状況に僕は耐えるしかなかった。それに初めては起きてて欲しいと思う。ちゃんと僕を認識して、感じて欲しい。こんなにも自分に独占欲があるなんて、思わなかった。
スッキリしたせいで、今はすやすやと眠る拓真さんの唇にそっとキスを落とし、濡れタオルで下半身を拭く。拭く度に拓真さんは甘い上擦った声を漏らし、僕を欲情させてくる。
「はぁ…人の気も知らないで…」
僕は心底残念な気持ちを溜め息に込めて、思い切り吐いてやった。幾分か煩悩が消えた気がする。今のうちに拭き終え、パンツを履かせる。
「僕のTシャツ着て、パンツも履いて。拓真さん起きたらビックリするだろうな。でも楽しみだな、どんな顔するんだろ。」
散々欲情させられたのに何もできないもどかしさへの精一杯のやり返しだ。少しくらいいいよね。
それにしても、拓真さんってすごく働いてるんだな。昼間走っているのはよく見かけてたけど、残業もすごいんだろうな。過労で倒れるって相当だ。僕とは大違い。ちゃんとした会社に勤めたことないし、好きなことやって生きてただけの僕。一方でちゃんとした企業に入って、働いている拓真さん。もしかしたらこの先幻滅されちゃったりして。
「思ったのと違うってなったらどうしよう…」
不安になってついつい拓真さんの手に自分の手を重ね、指を絡ませる。すると拓真さんも指を絡ませてきた。たったそれだけなのに、僕の心は満たされた。
「幸せ…頑張ろう…」
好きなこと貫いてきたこと、拓真さんは僕の話嫌がらずに聞いてくれたんだ。きっと大丈夫。
「ふあぁ、僕も眠くなってきちゃったな…そうだ、隣で僕が寝てたらさらに驚くかも!」
僕は名案とばかりにベッドに潜り込んだ。今日はいい夢が見れそうだ。
そのまま僕は拓真さんと手を繋いだまま眠りについた。
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