55 / 75
12、お誘いに勇気は必要ですか?〜side 拓真〜
①
しおりを挟む
俺は今日、恋人の家に泊まる。その恋人は出掛ける前にトイレで自慰行為をしていた。声を抑えながら致す彼の声をドア越しに聞いていたら、胸の辺りがズキズキと痛んだ。
「シたいなら言ってくれても…」
って俺は何を言っているのだろうか。別に生理現象なわけだし、いつ抜こうが勝手なわけで…そもそも昼間っから何してるんだって話だ。そしてこんな考えをしてしまっている俺自身が嫌だった。
だから俺は今日、彼と一線を越える。俺はそう出掛ける前に決心し、今俺はコンビニでゴムを買おうとしている。だけどここで1つ問題が生じた。尊くんがずっと俺の近くにいることだ。こっそり買いたくても、これでは買うことができない。アイス買いたいって言ってたから、てっきり別々に買い物を済ませられると思っていた。失念…
「拓真さんは何買おうとしてるんですか?」
「…何って…下着だけど…尊くんは早くアイス買ってきなよ」
「えー、一緒に選びましょうよ。それに下着はまた僕の貸しますよ」
「いや、流石にそれはダメ…コンビニは別々で買おう。尊くんチョイスのアイス楽しみにしてるから、お金も渡すから!」
「なんか必死すぎませんか?」
「必死じゃない!下着なんて買うとこ見られたくないだけだから」
「えー何それ…そんなに言うなら独り寂しくアイス買ってきますよ」
俺はしょんぼりとする尊くんをグイグイと押し、アイスコーナーへと追いやった。ごめん尊くん、堂々と買えるほど俺は度胸がないから見られるわけにはいかないんだ。本当にごめん。
俺は手早く下着とゴムを手に取り会計を済ませてコンビニを出た。買ってしまったドキドキと見つかってないかのヒヤヒヤと、色々な感情が目まぐるしく押し寄せてきて心臓が痛いくらい脈打っている。夏の日差しは容赦なく弱った俺の身体に刺さしてきた。
「今日はいつもより暑い気がするな…」
「そうですね」
「うわ!」
俺は急に耳元で囁かれたことに驚き、思わず思い切り後ろにのけ反ってしまった。
「危ない!大丈夫ですか?」
瞬間尊くんが俺の手を引っ張って引き寄せてくれた。おかげで俺は尻餅を付かずに済んだ。
「転ぶかと思った…」
「すみません。まさかそんなに驚くとは思わなくて」
「いや、ぼーっとしてた俺が悪いんだ。それより早く帰ろう」
「はい!」
俺はまた尊くんの手を取り、ぎゅっと繋いで歩き始めた。帰り道、俺たちはなんて事のない話をした。お菓子のオススメ、今日絶対食べてほしいって尊くんは力説していた。「じゃあ帰ったらまずおやつだな」と言うと子供みたいに喜んでいた。アイスは食後のお楽しみと隠されてしまった。
そんな話をしているうちに、あっという間に尊くんの家に着いた。家に入るとさっきの子猫がお出迎えしてくれていた。背中を撫でてやると満足したのかすぐにリビングに戻ってしまった。
撫でていた手を見つめながら「猫って本当につれないよな…」と呟くと、尊くんは「僕は逃げないので、いっぱい撫でていいですよ」なんて冗談を言ってくれた。俺が頭を撫でると尊くんは嬉しそうに「にゃー」と猫の鳴き真似をした。
こんな素直な優しい子に隠し事なんて、ちょっと気が引けた。
「食材とアイスしまって、まずはお菓子タイムしましょう!」
「あ、あぁそうだな」
今度は尊くんが俺の手を引っ張ってくれた。俺が食材をしまっている間に、尊くんはリビングでお菓子を広げていた。
俺は今食べるお菓子を真剣に選ぶ尊くんを確認し、こっそりと自分の荷物が置いてある寝室に向かった。カバンにさっき買ったゴムを入れ、何事もなかったようにキッチンに戻った。
「拓真さん、早く食べましょう」
「今行く」
リビングから嬉しそうに尊くんが呼んでいる。その声がとても嬉しかった。一緒に暮らしたら、毎日こんな会話できるのかなって思ったら、また明日もここに帰ってきたいとついつい思ってしまった。
「シたいなら言ってくれても…」
って俺は何を言っているのだろうか。別に生理現象なわけだし、いつ抜こうが勝手なわけで…そもそも昼間っから何してるんだって話だ。そしてこんな考えをしてしまっている俺自身が嫌だった。
だから俺は今日、彼と一線を越える。俺はそう出掛ける前に決心し、今俺はコンビニでゴムを買おうとしている。だけどここで1つ問題が生じた。尊くんがずっと俺の近くにいることだ。こっそり買いたくても、これでは買うことができない。アイス買いたいって言ってたから、てっきり別々に買い物を済ませられると思っていた。失念…
「拓真さんは何買おうとしてるんですか?」
「…何って…下着だけど…尊くんは早くアイス買ってきなよ」
「えー、一緒に選びましょうよ。それに下着はまた僕の貸しますよ」
「いや、流石にそれはダメ…コンビニは別々で買おう。尊くんチョイスのアイス楽しみにしてるから、お金も渡すから!」
「なんか必死すぎませんか?」
「必死じゃない!下着なんて買うとこ見られたくないだけだから」
「えー何それ…そんなに言うなら独り寂しくアイス買ってきますよ」
俺はしょんぼりとする尊くんをグイグイと押し、アイスコーナーへと追いやった。ごめん尊くん、堂々と買えるほど俺は度胸がないから見られるわけにはいかないんだ。本当にごめん。
俺は手早く下着とゴムを手に取り会計を済ませてコンビニを出た。買ってしまったドキドキと見つかってないかのヒヤヒヤと、色々な感情が目まぐるしく押し寄せてきて心臓が痛いくらい脈打っている。夏の日差しは容赦なく弱った俺の身体に刺さしてきた。
「今日はいつもより暑い気がするな…」
「そうですね」
「うわ!」
俺は急に耳元で囁かれたことに驚き、思わず思い切り後ろにのけ反ってしまった。
「危ない!大丈夫ですか?」
瞬間尊くんが俺の手を引っ張って引き寄せてくれた。おかげで俺は尻餅を付かずに済んだ。
「転ぶかと思った…」
「すみません。まさかそんなに驚くとは思わなくて」
「いや、ぼーっとしてた俺が悪いんだ。それより早く帰ろう」
「はい!」
俺はまた尊くんの手を取り、ぎゅっと繋いで歩き始めた。帰り道、俺たちはなんて事のない話をした。お菓子のオススメ、今日絶対食べてほしいって尊くんは力説していた。「じゃあ帰ったらまずおやつだな」と言うと子供みたいに喜んでいた。アイスは食後のお楽しみと隠されてしまった。
そんな話をしているうちに、あっという間に尊くんの家に着いた。家に入るとさっきの子猫がお出迎えしてくれていた。背中を撫でてやると満足したのかすぐにリビングに戻ってしまった。
撫でていた手を見つめながら「猫って本当につれないよな…」と呟くと、尊くんは「僕は逃げないので、いっぱい撫でていいですよ」なんて冗談を言ってくれた。俺が頭を撫でると尊くんは嬉しそうに「にゃー」と猫の鳴き真似をした。
こんな素直な優しい子に隠し事なんて、ちょっと気が引けた。
「食材とアイスしまって、まずはお菓子タイムしましょう!」
「あ、あぁそうだな」
今度は尊くんが俺の手を引っ張ってくれた。俺が食材をしまっている間に、尊くんはリビングでお菓子を広げていた。
俺は今食べるお菓子を真剣に選ぶ尊くんを確認し、こっそりと自分の荷物が置いてある寝室に向かった。カバンにさっき買ったゴムを入れ、何事もなかったようにキッチンに戻った。
「拓真さん、早く食べましょう」
「今行く」
リビングから嬉しそうに尊くんが呼んでいる。その声がとても嬉しかった。一緒に暮らしたら、毎日こんな会話できるのかなって思ったら、また明日もここに帰ってきたいとついつい思ってしまった。
0
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる