好きだから傍に居たい

麻沙綺

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心配だった…遥

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 朝のホームルーム後から、ずっと気になって午前中の授業は、亜耶の事をばかりが頭を過る。
 あんなこと言わなければよかった、今更ながら後悔している俺。
 本当は、自分の腕に囲って "大丈夫だ" って言って安心させたかったんだが、それじゃあ、何時まで経ても亜耶に対しての蟠りは、消えないだろうと思っての事だった。


 昼放課。
 俺は、職員室に戻らずに教室に足を運んだ。
 すると、廊下一杯に広がる生徒の垣根が見えてくる。
 亜耶が、見世物になってる。
 俺としては、助けてやりたいがこの状況じゃ無理だろうと諦めていた。
「あなた達、何をしているのですか?」
 突如、凛とした声音が廊下に響く。
 目を向ければ、この学園の風紀委員長を勤める、桜あゆみが堂々とした佇まいで立っていた。
 その言葉に人垣が散り散りになり、教室までが見渡せるようになる。
 亜耶の困惑してる顔が、目に入る。
 彼女が、教室を覗き込んで何か言ってるが、ここまで聞こえてこない。
 彼女の言葉に亜耶が安堵した表情を見せる。
 そして、彼女がこちらを振り返ったかと思うと。

「あぁ、皆様。亜耶ちゃんに迷惑を掛けてはダメですよ。上流階級の皆様はわかってると思いますが、一般の方にはわからないでしょうけど、亜耶ちゃんと高橋先生の事は、随分前から言われていたことです。今更、あなた方が何を言っても覆ることがないのです。私達が出来ることは、見守るだけです!」
 力説し出す。
 あぁ、彼女は雅斗の嫁にしっかりと亜耶を守るように言われてるんだなと把握できた。
 まぁ、俺にとっては嬉しい誤算だがな。
 あいつが、亜耶を可愛がってるのは、前からわかってたから、だからこその対応ってことだな。
 亜耶が、彼女に歩み寄って、何かを告げてる。
 それに対して、彼女も何か告げているが亜耶が笑顔で居るのだから、嫌なことではないだろう。


 とりあえずは、安心かな。


 そう思いながら、もう少しだけ亜耶の姿を見つめていた。











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