ハイスペックな彼が地味子の私を構ってきます

麻沙綺

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「なぁ、石村。今の言葉どう言う意味だ?」
 星香に問い質す彼の言葉に被さる様にチャイムが鳴った。
「チッ…。その話しは後で聞かせてくれ。」
 彼は舌打ちと言葉を残して、自分の席に戻って行った。

 二限目が始まって十分位経った頃合いで、瑞歩と保健委員が戻って来た。
「事情は聞いているから席に着きなさい。」
 教科担任に言われて、瑞歩はヒョコヒョコと歩き自分の席である隣に座った。
「大丈夫?」
 気になっていたから、小声で声を掛けた。
「うん。大丈夫だよ。」
 笑みを浮かべて答えてくれる瑞歩だったが、若干苦笑いに見えてるんだけど、気のせいだろうか。
 しかし、保健室から離れてるとは言え、十五分もかかるものだろうか?
 私事態それほど保健室にお世話に成った事が無いから、何とも言えないんだけどさ。
 う~ん。
 授業も聞かず、そんな事を考えていた。


 その後は何も無く授業が終わり、クラス旗の絵を見ようと後方へ移動した。

 後方の黒板の余白スペースに上手い事貼られている絵。其々にA・B・Cと記号が宛がわれていた。
 彼の行動って、後の事を考えてされているから、感心する。

 肝心の絵だけど、三枚共に素敵で甲乙付けがたいものだった。
 どうしたものかと悩んでいると。
「何れも良い絵だから、決めるの難しいな。」
 と声が掛かり声の方を見れば彼が私の横を陣取るかの様に立って居た(周りはそんな私たちを微笑ましそうに見ているなんて気にも止めていない)。
「そうだよね。其々に着眼点が違うから、余計に決められない。」
 彼の言葉に同意しつつ悩んでいると。
「これは、もう直感しかないでしょう。こんな良い絵を見比べたって、何時まで経っても決められないわよ。」
 彼と反対側に星香が来てそう口にする。
 それも一理あるなぁ。
 何て、まじまじと絵を見ていると。
「どれどれ、さっき見損ねたから……。」
 そう言って、私と彼の間に割り込むように入って来た瑞歩。
 何時の間に!
 私は驚きながら彼女を見る。
 普通に歩いて来てたけど足、痛くないのかなぁ?
 疑問を浮かべながら彼女の行動に怪しさが混じってるような気になってしまう。
 疑いたくないんだけど……。
 彼を見れば、彼女の行動に眉間に皺を寄せて疑い気味に見ている。
 それに気付きもしない彼女は。
「本当だ、何れも力作だね。」
 と口にしながら此方にチラリと視線を向けたかと思ったら。
「あっ……。」
 と声を出して彼の方によろけた。
 が、前以て気付いてたかの様に彼は私の方に避けた。
 彼に避けられるとは思ってなかったのか、慌て出した瑞歩。
 偶々彼の隣に居たクラスメートが彼女を支えた。
「ちょっと、大丈夫?」
 心配気に声を掛けてはいたが、目は睨み付けるような光景を見る羽目になった。
「大丈夫。ありがとう。」
 苦笑を浮かべつつ返答する瑞歩。
「それにしても、この絵凄いですね。三枚とも其々の味が出てて、うちのクラスにピッタリですよね。」
 そのクラスメートが口にした。
「そうだろう。俺が書いた訳じゃないが、な。」
 って、彼が胸を張りそう口にして、さっきの事は無かったような雰囲気に場が和んだところに。
「えっ、そうかな?」
 と苦言を定す瑞歩。
 さっきは誉めていたのに何故今、否定する様な事を口にするのだろう? と疑問が浮かび視線を星香に投げれば、呆れ顔をして首を横に振った。
 彼も嫌悪感丸出しで私の隣に居る。
 これ、収拾着くの?
 と思っていたら。
「悪いが、次の授業科学室に移動してくれ。」
 担任の先生が入り口で声を上げた。
「移動か。珠稀一緒に行こう。」
 彼は、私の手を捕ると自分の席に行き教科書類を手にし、私の席移動する。そして、私が教材を机の上に揃えて持とうとしたら、彼が手を伸ばして、それらを纏めて持った。
「えっと、自分で持つよ?」
 私が言えば。
「良いから、俺に運ばせて。」
 何て言うものだから。
「ありがとう。」
 とお礼を告げた。
 そして、教室を出ようとしたところで。
「ちょっと待ってよ。」
 瑞歩が慌てて此方に来る。
 しかも、普通に歩いているのだ。
「瑞歩、足痛くないの?」
 星香が隙さず声を掛けると、みるみるうちに青ざめて俯いてしまったのだ。





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