追放されたもの同士の冒険者パーティー 

東風谷 六花

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風呂に入った。
「ふわぁ~あ、ねみぃ~」
明日に備えて寝ることにした。が、扉を叩く音が聞こえた。
「なんですか~……」
「泊めてー!」
「え!?」
なんと、エマだった。
「寮、パーティーじゃないから入れなくってさー!家ない!ヤバイ!泊めて!」
「………仕方がない。いいよ。」
「ありがとー!お兄さんやさしー!」
「でも、俺はもう寝るからな。1人で風呂入って1人で寝ろよ。ソファーで寝るから、ベッド使え。」
「さんきゅーべりーまっち!」
元気なちびっこだなぁ。
俺はふらつきがちな足取りで、ソファーに向かう。
そのとき、声が聞こえた。
「助けてーー!!!」
「何!?どうしたエマ!!」
「シャンプーどれー!!?」
安堵すると同時に少し怒りを感じた。ビックリするじゃないか。
「青いやつだ。ボディーソープは隣の緑。わかったか。」
「うん!ありがとー!」
「もう寝るからな!呼び出すなよ!」
「はーい!」
元気だけはいいやつめ。やれやれだぜ。
それじゃ、気を取り直しておやすみなさい………
「おにいさーん!ベッドどこー!?」
「ああもう!寝かせてくれよ!リビングの棚の近くのドアを開けろ!」
「ありがとうー!」
「お礼はいいから早く寝ろ。あと俺を寝かせろ。」
「おやすみなさーい!」
「おやすみ。」
ふぅ、これでやっと寝れるぜ。

トントン

ノックの音が聞こえた。
「ふぁい、なんですか~?」
「うるせぇ!いいから金を出せ!」
顔を赤くした大男があらわれた。酔いつぶれたギルドメンバーだろう。
「あの~夜分遅くにすみません~」
そのとき、大男の後ろからゆるふわな声が聞こえた。
「レオン!?」
「はい、そうで~す。それで、こちらの方は?お知り合いですか?暇なんで、朝まで駄弁りに来たんですが。」
「寝・か・せ・ろ・よ!あと、その男は見ず知らずの他人です。酒のんで絡んできてます。ほっといたほうがいいかと。」
レオンは大男のくびに容赦なく平手打ちを食らわせて、静かにさせた。
「は~い。あと、タメ口でいいですよ~。」
「あ、それはどうも。あと、もう寝るんで。おやすみなさい!」
「え~。フィオナさんにも断られて、エマさんもいないし、もうとりつく島がないじゃないですか~、ひどいです~。」
レオンは少しかがんで、上目遣いでみてきた。まるで捨てられた子犬のようだ。
「いや、今日ばかりはもう寝たいんで。」
「えー、でも私昼間あなたの話し聞きましたよね?」
レオンの声のトーンが少し下がった。
「グッ……!す、少しだけなら、しゃべるか。」
「ありがとうございます~。ウノとトランプ、どちらがいいですか?」
「え、カードゲームも?……ウノで。」
「りょ~かいでーす。」

俺たちは早速ウノを始めた。

「お強いですねぇ。」
「レオンこそ。」
今のところ2勝2敗。互角の戦いだ。
「ところで、さっきの男の人ですけど……」
「ん?あの酔っぱらいがどうかしたか?」
「いえ、何でも。気のせいでした。」
「ならいーや。てか、もう寝ようぜ。さすがにもう遅い。」
「ん…まあ、遊べてよかったです。ではまた明日。」
「ああ、おやすみ。」
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