箱の中身は最後の希望らしいですよ

いのうえもろ

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序章:箱の中身は最後の希望らしいですよ

箱には少女が一人らしいですよ

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 少女がひとり、泣いていた。

 辺りは真っ暗な空間。
 他には何も見えない。
 ただその少女だけ、やけにはっきり見えている。
 
 少女の顔は愛らしく整っており、少し幼さが残っている。
 その幼さとは裏腹に、艶やかで露出の多い服を着ていた。
 幼い顔に似合わない肉感的な体と大きな胸。

 少女は俺に気づくと、小さな箱を差し出した。
 泣き腫らして真っ赤になった目が、すがりつくように俺を見上げている。
 
 目の赤さに気を取られたまま、なんとなく箱を受け取ろうと手を伸ばしたとき、少女は箱の蓋をゆっくりあけた。

 箱の中は眩しく輝き、真っ白な光が隙間から漏れた。
 
 ――その隙間とリンクするように、少女の口が裂け、真っ赤な三日月が生まれた。

 赤い三日月が浮かぶ真っ白な世界に、俺の意識はゆっくりと融け――消えた。
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