31 / 48
七つの厄災【不安編】:不安は心配からくるらしいですよ
王都到着
しおりを挟む
ゾンビの一件の後、警戒しながらの夜を超えると、翌日の昼には王都の城壁が見えた。まわりの商人達にならって、ぐるりと左にまわりこむと巨大な城門が見えてくる。幅三〇メートル高さ一五メートルほど、巨大な扉の左右には巨大な獅子が二頭。口を開く阿、口を噤む吽。戦争時にはこの巨大な門が開いて大軍が出てくるだろう。が、普段は扉の横の通常門があるようだ。そこで入城のための審査を行っていた。俺達も他の人と同じように列に並んで審査を待つ。体感で30分ほどすると俺達の順番が回ってきた。
「身分証を見せてくれ」
衛兵に言われ俺達はそれぞれ冒険者カードをみせる。それからノゾム=トキサカ、エウリュア=レー、メディ=レー、と順に名前を呼ばれ衛兵の持つ水晶に触る。この水晶はアナライズの効果のある魔道具で、国に敵意のある者を識別できるらしい。当然俺達は全員黄色。国に敵意はないが味方でもないからな。
「うむ、通ってよし」
衛兵に促され城門を通る。城壁内は活気がある商店街になっていた。エウリュアの話では、城を中心に王侯街、貴族街、市民街、商店街といった順に同心円状に街が形成されているらしい。俺達はとりあえず宿を探……あの屋台の串焼き美味しそう、お、あの屋台魔道具売ってるのか?
「さすが王都だな、面白そうなもんがたくさん売ってやがる」
「駄目だよノゾム、とりあえず宿が先!、あとになって見つからないとまた野宿なんだからね」
「メディは体拭きたい。汗臭い」
「へいへい……」
メデイアから聞いた宿は大通りから少しはずれたところ、冒険者ギルドの丁度真裏【黄金の夜明け亭】というところだった。
「いらっしゃい!メデイアから聞いているよ!ノゾム様だね」
俺達が扉を開ける前に、内から開いてちっちゃい子供が飛び出してきた。
「はじめまして、私はキルケー。メデイアお姉ちゃんの従妹になります」
「よく俺がノゾムだってわかったな」
「今日ここに来る予定なのはノゾム様達だけだからね」
「はぁ? どういうことだ?」
「まぁ、その辺はあとで、とりあえず入った入った。三名様ご案内ー」
キルケーに手を引かれて店の中に入っていく。店の中は一階が食堂になっており二階以上が宿泊施設だそうだ。エウリュアの友達の宿もおんなじだったから、これがこの世界で一般的なんだろう。
「代金はひと部屋一日銀貨一五枚」
「とりあえず、一週間分払います」
「毎度あり。これが部屋の鍵ね。部屋は二階の突き当り」
キルケーの説明にエウリュアが支払った。とりあえず部屋に荷物を置きに行く。
「なぁ、エウリュア。この世界の通貨や物価ってどんな感じなんだ」
「それは……」
「説明はメディにお任せを!」
エウリュアが説明しようとすると、メディに割り込まれた。
要約すると、安い方から銅貨、半銀貨、銀貨、大銀貨、金貨って貨幣がある。
俺がいた世界では鳥串一本がだいたい九〇円って話をすると、こっちで鳥串は銅貨で九枚くらいって教えてくれた。それを元にメディが計算してくれたところ、銅貨一〇円、半銀貨五〇〇円、銀貨一,〇〇〇円、大銀貨一〇,〇〇〇円、金貨一〇〇,〇〇〇円って感じになるらしい。
庶民はほぼ銅貨でやり取りしていて、半銀貨や銀貨は商人や冒険者の報奨金として使われる事が多い。貴族でも普段は大銀貨止まりで、国同士の貿易や戦争の賠償金でやっと金貨が使われるくらい。辺境伯からもらった支度金には大銀貨がジャラジャラあったけど、ずいぶんたくさんくれたんだな。
「王都以外だと物々交換も多いし、それほど貨幣は使われてないかもね」
とは、エウリュアの談。
「だから、その武器と鎧は大切にしてよね。合わせて大銀貨八〇枚もしたんだから」
「え?本気で? 八〇万!?」
「ほんと、オーダーメイドの片手剣だと大銀貨一〇〇枚なんてよくある話だから、大分安くしてくれたんだよ」
「クリス、同じ日本人に会えたのが嬉しいからサービスやって言ってたもん」
「辺境伯の支度金、半分くらいはノゾムの武器と防具代で消えたんだからね」
「――大切にします」
貨幣価値の話がいつの間にか俺の装備の話に変っていて、エウリュアとメディに愚痴られてしまった。もっと、早く聞くお金のこと聞いて置くんだったな。とほほ……。
「身分証を見せてくれ」
衛兵に言われ俺達はそれぞれ冒険者カードをみせる。それからノゾム=トキサカ、エウリュア=レー、メディ=レー、と順に名前を呼ばれ衛兵の持つ水晶に触る。この水晶はアナライズの効果のある魔道具で、国に敵意のある者を識別できるらしい。当然俺達は全員黄色。国に敵意はないが味方でもないからな。
「うむ、通ってよし」
衛兵に促され城門を通る。城壁内は活気がある商店街になっていた。エウリュアの話では、城を中心に王侯街、貴族街、市民街、商店街といった順に同心円状に街が形成されているらしい。俺達はとりあえず宿を探……あの屋台の串焼き美味しそう、お、あの屋台魔道具売ってるのか?
「さすが王都だな、面白そうなもんがたくさん売ってやがる」
「駄目だよノゾム、とりあえず宿が先!、あとになって見つからないとまた野宿なんだからね」
「メディは体拭きたい。汗臭い」
「へいへい……」
メデイアから聞いた宿は大通りから少しはずれたところ、冒険者ギルドの丁度真裏【黄金の夜明け亭】というところだった。
「いらっしゃい!メデイアから聞いているよ!ノゾム様だね」
俺達が扉を開ける前に、内から開いてちっちゃい子供が飛び出してきた。
「はじめまして、私はキルケー。メデイアお姉ちゃんの従妹になります」
「よく俺がノゾムだってわかったな」
「今日ここに来る予定なのはノゾム様達だけだからね」
「はぁ? どういうことだ?」
「まぁ、その辺はあとで、とりあえず入った入った。三名様ご案内ー」
キルケーに手を引かれて店の中に入っていく。店の中は一階が食堂になっており二階以上が宿泊施設だそうだ。エウリュアの友達の宿もおんなじだったから、これがこの世界で一般的なんだろう。
「代金はひと部屋一日銀貨一五枚」
「とりあえず、一週間分払います」
「毎度あり。これが部屋の鍵ね。部屋は二階の突き当り」
キルケーの説明にエウリュアが支払った。とりあえず部屋に荷物を置きに行く。
「なぁ、エウリュア。この世界の通貨や物価ってどんな感じなんだ」
「それは……」
「説明はメディにお任せを!」
エウリュアが説明しようとすると、メディに割り込まれた。
要約すると、安い方から銅貨、半銀貨、銀貨、大銀貨、金貨って貨幣がある。
俺がいた世界では鳥串一本がだいたい九〇円って話をすると、こっちで鳥串は銅貨で九枚くらいって教えてくれた。それを元にメディが計算してくれたところ、銅貨一〇円、半銀貨五〇〇円、銀貨一,〇〇〇円、大銀貨一〇,〇〇〇円、金貨一〇〇,〇〇〇円って感じになるらしい。
庶民はほぼ銅貨でやり取りしていて、半銀貨や銀貨は商人や冒険者の報奨金として使われる事が多い。貴族でも普段は大銀貨止まりで、国同士の貿易や戦争の賠償金でやっと金貨が使われるくらい。辺境伯からもらった支度金には大銀貨がジャラジャラあったけど、ずいぶんたくさんくれたんだな。
「王都以外だと物々交換も多いし、それほど貨幣は使われてないかもね」
とは、エウリュアの談。
「だから、その武器と鎧は大切にしてよね。合わせて大銀貨八〇枚もしたんだから」
「え?本気で? 八〇万!?」
「ほんと、オーダーメイドの片手剣だと大銀貨一〇〇枚なんてよくある話だから、大分安くしてくれたんだよ」
「クリス、同じ日本人に会えたのが嬉しいからサービスやって言ってたもん」
「辺境伯の支度金、半分くらいはノゾムの武器と防具代で消えたんだからね」
「――大切にします」
貨幣価値の話がいつの間にか俺の装備の話に変っていて、エウリュアとメディに愚痴られてしまった。もっと、早く聞くお金のこと聞いて置くんだったな。とほほ……。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界転移した私がドラゴンの魔女と呼ばれるまでの話
yuzuku
ファンタジー
ベランダから落ちて死んだ私は知らない森にいた。
知らない生物、知らない植物、知らない言語。
何もかもを失った私が唯一見つけた希望の光、それはドラゴンだった。
臆病で自信もないどこにでもいるような平凡な私は、そのドラゴンとの出会いで次第に変わっていく。
いや、変わらなければならない。
ほんの少しの勇気を持った女性と青いドラゴンが冒険する異世界ファンタジー。
彼女は後にこう呼ばれることになる。
「ドラゴンの魔女」と。
※この物語はフィクションです。
実在の人物・団体とは一切関係ありません。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
辺境ぐうたら日記 〜気づいたら村の守り神になってた〜
自ら
ファンタジー
異世界に転移したアキト。 彼に壮大な野望も、世界を救う使命感もない。 望むのはただ、 美味しいものを食べて、気持ちよく寝て、静かに過ごすこと。 ところが―― 彼が焚き火をすれば、枯れていた森が息を吹き返す。 井戸を掘れば、地下水脈が活性化して村が潤う。 昼寝をすれば、周囲の魔物たちまで眠りにつく。 村人は彼を「奇跡を呼ぶ聖人」と崇め、 教会は「神の化身」として祀り上げ、 王都では「伝説の男」として語り継がれる。 だが、本人はまったく気づいていない。 今日も木陰で、心地よい風を感じながら昼寝をしている。 これは、欲望に忠実に生きた男が、 無自覚に世界を変えてしまう、 ゆるやかで温かな異世界スローライフ。 幸せは、案外すぐ隣にある。
剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜
みっちゃん
ファンタジー
俺こと「天城剣介」は22歳の日に交通事故で死んでしまった。
…しかし目を覚ますと、俺は知らない女性に抱っこされていた!
「元気に育ってねぇクロウ」
(…クロウ…ってまさか!?)
そうここは自分がやっていた恋愛RPGゲーム
「ラグナロク•オリジン」と言う学園と世界を舞台にした超大型シナリオゲームだ
そんな世界に転生して真っ先に気がついたのは"クロウ"と言う名前、そう彼こそ主人公の攻略対象の女性を付け狙う、ゲーム史上最も嫌われている悪役貴族、それが
「クロウ•チューリア」だ
ありとあらゆる人々のヘイトを貯める行動をして最後には全てに裏切られてザマァをされ、辺境に捨てられて惨めな日々を送る羽目になる、そう言う運命なのだが、彼は思う
運命を変えて仕舞えば物語は大きく変わる
"バタフライ効果"と言う事を思い出し彼は誓う
「ザマァされた後にのんびりスローライフを送ろう!」と!
その為に彼がまず行うのはこのゲーム唯一の「バグ技」…"剣ぺろ"だ
剣ぺろと言う「バグ技」は
"剣を舐めるとステータスのどれかが1上がるバグ"だ
この物語は
剣ぺろバグを使い優雅なスローライフを目指そうと奮闘する悪役貴族の物語
(自分は学園編のみ登場してそこからは全く登場しない、ならそれ以降はのんびりと暮らせば良いんだ!)
しかしこれがフラグになる事を彼はまだ知らない
大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います
町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる