上 下
12 / 90

12:成長し過ぎるメル!

しおりを挟む
 ソラが寝床にやって来たのが夜の8時だったので今はもう9時過ぎくらいである。やっと心の汗を流し終えてからだいぶ落ち着きをとりもどし思考が再開される。そして、又もや早とちりしていた事をメルに告げられたソラは。又、ヤってしまったと反省しつつ唯一残ったスキル(メル)に説明を受けていた。
 
 お気付きだろうが、あれだけ使うのを楽しみにしていたスキルがほぼ全てステータスから消滅していた事実はソラのちっぽけな脳にはショックが大きすぎて思考を全て忘却の彼方に放り投げていても、しょうがなかったとも言える!
 
〔マスターの指示を速やかに遂行するため、最適化の段階でサポートスキルであるAIに総て組み込まれ成長しました。〕

と、告げられた。
 
 結局スキルや魔法等の技能は消滅したのでは無く、円滑に主をサポートするためメルが取り込んでしまっていただけであった。何とも人騒がせである。…かなりの醜態を晒してしまい精神的披露が限界であったが、メル(成長期.AI)は元々ぶっ壊れ固有スキル(宝の持ち腐れ)であった魔改造を取り込んでしまいソラは知らず知らずの内に、恐るべき神チートを手にしてしまった事にまだ気付いていない!

(取り込んだスキルに指示を出せば自分で考えなくてもやってくれるのか~異空間BOXの管理とかもだから便利さに磨きがかかったなッ!)

と、いうお気楽な認識をしていた…

 既にこの神チートの能力の片鱗は発動していたのだが…創った女神達ですら、少しでもソラが長生き出来るようにと日常生活のサポートをするスキルを創ったつもりだったため誰一人気付いていない。
 

ーーーー時刻は23:00ーーーー


 ソラは一度寝ようと布団に入ったが中々寝付けづトイレ(ただ穴を掘っただけ)に行くためマップを起動させた、ランタン等は付けていないが月明かりで動くには問題ないくらいで明るい。(戦闘は無理だが)

(タマキが近付いてくる?)

 マップにはソラのいる建物に近付いてくるピンクの○が表示されていた、ソラは何故か、修学旅行とかで教師が見廻りに来た時の感覚で無意識にベットに横になり寝たフリをしていた!

(何でこんな夜中に?何か伝え忘れた事でも…でもこんな時間に?明日じゃ駄目なのかな?夜這いな分けないしな~断じてない!オジサンは紳士だからあんな小さな…イヤイヤ気にしないが子供に手は出さ無いヨ!…まさか暗殺?んな訳無いよな~)

 と、妄想していた(平常運転である)

 その○は家の窓まで来ると室内を伺い…しばらくして玄関ではなく裏の勝手口から静かに中に入って来た!ソラは空き家に来て直ぐ寝室に入ったため裏口等の施錠等確認していないため初めから鍵等掛かっていないかもしれない。

(ずいぶん手際がいいな~あの子、見かけに依らず手癖が悪いのか?)

 ソラは万が一、危害を加えられそうになってもあんなか弱い女の子なら、少し本気を出してやれば充分対処出来ると思っていた。(スライムから逃げたのに!)その○は脇目も降らずソラの寝ている寝室まで来ると、ソッと中に入ってきた!

キィー コトッ! キシッ キシッ 

(来たッ!いよいよだぞ~?しっかりしろ気を抜くな……)

 入って来た、その○は物を物色する様子もなくましてや声もかけることもない…ただベットに寝るソラの足元まで来ると立ち止まった!

カチャカチャッ! シュッ バサッ!

(ん?なんの音だ?)

シュッ ガチャン パサッ! パサッ!


 何かの軽い金属音と、衣服の擦れる音が微かに聞こえた。布が床に落ちる音がしてソラはうっすらと細目を開けて足元を見ようとしたが丁度、雲がかかったのか月明かりでは、さっきより暗くて顔までは見えない。だがその黒い人影は明らかにあの少女の…モノではなく大人の女性のモノであった!

(えぇ~誰?意味が分からないんですけど~?)

 予想だにしていなかった事実にソラはパニックになっていた!心臓バクバクである!ソラの内心をよそに黒い人影は少ししゃがんだのか見えなくなり…その直ぐ後ソラの足元から徐々に人の体重と、何か柔らかい物が布団の中に入り、ゆっくりと這い上がって来た!

(えぇ~マジか~いきなり過ぎますよ~心の準備がデキテマセンヨ~)

 と、固まった!固まってしまったのである。大事な事なので…その影はソラの胸元迄来ると止まり色々と押し付けて来た。ソラの頭の中はさっきまでと違い(皆様にお知らせできない)妄想で埋め尽くされていた。

「おいッ!起きているんだろ?シッ!声を出すなよ、騒いだら殺す!! いいなッ!ふんッ悪いよ~にはしないから安心してちょっと付き合え…なぁに今回の報酬だッお前、金貨1枚払えるか?」

(ん!何処かで聞いた声だ…そ~だあの女冒険者か?)

 女の声は少し押さえているが男勝りな勝ち気な雰囲気が感じられ低めだが便りになる大人なお姉さんと言った感じの声だ!アニメとかに出てくる女騎士がしっくり来るイメージだ。ソラは混乱しながら、頭をぶんぶん横に降った。そんな金持っていないしボッタクリだろ?と、考えながら。

〔消し飛ばしますか?〕

と、例の声がするが(待て待てと念じていた)ソラの疑問を察したのか、

「今日、助けたのと明日の護衛料金だッ!心配しなくても仲間の分は私が立て替えてやるからなッ!観念しろ」
 
 と言ったが、ここで少し雰囲気が少し変わった…急に動きが止まると、

「あっ!あのぉ~なんだ…実はな…わ…私は~…はっ…初めてなんだ…自分でも分からないんだよ…コノ行動は…どうしても…押さえられなかったんだよ…べ…別にお前がす…好きとかじゃあ…無いんだからなッ!…か…勘違いするなよッ!報酬~報酬の代わりなんだからな!分かったな!」

 ちょっと強引だがソラは話の途中から妄想に総てをゆだね欲望以外の事を考えるのを止めていた。だって~男の子ナンだもん!美味しくいただかれました!勿論、前の世界の知識も総動員して事に当たった!





最後まで読んで下さりありがと御座います。いかがだったでしょうか?あり得ね~とか思った方は、まだまだですね…妄想とは!敢えて言いましょう、偉大であると…

次回も読んで下されば嬉しいです、宜しくお願い申し上げます。
しおりを挟む

処理中です...