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4 リムジンで動作チェック(途中からオリオン視点)★
オリオンに手を引かれ、電車から降りて馴染みのない駅のホームを歩く。
混乱していた頭が、夜の外気で冷やされていく。
そういえば、思い出した。正月に飲み過ぎた時、ケンタに色々と経験とか、願望とかを聞かれたんだ。……あの時、自分はなんと答えただろう、やっぱりよく思い出せない。話の流れで、つい赤裸々に語ってしまった気がする……。
だからこの状況は、手違いでも何でもないんだってことはなんとなくわかった。こんな常識外れの状況を受け入れるなんてどうかしてる。だけど、さっきの男の手を思い出すと、抗えない期待に身が震えてしまう。それがまるで……自分の想像していた通りのものだったから。
熱がひくほど、濡れた自分の下着や自分の身体に違和感を感じた。ホームに誰も人がいないのは幸いだった。気怠い体を、オリオンの手が牽引していく。
「どこに、行くんですか」
「すぐにわかりますよ」
オリオンはそう言って微笑むだけだ。
改札を出ると、目の前の道路に黒いリムジンが停まっていた。こんな辺鄙な駅に誰かVIPでも来るのか。ぼうっと考えていたら、オリオンがそのドアを開けて振り返った。
「どうぞ」
「……え?」
「こちらで移動します」
※ ※ ※
リムジンでのお出迎えは、店の慣例です。
初回のゲストの方へ、歓迎の意味をこめてプレゼントしています。現実世界での諸事を忘れ、夢の世界を堪能していただきたい。その入り口となるのがこの送迎です。勿論、より強い興奮を促すための実用的な演出でもあります。
本当はお店の名前通りに船でお迎えするのが私の夢でした。しかし、現実的な問題でなかなか叶わずにいるのが現状です。
山下様からのリクエストには、正直言って驚きました。特に大切なご友人をご紹介いただくお話だったのに、初回であまりに大胆なプランを希望されたからです。ご相談を受けた時、 私は思わず力が入りすぎてしまい、プロとして少々軽率な振る舞いをしました。山下様は寛大な方ですから笑って許してくださいましたが、スネルに遠回しに叱責されました。
すでに山下様は野々田様について調査済みで、だからこその大胆なプランだったようです。加えて山下様の緻密な調査により、我々の通常業務は半分に減少しました。もし可能なら、店にスカウトしたい優秀な方です。しかしながら、現在の仕事に誇りと夢を持っていらっしゃる山下様に、そんな提案はできません。
プランがほぼ固まってから、山下様に、野々田様の初めての経験を我々にまかせて本当によろしいのですかとお尋ねしました。山下様は少しはにかまれて、野々田様には少しの痛い思いも無理強いもさせたくないし、友人も裏切りたくない、何より店に1日も早く一緒に来たいのだと仰ってくださいました。
山下様の信頼と期待を、私たちは絶対に裏切ることはできません。計画には自然と熱が入りました。野々田様には最高の体験を提供し、山下様にそれをご報告するのが私たちの今回の使命です。
野々田様にリムジンをご案内すると、たいへん驚かれ、興味深そうに車内をご覧になりました。あまりに無邪気で微笑ましい様子で、私は思わず職務を忘れてしまうところでした。
リムジン内ではドリンクを提供しました。ビジュアルや味はもちろんのこと、栄養面や体力面にも配慮した特別メニューです。野々田様の好みに合わせたフレーバーを新人のアッシュに依頼しました。アッシュは見た目にも拘って作り、試飲したスタッフにもたいへん好評を得ています。幾重にも重なった層が天の川のように溶け合い、わずかな照明を受けて煌めくドリンクに仕上げています。野々田様はお気に召したようで美味しそうに嚥下され、安堵いたしました。
頃合いを見計らい、次のご案内をさせていただきます。
「野々田様、スマホはお持ちですね?」
「え? あ、はい」
野々田様は端末をポケットから取り出されました。山下様から紹介していただいたお店のアプリを開くようお願いすると、快く応じてくださいます。
「少しテストをしてもよろしいですか?」
「テスト?」
「はい。先ほど、スネルが野々田様にある物を装着しました。ですから、新たな機能をご利用いただけるのです。アイコンをタップしてみてください」
野々田様は、まだ私の話が飲み込めていないご様子で、スマートフォンをタップされています。目当ての画面を開いたタイミングで声をお掛けしました。
「押してみてください」
言われるがまま、野々田様は画面に指先を伸ばします。
「っ!」
野々田様はビクリと身を強張らせ、声にならない悲鳴をあげられました。先ほどスネルが触れた感覚が蘇ったのか、頬を紅く染めて溜め息をつかれています。
スネルが装着した品は3点。タップされると、対応する胸、もしくは局部に振動が起こるようになっています。細かい操作を行えばトリッキーな駆動も可能な品です。
「ご自分で最適な強度を探求なさる方もみえますし、私どもにおまかせする方もいらっしゃいます。到着までお時間ありますので、どうぞご自由にお試しください」
野々田様は顔を紅く染めながら私に戸惑った視線を投げられ、端末に視線を落とします。まだ迷っていらっしゃるので、言葉を付け足しました。
「残りの2つも、確認していただけますか?」
伏し目がちにこちらを見て、かすかに頷くと、迷われながらも画面に触れていきます。
「っ……」
右胸に起こったであろう刺激に、今度は先ほどよりもごく弱い悲鳴をあげられました。頬の赤みは先ほどより増しています。
最後の1つは、さきほどよりも十分に逡巡された後に、触れられました。
「っうッ……」
先の2度よりもさらに大きく体を跳ねさせ、脚をもじもじと動かされました。呼吸が少し荒くなり、唇を開いています。私の視線も意識されているのかもしれません。すでに耳まで紅く染められ、瞼も半分近く閉じられていました。
「遠慮なさらずに、好きなだけ試していただいていいんですよ?」
念のためにお声掛けしましたが、野々田様の性格からすると、私のまえでそれ以上は触れないはずです。
「失礼しますね」
野々田様の肩に手を回し、端末の手に手を重ねます。首筋が一瞬ピクリと震えたのを確認します。まだまだ緊張されているようですから、解して差し上げなくては。
「野々田様でしたら、この辺りがよろしいかと」
素早く画面に触れて、装着した機械に継続的な強い振動を与えます。ヴヴ……という3つの細かな振動音が一斉に発生し、野々田様はしゃっくりのような悲鳴をあげ、小刻みに身を震わせました。
「あぁッ……!」
「野々田様、運転手に聞こえてしまいますから、声は抑えてくださいね」
私は人差し指を唇につけてみせ、片目を閉じて微笑みます。野々田様は視線だけをこちらにどうにか向けましたが、おそらく私の言葉はほとんど聞こえていないでしょう。涙を浮かべて震えながら、左手で私の腕を掴みます。
「ん……ッ! つよ、……ぁッ」
上手く言葉を紡げないほど、悦んでいらっしゃるようです。
「おりおん……っ」
「はい、なんでしょう?」
野々田様は必死になって、舌足らずに私の名前を呼びました。ああ、先ほど、車内でスネルが野々田様に特別甘い言葉を囁いていた理由が、痛いほどわかってしまいます。私にも、彼を咎める資格はないかもしれません。
「んん……っ、とめてくださ……っ」
「はい」
野々田様の左手が、私の腕を強く握ります。そろそろ限界でしょう。わざと緩慢に画面に触れて動作を止めていきます。そして、最後の1つを止める際、一瞬だけ振動を最大に振りました。
「ッん! はぁ……っ……」
野々田様は気持ち良さそうに白い喉を仰け反らせ、ビクンッと体を震わせます。
「んぅ……っ」
野々田様は、どちらの部位も良好な感度をお持ちのようです。蕩けた瞳で窓を見つめられたあと、とても恥ずかしそうに顔を伏せられました。
「気に入っていただけて何よりです。アプリの動作も良好のようですね」
ゆっくりと私が体を離すと、野々田様は名残惜しそうに私の腕を離されました。大丈夫、すぐに触れて差し上げますよ。
「まもなく、ホテルに到着いたします」
窓の外の景色を確認して野々田様に告げると、私は降車の準備に掛かりました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
※次は友人視点に移ります。
混乱していた頭が、夜の外気で冷やされていく。
そういえば、思い出した。正月に飲み過ぎた時、ケンタに色々と経験とか、願望とかを聞かれたんだ。……あの時、自分はなんと答えただろう、やっぱりよく思い出せない。話の流れで、つい赤裸々に語ってしまった気がする……。
だからこの状況は、手違いでも何でもないんだってことはなんとなくわかった。こんな常識外れの状況を受け入れるなんてどうかしてる。だけど、さっきの男の手を思い出すと、抗えない期待に身が震えてしまう。それがまるで……自分の想像していた通りのものだったから。
熱がひくほど、濡れた自分の下着や自分の身体に違和感を感じた。ホームに誰も人がいないのは幸いだった。気怠い体を、オリオンの手が牽引していく。
「どこに、行くんですか」
「すぐにわかりますよ」
オリオンはそう言って微笑むだけだ。
改札を出ると、目の前の道路に黒いリムジンが停まっていた。こんな辺鄙な駅に誰かVIPでも来るのか。ぼうっと考えていたら、オリオンがそのドアを開けて振り返った。
「どうぞ」
「……え?」
「こちらで移動します」
※ ※ ※
リムジンでのお出迎えは、店の慣例です。
初回のゲストの方へ、歓迎の意味をこめてプレゼントしています。現実世界での諸事を忘れ、夢の世界を堪能していただきたい。その入り口となるのがこの送迎です。勿論、より強い興奮を促すための実用的な演出でもあります。
本当はお店の名前通りに船でお迎えするのが私の夢でした。しかし、現実的な問題でなかなか叶わずにいるのが現状です。
山下様からのリクエストには、正直言って驚きました。特に大切なご友人をご紹介いただくお話だったのに、初回であまりに大胆なプランを希望されたからです。ご相談を受けた時、 私は思わず力が入りすぎてしまい、プロとして少々軽率な振る舞いをしました。山下様は寛大な方ですから笑って許してくださいましたが、スネルに遠回しに叱責されました。
すでに山下様は野々田様について調査済みで、だからこその大胆なプランだったようです。加えて山下様の緻密な調査により、我々の通常業務は半分に減少しました。もし可能なら、店にスカウトしたい優秀な方です。しかしながら、現在の仕事に誇りと夢を持っていらっしゃる山下様に、そんな提案はできません。
プランがほぼ固まってから、山下様に、野々田様の初めての経験を我々にまかせて本当によろしいのですかとお尋ねしました。山下様は少しはにかまれて、野々田様には少しの痛い思いも無理強いもさせたくないし、友人も裏切りたくない、何より店に1日も早く一緒に来たいのだと仰ってくださいました。
山下様の信頼と期待を、私たちは絶対に裏切ることはできません。計画には自然と熱が入りました。野々田様には最高の体験を提供し、山下様にそれをご報告するのが私たちの今回の使命です。
野々田様にリムジンをご案内すると、たいへん驚かれ、興味深そうに車内をご覧になりました。あまりに無邪気で微笑ましい様子で、私は思わず職務を忘れてしまうところでした。
リムジン内ではドリンクを提供しました。ビジュアルや味はもちろんのこと、栄養面や体力面にも配慮した特別メニューです。野々田様の好みに合わせたフレーバーを新人のアッシュに依頼しました。アッシュは見た目にも拘って作り、試飲したスタッフにもたいへん好評を得ています。幾重にも重なった層が天の川のように溶け合い、わずかな照明を受けて煌めくドリンクに仕上げています。野々田様はお気に召したようで美味しそうに嚥下され、安堵いたしました。
頃合いを見計らい、次のご案内をさせていただきます。
「野々田様、スマホはお持ちですね?」
「え? あ、はい」
野々田様は端末をポケットから取り出されました。山下様から紹介していただいたお店のアプリを開くようお願いすると、快く応じてくださいます。
「少しテストをしてもよろしいですか?」
「テスト?」
「はい。先ほど、スネルが野々田様にある物を装着しました。ですから、新たな機能をご利用いただけるのです。アイコンをタップしてみてください」
野々田様は、まだ私の話が飲み込めていないご様子で、スマートフォンをタップされています。目当ての画面を開いたタイミングで声をお掛けしました。
「押してみてください」
言われるがまま、野々田様は画面に指先を伸ばします。
「っ!」
野々田様はビクリと身を強張らせ、声にならない悲鳴をあげられました。先ほどスネルが触れた感覚が蘇ったのか、頬を紅く染めて溜め息をつかれています。
スネルが装着した品は3点。タップされると、対応する胸、もしくは局部に振動が起こるようになっています。細かい操作を行えばトリッキーな駆動も可能な品です。
「ご自分で最適な強度を探求なさる方もみえますし、私どもにおまかせする方もいらっしゃいます。到着までお時間ありますので、どうぞご自由にお試しください」
野々田様は顔を紅く染めながら私に戸惑った視線を投げられ、端末に視線を落とします。まだ迷っていらっしゃるので、言葉を付け足しました。
「残りの2つも、確認していただけますか?」
伏し目がちにこちらを見て、かすかに頷くと、迷われながらも画面に触れていきます。
「っ……」
右胸に起こったであろう刺激に、今度は先ほどよりもごく弱い悲鳴をあげられました。頬の赤みは先ほどより増しています。
最後の1つは、さきほどよりも十分に逡巡された後に、触れられました。
「っうッ……」
先の2度よりもさらに大きく体を跳ねさせ、脚をもじもじと動かされました。呼吸が少し荒くなり、唇を開いています。私の視線も意識されているのかもしれません。すでに耳まで紅く染められ、瞼も半分近く閉じられていました。
「遠慮なさらずに、好きなだけ試していただいていいんですよ?」
念のためにお声掛けしましたが、野々田様の性格からすると、私のまえでそれ以上は触れないはずです。
「失礼しますね」
野々田様の肩に手を回し、端末の手に手を重ねます。首筋が一瞬ピクリと震えたのを確認します。まだまだ緊張されているようですから、解して差し上げなくては。
「野々田様でしたら、この辺りがよろしいかと」
素早く画面に触れて、装着した機械に継続的な強い振動を与えます。ヴヴ……という3つの細かな振動音が一斉に発生し、野々田様はしゃっくりのような悲鳴をあげ、小刻みに身を震わせました。
「あぁッ……!」
「野々田様、運転手に聞こえてしまいますから、声は抑えてくださいね」
私は人差し指を唇につけてみせ、片目を閉じて微笑みます。野々田様は視線だけをこちらにどうにか向けましたが、おそらく私の言葉はほとんど聞こえていないでしょう。涙を浮かべて震えながら、左手で私の腕を掴みます。
「ん……ッ! つよ、……ぁッ」
上手く言葉を紡げないほど、悦んでいらっしゃるようです。
「おりおん……っ」
「はい、なんでしょう?」
野々田様は必死になって、舌足らずに私の名前を呼びました。ああ、先ほど、車内でスネルが野々田様に特別甘い言葉を囁いていた理由が、痛いほどわかってしまいます。私にも、彼を咎める資格はないかもしれません。
「んん……っ、とめてくださ……っ」
「はい」
野々田様の左手が、私の腕を強く握ります。そろそろ限界でしょう。わざと緩慢に画面に触れて動作を止めていきます。そして、最後の1つを止める際、一瞬だけ振動を最大に振りました。
「ッん! はぁ……っ……」
野々田様は気持ち良さそうに白い喉を仰け反らせ、ビクンッと体を震わせます。
「んぅ……っ」
野々田様は、どちらの部位も良好な感度をお持ちのようです。蕩けた瞳で窓を見つめられたあと、とても恥ずかしそうに顔を伏せられました。
「気に入っていただけて何よりです。アプリの動作も良好のようですね」
ゆっくりと私が体を離すと、野々田様は名残惜しそうに私の腕を離されました。大丈夫、すぐに触れて差し上げますよ。
「まもなく、ホテルに到着いたします」
窓の外の景色を確認して野々田様に告げると、私は降車の準備に掛かりました。
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※次は友人視点に移ります。
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