【R18】【BL】闇月の森蛸 ~ some fragments of 'IF' ~

DreamingMeidenLady

文字の大きさ
8 / 14
蛸ルート(蛸×黒)

8.触手・再 ★

しおりを挟む
 男に応じるように、触手の先が男の唇をしっとりと撫でる。

「……はぁっ……」

 刺激に、男は熱い息を吐く。目蓋をわずかに閉じて、視線を蕩けさせる。

 腰に絡んでいた触手の先が、上着のボタンを器用に外していく。さらに別の触手がベルトに触れる。しかし、困ったように触手の先を左右に振った。

「俺、ずっと、お前に……こうして、ほしいと思ってた」

 男は頬を染めて、自らベルトを外す。触手はそこから先、器用に彼のズボンを脱がせていく。

 柔らかいものが男の背中に触れる。それは大きなタコの頭だった。てっぺんにはフサフサした白い毛を生やしていた。男は抱くようにしてタコの頭に触れた。柔らかいそれにキスをすると、男を囲んだ触手が、男の腹や胸、脚や背中にのび、先端で優しく撫でていく。

「ん、う……もう……きもち、い……」

 触手の粘液が肌を濡らしていく刺激に、甘い声を洩らす。2本の触手が、もうすでに固くなっている胸の突起を弄る。

「んっふぁ……ぁ……」

 幸せそうに声をあげる男の口に、触手が1本侵入していく。胸を撫でいた2本は、突起に巻き付いて、先端をニュルニュルと撫でた。

「ん、む、ぁッ」

 口内を犯されながら、胸にも刺激を与えられて、男は身体を震わせ、舌と触手の先とを絡ませる。唾液のように、溢れた粘液が口の端から滴った。胸の突起に触手がチロチロと触れる度、男は催促するように、魔物の頭に触れる。

「あ、あっ、んんッ、くちと、むねだけで、きもちい……っ」

 粘液の催淫効果も相まって、男はよりいっそう蕩けそうな声をあげた。
 尻を撫でていた触手が股を通り、すでに勃ちあがっている竿に絡みついていく。

「あっ、そっち、は……、っんあっ!」

 電気のような刺激に身を震わせて、身体が弓なりに反る。自然と口が開き、熱い吐息が溢れでる。
 触手が胸の突起をキツく絞る。男の身体がさらに大きく跳ねた。

「はッ、そんなにされたら……ッ……おかしく、なる、ぅ……」

 さらに別の触手が鼠径部を這ってうねる。すでに粘液と青年自身のものとで濡れそぼる先端を、水音を立てながら撫で回した。
 まるでタコの魔物もこの日を心待ちにしていたかのように、容赦なく攻め立てていく。男は魔物の頭に顔を擦り寄せ、悶えた。

「……ッあぁ、おれ、触手に、なでられて、こんなに、きもちよくなって……っ、あぁッ」
 
 尻をひくつかせ、震える青年の身体を、囲んだ触手は撫で回し、よりいっそうの快楽を与えていく。

「ひぅッ、あぁ、出ちゃ、でぢゃうッ! きもちいい……ッ」

 ビクビクと身体を震わせ、青年は白濁の液を吐き出した。恍惚とした表情でタコの頭にしなだれかかる。
 触手は、全てを吐き出した彼の先端を愛おしそうに撫でた。

「はぁッん……ッ……いま、さわるの、だめ……ッ」

 男の腕がタコの頭をぎゅうと締め付ける。やや瓢箪の形になるのも構わず、触手は男の身体中をヌメヌメと撫で回した。
 すぐに男のモノは力を取り戻して上を向く。触手は再び竿に絡みついていき、同時に尻をぎゅうと締め付けていた触手が割れ目を探って、もぞもぞと動く。

「う……んぅ……っ」

 男は喘ぎながら、少し困惑した声をあげた。触手の1本が窄まりをこじ開けて中に侵入していく。それは太さがあったが、催淫効果の粘液をたっぷり注がれた男にとっては、さらなる甘い刺激にしかならなかった。

「ん……っ」
 
 それでも、男は初めての刺激に身を捩った。宥めるように、男の腕と脚に触手が緩やかに絡みつく。

「はあ……あっ」

 ぞくぞくと背骨を駆け上がる刺激に、男は身を震わせる。絡んだ触手は彼の脚を割り開き、尻に刺さった触手は少しずつ限界までその先端を沈めていった。男は服をはだけた胸から耳の先まで、紅く染めていた。表情は相変わらず恍惚とし、口からはうわ言のように喘ぎ声だけが洩れた。もはやその理性は全て溶け切ったようだった。
 
 触手は先端を彼の中に深く沈めて動きを止める。男は、はぁ、はぁと荒い呼吸を繰り返して身を捩った。

「あつ、い……っ……もっと、きもちよく、して……ほし……」

 リクエストに応えるように、触手が頬を撫で、背筋を撫でる。お腹で円を描き、腿に絡み付く。

「……あ……っ……や、もっとぉ……おく……」

 舌足らずで甘える男を焦らすように、肝心の場所には触れず、動かず、触手は肌を撫で回していく。脇腹を撫で、胸の突起の周りをなぞる。あえぐように息を洩らす唇を撫でる。
 もう一方の触手が、膝裏を撫で、内腿から脚の付け根を、ゆっくりと粘液を伴って這う。

「ぁ……もぅ……がまん、できない……から……っ」

 もどかしい刺激に、男は身を捩って悶える。腰を浮かすと、繋がった触手が擦れ、内部に絡んだ粘液がグチュリと音を立てた。

「は、んッ」

 男の全身がビクンと一際大きく跳ねる。それだけで意識が飛びそうになり、焦点の定まらないうっとりとした表情を浮かべる。
 うねる触手の先が、ピンとたった胸の突起の先を繊細に撫でる。別の触手は男の股にさがったものを、優しく包みこんで弄ぶ。

「ひぁ、あぁっ」

 だらしなく開いた口から、悲鳴に近い声を洩らす。定まらない視線を、蠢く触手のほうへと向ける。
 男を貫いた触手の先が、敏感な場所を探して肉壁を押し上げる。限界まで張り詰めた男のモノから、歓びの涙が止めどなく溢れた。

「あ、あッ、きもちい、すごい、そごッ」

 触手がわずかに出入りしてトントンとそこを刺激すると、男は腰を揺らして快楽に溺れた。接合部から滴るほどの粘液が、淫らな音を立てる。

「はッ、あッ、からだの、おくが、じんじんして、あぁッ、すごぃッ」

 触手は尻の中を突きながら、胸の突起を絞り上げて先を撫で回す。股の間の袋を弄んでいた触手の先が、竿から零れる液を撫でていく。
 男は悦びに震えながら喉をのけ反らせた。

「ああッ、あ、あ……! きもちぃ……ッ」

 涙を浮かべた男は身体を痙攣させて、尻をヒクヒクとひきつらせる。再び、白濁したものを勢いなく吐き出す。
 多様な液でベタベタになった男の身体を、触手たちが拭っていく。余韻の最中にいる男は、夢見心地でその愛撫に浸る。

「はぁ、う……ッ」 

 喘ぎを洩らす男の口に、再び触手が入りこんで、中をひどく優しく撫でた。

「んむ……ん……」

 男の顎を、透明な液が一筋伝う。
 男の口から這い出た触手が、名残惜しそうに唇を撫で、遠ざかる。
 別の1本が男の頬に優しく触れ、やがてゆっくりと触手を解いていった。そのまま、気配が男から離れていく。

「もう、行くのか……?」

 男は気怠げに腕を伸ばし、1本の触手の先端を掴んだ。まだ熱の覚めきらない表情で、触手の主を見る。

「まだ……もっと……シて、ほしい……」

 それでも、巨大なタコの魔物は、ゆっくりと茂みのほうへ去ろうとして、うねった。男は掴んだ触手をより強くひいた。

「俺、もうお前じゃなきゃ、いやだ……」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夜のパトロールは危険がいっぱい!?気をつけて!触手にご注意!!

石月煤子
BL
ド田舎の駐在所に勤務するお巡りさんの公平。 田んぼもカエルも名前のわからない虫も、嫌々わかっちゃう虫も、ド田舎の何もかもを受け入れられなかったお嫁さんに去られ、一人、細々と公務をこなしていましたが…… 「お掃除、僕がしますから、お巡りさんは書類整理をどうぞ」 公平の前に突如として現れた糸目の鈴木少年…… 「この時を待っていたんですよ、僕も主様も、ね」 ■触手が出没してタイトル通りの展開だったり、世にも奇妙な鈴木少年が不思議な力で鈴木青年になって公平(総受け)と18禁したり/すけべmain ■表紙イラストは[ジュエルセイバーFREE]様のフリーコンテンツを利用しています http://www.jewel-s.jp/

神官、触手育成の神託を受ける

彩月野生
BL
神官ルネリクスはある時、神託を受け、密かに触手と交わり快楽を貪るようになるが、傭兵上がりの屈強な将軍アロルフに見つかり、弱味を握られてしまい、彼と肉体関係を持つようになり、苦悩と悦楽の日々を過ごすようになる。 (誤字脱字報告不要)

俺は触手の巣でママをしている!〜卵をいっぱい産んじゃうよ!〜

ミクリ21
BL
触手の巣で、触手達の卵を産卵する青年の話。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

【BL】捨てられたSubが甘やかされる話

橘スミレ
BL
 渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。  もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。  オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。  ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。  特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。  でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。  理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。  そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!  アルファポリス限定で連載中  二日に一度を目安に更新しております

完成した犬は新たな地獄が待つ飼育部屋へと連れ戻される

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

魔王のペットの嫁

よしゆき
BL
異世界に召喚された不憫受けが魔王のペットの嫁にされる話。 攻めが人外です。 攻めは言葉を話しません。 攻めは人の姿ではなく、人の姿になりません。

希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう

水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」 辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。 ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。 「お前のその特異な力を、帝国のために使え」 強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。 しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。 運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。 偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!

処理中です...