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4話

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 何度かカバンと紙袋を持ち直しながら、漸く目的の場所に辿り着いた。荷物を持っているということもあって辿り着くまでに一時間ほどかかってしまっていた。
 陽が傾いているようで、森の中はとても暗くなっていた。真っ暗になってしまうと歩くことが難しくなる。そうなる前に無事辿り着けたことに安心していた。この森では一度も危険な動物に会ったことはなかった。だから、どのような動物がいるのかよく分かっていない。
 ルージュの目の前にはログハウスがある。ここにログハウスがあることを彼女は知っていた。この森に何があるのかと気になって入ったときに偶然見つけたのだ。それから何度か内緒でここに来ていた。
 ログハウスの中を掃除したり、綺麗な布団を持って来て追放されるかもしれないことにかけて準備は万端だった。
 外見は少し汚れていて、建てられてから時間が経っていたけれど、誰も使用していないようだったので暫く使わせてもらうことにしたのだ。
 鍵は内側からかけることができるようになっており、ドアノブを回すと簡単に開いた。どうやら誰も使用していないようだ。外から鍵を閉めることもできるのだけれど、鍵が開いているということは誰でも使えるようにとのことなのかもしれない。
 鍵のかかっていない扉を開くとすぐに立ち止まった。床に泥がついた靴で誰かが歩いた足跡が残っていたからだ。足跡は最近のものではないようで乾いている。
 以前ルージュが来たときは偶然誰も使っていなかっただけで、不定期に利用している人はいるのかもしれない。
 そうだとしても今の彼女には他に行く場所はない。もしも使用している人に会うことがあれば説明すればいいだえだ。追い出された場合は、今度こそソレイユ王国に行けばいいだろう。
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