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14話
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しおりを挟む「嫌われてるんだな、ここの王子様は」
『ニールはね。自分のことしか考えていないのよ』
少し笑っているように聞こえるノワールの声にそう言うと、何も言わずにルージュへと視線を向けた。ノワールは何か言いたい様子だったが、一人で何かを話していると怪しまれるからと黙ってしまった。
小声で話しているとはいっても、近くには人がいる。声が聞こえる可能性もあるため、あまりおかしな話をすることはできない。一人しかいないのに、誰かと話しているように会話を進めていれば怪訝な顔をされるだろう。
中には誰と話しをしているのかと尋ねる人もいるかもしれない。まさかうさぎと話しているとは答えることもできない。だから今は注目を集めるより、黙って行動時間になるまで待っているのがいいだろう。
壁際にはメイドや執事が黙って立っている。時間になれば飲み物を運んだりするのだろう。今はまだ飲み物は何処にもない。料理だけが並べられており、自由に食べれるようになっているだけだ。
テーブルには『ご自由にどうぞ』と書かれた紙が置いてある。時間前から食べられるようにと多くの食器類も置かれている。
しばらくすると壁際に立っていたメイドと執事が動き出した。広間にいる人たちを黙って見ていただけだったのだが、声をかけたり広間から出て行く人も見受けられた。
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