114 / 184
14話
14-7
しおりを挟む「俺たちも動くか」
そろそろ指定された時刻なのだろう。動き出したメイドたちを見て、ノワールはテーブルにあった野菜スティックに手を伸ばした。いくつかの種類がある中から、一本の小さなニンジンだけを手に取るとルージュの顔に近づけてきた。そのまま銜えても良かったのだが、前足を伸ばして両手でニンジンを掴んだ。
ゆっくりとニンジンから手を離したノワールは、しっかりとニンジンを持っていることを確認すると「そのまま持ってろ」と言って歩き出した。言われた通り食べることをせずに、ルージュはニンジンを持ったまま何をするのかと様子を伺った。
両手でニンジンを持っているため、ノワールはルージュを支えながら扉の近くへと歩いて行く。近くにいた人がうさぎのルージュに気がついて驚いた顔をしていたが、ノワールは気にしていないようだった。どうやら今は見られても構わないらしい。
うさぎがいたと広まるより先に、パーティーが始まるだろうと考えたのかもしれない。メイドたちが参加者に話しかけ始めたことにより、広間がさらに騒がしくなっているのだから、広まらないかもしれない。話している内容は、飲み物についてだったが、好きなものを飲めると喜んで騒いでいる人が多かった。
そんな騒がしさから背を向けて扉へと近づいたノワールは、扉の近くにいたメイドに話しかけた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
123
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる