傭兵少女のクロニクル

なう

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第49話 風神の如く

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 風が吹く。
 風が背中を押す。
 枯れ葉が私を追い越す。
 その瞬間飛ぶ。
 そして、二歩目でタワーの壁を蹴り、高々と舞い上がる。
 ふわりと髪と衣装が浮く……。
 上昇から下降に転ずる瞬間、私の身体は仰向けとなり、両腕を広げて星空を見上げる。
 こんな時でも星が綺麗だなって思っちゃう……。
 でもね、ここからだよね……。

「ポストストール機動コブラ」

 私のすぐ隣を佐野が通り過ぎて行く。
 やつが飛び上がって、私を捕まえようとしたのだ。

「ナビー!?」

 ふふっ、不思議な動きでしょ、佐野? なぜか、あなたとは逆の動きをするでしょ? 

「うがああああ!!」

 再度、佐野は空中で姿勢を変えて、真横にいる私を両手で掴みにくる。
 私は仰向けなんだよ……。
 タワーの壁を軽く蹴る。
 すると、私の身体は流れて、佐野の腕をすりにける。
 やつと私の身体が交差する瞬間、私はもう片方の足の裏で佐野の後頭部を蹴る。

「うがおおおお!?」

 と、佐野がタワーの壁に頭から突っ込んでいく。
 私は姿勢を垂直に戻して、両腕を広げて、スタッ、と手すりに着地。

「な、ナビー……」

 佐野は額を押さえながら私を探す。

「ふっ……」

 手すりと壁、交互に飛びながら、やつとの間合いを詰める。
 そして、佐野が私を視認する前に、その頭を蹴り飛ばす。

「うおおおお!?」

 そのまま、壁を数歩歩いて、佐野の背後に回りこんで、オーバーヘッドキック、さらに、もう片方の足でやつの背中を蹴って、また手すりに着地。

「な、ナビー……、くっ、くそぉ……!!」

 と、佐野が私に向かって猛突進してくる。
 それを私はひょいっと壁側に飛んでそれを蹴り、反対側の手すりも蹴り、そして、もう一回壁に、そこで上に向かって走ると見せかけて、宙返りしながら、オーバーヘッドキック。

「あっがああああ!!」

 私はまた手すりに着地。

「う、う、な、なんで、お、俺は強ぇ……、和泉さんには敵わないけど、秋葉さんや人見さんより強ぇ……、俺は東園寺さんと互角なんだぞぉ!!」

 とか、言いながらまた猛突進してくる。
 へぇ、男子たちの間でそんな評価をし合ってたんだ……、初耳……。
 私は佐野の突進に対して、まず手すりを飛び、次に軽く壁を蹴り、階段の真ん中でふわっと両腕を広げて舞い上がる。

「こい、獏人」
「うぉおおおお!!」

 そして、突進してくる佐野の頭を両手で掴んで、そのまま跳び箱の要領で飛び越える。

「うおお、うおおお、うお!?」

 すると、佐野が階段に頭から突っ込んでそれをぶち破る。

「うわ、うわあああ!? た、たっけ、助けてぇ!! ナビ、ナビー!!」

 佐野は階段の外に身体の半分以上を出して、足をバタバタとさせてもがいている。

「くすっ、そこで遊んでろ、獏人……」

 私は忙しいの……。
 階段ではなく、手すりの上を走る。
 佐野の横を通り過ぎて、上層へと登っていく。
 この階段はらせん状になっている……。
 つまり、一周ぐるっと、全方位を見渡せる。

「みつけたぁ!!」

 と、私は手すりから大ジャンプ! 
 両腕を大きく広げて空を舞う。
 そして、身体を横向きにして、フライングボディープレース!! 

「うぉ!?」

 もちろん、東園寺目掛けて。
 そして、彼の顔をお腹で抱くようにして、くるっと丸まって固定する。

「な、なんだ、なんだ!?」

 くくく……。
 暴れる彼の耳元に顔を近づけて言ってやる……。

「めぇえ……」

 と、
 うん? 
 もうそれでいいや。

「ねぇ、公彦、私が誰だかわかる?」
「そ、その声、ナビーフィユリナか!?」

 東園寺が私の名前を呼ぶ。

「よし! 言ったぁ! 大河、どう!?」

 と、私は運営の南条大河にジャッジを求める。

「東園寺公彦、アウトー! ターゲットの名前を呼んでしまいましたぁ、失格です!」

 その声が広場に響き渡る。

「やったぁ!!」
「すごーい! ナビー、東園寺くんを倒しちゃった!」
「私たちも頑張りましょう!」
「「「おお!!」」」

 と、私も女子たちも大盛り上がり。

「よーし!」

 私は東園寺の頭を起点に回転して、そのまま彼に肩車をしてもらうような形で座る。

「行け、東園寺ロボ! 敵を蹴散らすのよ!」

 と、彼の髪を掴み、もう片方の手で男子たちの群れを指し示す。

「な、なんで……?」
「なんでって、将棋と一緒よ! 取った駒は私の下僕なの! はやく、はやく!」

 と、両手で彼の髪を掴んで、乗馬のように身体を前後に揺らして前に進むように催促する。

「お、おう……」

 東園寺ロボが敵陣目掛けて走っていく。

「行け、行けぇ!」

 ちょうど、男子チームと女子チームが睨み合っている中間に突入していく。

「ふふふ……」

 そして、男子たちに向き直る。

「東園寺……?」
「公彦さん、どうして……?」

 男子たちがたじろぐ。

「ふふふ……」

 切り札は東園寺ロボだけじゃないのよ……。

「彰吾、出番よ、やっちゃって!」

 と、私が叫ぶと人見が小さくうなずく。

「雫、唯! 彰吾に媒体照射レティクルお願い、限界までやっちゃって!」

 さらに、綾原、海老名両名にも指示を飛ばす。

「わかったわ、いくよ、唯、ソプラナ、柔和なる方よ、旅路の果てに舞い降りた大地の支配者よ、媒体照射レティクル!]
「うん、ソプラナ、柔和なる方よ、旅路の果てに舞い降りた大地の支配者よ、媒体照射レティクル!」

 二人が媒体照射レティクルを唱える。
 すると、二人の身体から渦を巻くような煙が出てきて、それが人見に向かっての伸びていく……。
 その煙も人見の身体を中心に渦を巻き、やがて、吸い込まれるように消えていく……。

「ライダード、比類なき天狼の尊名、パウセリアス、かひなく不可蝕の死影」

 魔法の詠唱が始まる。

「アイロス、罪人の鎖を解き放ち、魂を食い尽くせ、霊帝死影グレイシス・バルド

 両手を合わせた瞬間、魔法は完成する……。

「う、うお!?」
「な、なんだ……?」
「じ、地面がぁ!?」
「ど、どうなってんだ、地面が泥に変わったぞ!?」

 男子たちが一斉に悲鳴を上げる。

「しず、沈む!」
「た、助けてくれぇ!」

 彼らが草原の上に倒れて、水に溺れるような仕草をしている……。

「うわ、あっぷ、あっぷ!」
「お、溺れる! 溺れるぅ!」

 な、なんだろ、これ……? 
 男子たちが草原に上でクロールとかしている……。

「ふっ、どうだ、幻術の味は……?」

 と、人見が不敵に笑いながら、銀縁メガネを人差し指で直しながらこちらにやってくる。

「ひ、人見か、人見がやったのか!?」
「幻術? う、うそだぁ、やっぱり泥沼じゃねぇか、ここはぁ!」
「目が、目がまわりゅう!」

 彼らは立とうとしてもすぐに倒れてしまう……。

「しかも、ただの幻術ではない、霊帝死影グレイシス・バルドだ、三半規管が死んだろ?」

 人見が悪党面で男子たちを見下ろしながらせせら笑う。

「くっそぉ、人見の野郎、また裏切りやがった!」
「許せねぇ、一度ならず二度までも!」
「って、おまえは運営側だろ!?」

 男子たちが草原を泳ぎながら口々に人見を非難する。

「裏切った? 運営側? 笑わせるな、俺は最初からおまえらの味方でも、運営側でもない。俺は常に女性の味方だ」
「きゃああ、かっこいい、人見くん!」
「さすが、人見くん、やっぱり頼りになる!」
「私は最初から信じてたけどね、人見の事は……」
「ふっ……」

 と、人見が女子たちの歓声に頬を赤らめる。

「お、おかしいだろ、そもそも、ビンゴだぜ、って、おまえのアイデアだっただろ!?」
「あんなにノリノリで女子にやらせる内容考えたじゃねぇか!?」
「また一緒に露天風呂覗きに行こうぜ、とか言ってたじゃねぇかよ、あれはうそだったのかよ!?」

 と、男子たちの非難が止まらない……。

「黙れ、ケダモノども! おまえらと一緒にするな! 女性の笑顔を奪うやつは俺が許さん! 全員でかかってこい!」

 と、非難を遮るように、手をバッと横に払い言い放つ。

「きゃああ、かっこいい、人見くん!」
「やっぱり人見くんは私たちの味方だったのね!」
「もう一生付いて行く!」
「ふふっ……」

 と、また人見は顔を赤らめてメガネを直す。

「よ、よし! みんな、チャンスよ、今のうちにミッションを遂行して!」

 私は東園寺ロボの上からみんなに指示を飛ばす。

「「「おう!!」」」

 と、女子たちが男子たちに群がる。

「うわ、やめて!」
「た、助けてぇ!」

 男子たちが足を引きずられて指定場所に連れていかれる。

「ビンゴだぜ!」
「ビンゴだぜ!」

 と、次々とミンションをコンプリートしていく。

「うーん……」

 得点はどうなっているんだろう……。

「東園寺ロボ、あっち行って」
「お、おう……」

 と、中央広場のほうに歩いていく。
 そして、両手の指を使って、割と普通なナビーフィユリナ記念会館の前にいる人たちを見て得点の計算をする……。

「み、みんな待って! ミッションコンプリートしないで、先に男子たちを失格にするのよ!」

 と、大慌てで止める。

「あ、そうだね……」
「負けてるかも」
「うん、危ない、危ない……」

 他の女子たちも記念会館の前を見ながらつぶやく。

「よし、じゃぁ、こちょこちょ作戦よ!」
「「「おう!」」」

 女子たちが男子たちの脇の辺りをくすぐりだす。

「ひぃ、やめて、やめて!」
「うひゃひゃひゃ!」
「ひぃ、うひ、うひ!」

 と、男子たちが笑い転げる。

「ほら、やめて欲しいなら私の名前を呼んで」
「言わないと、もっとやっちゃうよぉ」
「わかった、わかった、徳永さん、わかったからやめて!」
「雨宮さんもやめて!」
「久保田洋平、石塚航、アウトー! ターゲットの名前を呼んでしまいましたぁ、失格です!」

 と、次々と男子たちを失格にさせていく。

「ねぇ、ナビーのターゲットって誰? ミッション大丈夫?」

 綾原が尋ねてくる。

「うん? あ……」

 くっ、名前を言いそうになった。

「まだだけど、ここにいない……」

 そう、私のターゲットは秋葉蒼だ。
 あいつは、たぶん、今もルビコン川にいるはず。 

「よし! 片付けてくるか! 東園寺ロボ! ルビコン川までダッシュよ!」

 と、ルビコン川の方向を指し示しながら叫ぶ。

「お、おう……」

 東園寺ロボがのろのろと走りだすけど、その時、

「タイムアップまでまだお時間はございますが、男子チームの逆転が不可能となりましたので、ここで終了とさせていただきます! 男子チーム23ポイント、女子チーム31ポイント、女子チームの勝利となります! みなさんお疲れ様でした、ビンゴだぜ!」

 と云う、司会の南条大河の声が響き渡った。

「「「ビンゴだぜ!」」」
「やったぁ、私たちの大勝利だね!」
「嬉しい、楽しい!」

 女子のみんなは飛び上がって大喜び! 

「やった、やったぁ!」

 私も東園寺ロボの頭をペチペチと叩きながら歓声を上げる。

「くそっ、くそっ!」
「また負けた、これで二連敗だ……」
「俺たちは駄目なのか、男としてのプライドがずたずただ」

 と、男子たちは悔しがる。

「次は頑張ってくださいね」
「今回はたまたまよ、次は勝てるわ」
「さぁ、元気を出して!」

 戦いが終われば、敵も味方もない……、女子たちが男子たちに優しく手を差し伸べる。

「では、最後にみんなで乾杯をして〆ましょうか、みなさんグラスをお持ちください!」
「「「はぁい!」」」
「「「おう!」」」

 と、みんながグラスを取る。

「ナビーフィユリナ」
「ありがと、東園寺ロボ」

 彼からグラスを受け取る。

「乾杯!」
「「「乾杯!」」」

 と、みんなで乾杯をする。
 あ、秋葉だけいない……。
 まぁ、いいや……。
 こうして、私の楽しいお誕生会は終りを告げたのであった。
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