5 / 58
二がんばり目~ドSコンビの同級生~
第5話 ペット就任
しおりを挟む
朝、森本は教室のベランダに出て登校してくる生徒たちを眺めながら虎谷のことを考えていた。
そこに水野がやって来て、顔を覗き込んでくる。
「今日は難しそうな顔してる…やっぱり部に入ってくれそうな奴なんてそうそう見付かんないよなぁ」
「うーん…いるようないないような…」
「はぁ?なんだよその曖昧な感じ」
「…陽平は虎谷って人知ってる?
ネクタイの色が青だったから一年だと思うんだけど」
「げっ!虎谷って、めちゃくちゃヤンキーな奴だろ!?俺ますますお前のこと理解できない…」
「ほっといてよ!てか虎谷くんのこと知ってるの?何組?」
「おいおい、マジでやめとけって!怪我でもしたらどうすんだよ」
「大丈夫だよ!お願い!」
「なっ!……はぁぁ、お前…」
水野は森本を虎谷と接触させなくなかったが、あまりの必死さに負けて話し始めた。
「五組だよ。
俺たち二組だから体育の授業ん時も被んないもんなー、奇数組の連中は気が気でなかったらしいぜ」
「なんで?」
「逆になんでこんなことも知らないんだよ!
イジメだってさ。なんでもあいつ、ターゲットを決めたらそいつが潰れるまでイジメ抜くらしい」
森本はバレー部での一件を思い出し、恐らくそれは本当なのだろうと眉をひそめて呟いた。
「なんでそんなことするんだろう…」
「俺が知るわけないだろ、とにかくそんな奴と関わるなんて自殺行為だぜ」
「うん…でもやっぱり噂だけじゃ分かんないから、もう少し様子を見てみる」
「マジ…?」
そのことが事実だとしても、バスケ部設立のために少しの希望も捨てたくない。
例え自分が傷付いても好きなことが出来るなら構わないと思っていた。
ーーー
森本は昼休みに早速五組に向かってみた。
ちょうど教室から出てきた虎谷とその友達を見つけ、声をかける。
「虎谷くん!」
「あー…顔面ボールの」
特に興味がなさそうな声色で返し、ダルそうに壁に寄りかかって森本を見下ろす虎谷。
それに反し興味津々な様子で身を乗り出したのは、不良そうなわりに人当たりの良い顔をした友達。
「なに?こいつ新しいペット?」
「ちげーよ、昨日言ってたやつだよ」
「俺、森本空汰!名前言ってなかったよね」
「へー!こいつが…小さいねー、空汰くん。
俺は望月 千紘。」
望月はへらへら笑いながら、自分よりはるかに小さい三橋の頭をぐしゃぐしゃと弄り回して自己紹介を返した。
「わ、やめて」
「…んで、何しに来たわけ?」
「部活のこと、もう一回話したくて」
「あーバスケ?…いいぜ、別に」
「え、ほんと!?」
「渚、バレーの次はバスケ?」
あの時とはうって変わった態度に驚きつつ嬉しそうな森本だったが、それを尻目に望月は何か含みのある笑いをしている。
「ただ…お前が俺のペットになってくれるならな」
「ぺ、ペット?」
予想外の条件に脳が追い付かない。
「あぁ。俺の言うことには絶対服従、尻尾振って媚びてればそれでいい」
「こび…」
具体的なことが何も分からず、さすがの森本もつい考えてしまう。
それを見た虎谷は更に条件を加えた。
「なら、試しに一週間続けられたら入ってやるよ」
「うん!それならがんばる!」
期限つきならがんばれると即答する森本。
それがどんなにキツイことなのか想像もせずに。
「あーあ、やめた方がいいと思うけどなぁ」
望月は相変わらず笑顔でこっそり呟いてみるも、森本には聞こえていなかった。
「じゃあ連絡先これだから、またねー」
あらかじめ用意していた紙を虎谷に渡し、周囲の不穏な眼差しにも気付かず教室に戻って行く。
「なーんかイジメ甲斐のありそうな奴。さて、何日もつかあいつらと賭けてこよーっと」
「賭けられるくらい長くもってくれればいいけどな」
二人は楽しげに屋上へと向かった。
そこに水野がやって来て、顔を覗き込んでくる。
「今日は難しそうな顔してる…やっぱり部に入ってくれそうな奴なんてそうそう見付かんないよなぁ」
「うーん…いるようないないような…」
「はぁ?なんだよその曖昧な感じ」
「…陽平は虎谷って人知ってる?
ネクタイの色が青だったから一年だと思うんだけど」
「げっ!虎谷って、めちゃくちゃヤンキーな奴だろ!?俺ますますお前のこと理解できない…」
「ほっといてよ!てか虎谷くんのこと知ってるの?何組?」
「おいおい、マジでやめとけって!怪我でもしたらどうすんだよ」
「大丈夫だよ!お願い!」
「なっ!……はぁぁ、お前…」
水野は森本を虎谷と接触させなくなかったが、あまりの必死さに負けて話し始めた。
「五組だよ。
俺たち二組だから体育の授業ん時も被んないもんなー、奇数組の連中は気が気でなかったらしいぜ」
「なんで?」
「逆になんでこんなことも知らないんだよ!
イジメだってさ。なんでもあいつ、ターゲットを決めたらそいつが潰れるまでイジメ抜くらしい」
森本はバレー部での一件を思い出し、恐らくそれは本当なのだろうと眉をひそめて呟いた。
「なんでそんなことするんだろう…」
「俺が知るわけないだろ、とにかくそんな奴と関わるなんて自殺行為だぜ」
「うん…でもやっぱり噂だけじゃ分かんないから、もう少し様子を見てみる」
「マジ…?」
そのことが事実だとしても、バスケ部設立のために少しの希望も捨てたくない。
例え自分が傷付いても好きなことが出来るなら構わないと思っていた。
ーーー
森本は昼休みに早速五組に向かってみた。
ちょうど教室から出てきた虎谷とその友達を見つけ、声をかける。
「虎谷くん!」
「あー…顔面ボールの」
特に興味がなさそうな声色で返し、ダルそうに壁に寄りかかって森本を見下ろす虎谷。
それに反し興味津々な様子で身を乗り出したのは、不良そうなわりに人当たりの良い顔をした友達。
「なに?こいつ新しいペット?」
「ちげーよ、昨日言ってたやつだよ」
「俺、森本空汰!名前言ってなかったよね」
「へー!こいつが…小さいねー、空汰くん。
俺は望月 千紘。」
望月はへらへら笑いながら、自分よりはるかに小さい三橋の頭をぐしゃぐしゃと弄り回して自己紹介を返した。
「わ、やめて」
「…んで、何しに来たわけ?」
「部活のこと、もう一回話したくて」
「あーバスケ?…いいぜ、別に」
「え、ほんと!?」
「渚、バレーの次はバスケ?」
あの時とはうって変わった態度に驚きつつ嬉しそうな森本だったが、それを尻目に望月は何か含みのある笑いをしている。
「ただ…お前が俺のペットになってくれるならな」
「ぺ、ペット?」
予想外の条件に脳が追い付かない。
「あぁ。俺の言うことには絶対服従、尻尾振って媚びてればそれでいい」
「こび…」
具体的なことが何も分からず、さすがの森本もつい考えてしまう。
それを見た虎谷は更に条件を加えた。
「なら、試しに一週間続けられたら入ってやるよ」
「うん!それならがんばる!」
期限つきならがんばれると即答する森本。
それがどんなにキツイことなのか想像もせずに。
「あーあ、やめた方がいいと思うけどなぁ」
望月は相変わらず笑顔でこっそり呟いてみるも、森本には聞こえていなかった。
「じゃあ連絡先これだから、またねー」
あらかじめ用意していた紙を虎谷に渡し、周囲の不穏な眼差しにも気付かず教室に戻って行く。
「なーんかイジメ甲斐のありそうな奴。さて、何日もつかあいつらと賭けてこよーっと」
「賭けられるくらい長くもってくれればいいけどな」
二人は楽しげに屋上へと向かった。
0
あなたにおすすめの小説
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
月弥総合病院
御月様(旧名 僕君☽☽︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
ふたなり治験棟 企画12月31公開
ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。
男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!
ある少年の体調不良について
雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。
BLもしくはブロマンス小説。
体調不良描写があります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる