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二がんばり目~ドSコンビの同級生~
第10話 捕らわれた森本
しおりを挟む望月に見つかった森本は、戻ろうとしたがあっけなく捕まってしまった。
「空汰くん足早いねー、さすが運動部」
「なんでここが…?」
偶然にしても望月の反応は少しおかしかった。
驚きもせず、確実に森本を捕まえたのだ。
「勘…かな」
くすっと笑いながら意味深にケータイを取り出す望月。
「今ってすっごい便利だよね、GPSとかさ」
「!?」
いつの間に仕込んだのか森本のケータイには細工がされていたようだ。
「……バカみたい…」
がんばれば逃げ切れると思っていた。
そんな情けない自分に我慢しきれず呟いた。
振り返ればいつも何かしらのゲームをすると、
ペナルティを受けていた気がする。
「自分のこと責めちゃダメだよ。
俺らにとって君はとても優秀なペットなんだから。」
望月は飄々と言った。
悔しい悔しい悔しい。
しかし従うしかなかった。
自分の目的のために。
「早く、罰を与えてよ」
「ふーん。さすがだね…。
じゃあペナルティーは、これから許可なく声を出さないこと」
切り替えが早いのか諦めが早いのか、
森本の潔い態度に感心しながらペナルティを提示した。
「声?ん!?」
森本は早速声を出してしまいキスをされた。
突然のことに呆気をとられ、階段の手すりへと誘導され逃げ場を失ってしまった。
「声、出したら塞ぐから」
「ま!んんっ!」
「ん…」
ライトではあるものの、唇で何度もついばむようにキスをされ息が熱くなっていく。
「森本くんみたいに必死で何かに打ち込んだことないから分かんないけど、普通ここまでしないよね」
熱に浮かされた森本は望月のなすがままとなっていた。
上のシャツははだけ、露出している肌を指先でなぞる望月。
「ねぇ、恥ずかしい…?」
「ふっ…ぅ」
自分の様子を伺って楽しんでいる望月を見て、森本は意地でも声を抑えてやる、と両手を口に押し付けた。
それでも肌を伝う感覚には慣れず、身をよじって我慢していた。
しかしある一点を指がかすめると思わず声が上がってしまう。
「やっ!…っ!…」
「…もしかしてキスされたいの?」
そんなわけないと声に出来ない代わりに首を振る森本を見て
望月は至極楽しそうに笑った。
「ほんとに面白いなー。見てるといじめたくなる」
望月の唇が首筋や鎖骨辺りを触れていく。
そして指は先ほど森本に強い刺激を与えた部分を弾いた。
「んんっ…!」
「ふふ…乳首、敏感だね」
反応したくないのに体がビクッと跳ねて望月を楽しませてしまう。
あえて辱しめる言葉を選ぶ意地悪さに森本は睨んだ。
しかしその目は涙で潤んでしまっている。
「まさかそれ、俺を誘ってる?
すっごいそそられるんだけど…」
望月が耳元で吐息混じりに囁くと、
初めて聞く低い声に森本はぞくっと背中を震わせた。
「いいね、その顔…」
涙の溜まった目尻に口づけをし、再び耳元へ戻ると唾液に濡れた舌で耳裏を舐め上げる。
耳の穴へ舌が近付くにつれ いやらしい音が大きくなり、
森本はそれ以上はダメだと片手で望月の胸を押した。
「ん、ぅ!っ」
しかしそれは逆に望月を燃えさせ、片手は頭上に捕らえられ
行為はさらに激しくなっていった。
そして先ほど触れた後はずっと肌を撫でているだけだった指も、爪先で突起を引っ掻くように刺激し始めた。
「ふぁ!んんっ、ぁ」
我慢しきれず声が漏れ出た森本の両手を、
望月は簡単に片手でまとめ上げ無理やりキスをした。
始めとは違う、舌を絡ませ口内を犯すような激しいキス。
「んっ…は……こんなのも我慢できないなんて、童貞?」
「~っ!!」
嘲笑を含んだ発言にさすがに森本もカッとなり声を荒げる。
「うるさ、んう!」
「あのさ、ペナルティって自覚してる?」
「っ………」
納得はいかないが約束は約束なので口をつぐむ森本。
だがもう嫌だと言わんばかりに捕まれた両手に力を込めたが、
掴み方が上手いのか なかなか外すことは出来なかった。
「残念。俺、狙った獲物は逃がさないから」
にっこり笑う望月に目眩がした。
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