がんばり屋の森本くん

しお子

文字の大きさ
15 / 58
二がんばり目~ドSコンビの同級生~

第15話 森本の失態

しおりを挟む

「悪かった…。」

二人は再びベンチに座り、榎本は少し冷静になったのか
自分がしたことを思い返して頭を抱えていた。

疲れきった森本はもう何を返せばいいか分からず
榎本に寄りかかっている。

「こんなのやっぱりあいつらと一緒だよな…」

「心配してくれたことは、嬉しかったよ。」

心底反省している様子を見ては責めることなど出来ず、
困ったように笑いながら呟いた。

「…すまん。」

「こっちこそ、ごめん」

「お前が謝ることなんて一つも…?」

「俺のためにいろいろ悩ませたのに、ペットやめようって
 思ってないことに対して。」

「っ…、でも」

「自分で決めたこと、諦めたくないんだ。」

「そうか…。俺が思ってたより強いんだな、森本は。」

「うん!もっと信じて」

「あぁ…。」

見た目や本人の優しさから、勝手に弱く脆いイメージを持っていた榎本。
無理して虚勢を張っているのだと思っていた。

しかし反面的に森本はタフで頑固だった。
信じてと笑う姿を見て、榎本は言葉通りに黙って見守ることを決めた。





そして、ペット最終日ー。


「ない…。」

森本はスマホを探していた。
自宅には無かったため学校かと思い早めに登校してみたが見つからない。

「もしかして廃校で落とした…?」

だとしたらいよいよマズい。
基本的に虎谷からの指示はメールから始まるため、
確認できないとなると無視したと見なされる。

今までの仕打ちを考えればそんなことをしたら
一番のキツい罰が待っていることは明白だ。

「やばい~!」

いてもたってもいられず虎谷のクラスまで行くが
まだ登校していないようだった。

始業ギリギリまで粘ったがついに虎谷たちは来なかった。

「どうしようどうしよう…」

昼休みのチャイムが鳴り、今しかないと教室を飛び出した森本だったが
廊下で担任に呼び止められた。

「森本。お前今から指導室な。」

「へ!?なんで!」

「この前ボランティアサボったろ?
 それの反省文書いてもらうの。」

よくよく思考を巡らせて思い出すと、虎谷たちが理由で
ボランティアに行けなかったことがあった。

「も~っ…」

こんな不運が重なるのなんて泣きたくなってくる…。
だがそんなこと言ってる場合でもなく、素直に指導室へ向かった。

指導室ではまず生徒が集まるまで待たされ、反省文もそれなりの量を
書く必要があったため休み時間終了までかかってしまった。
結局虎谷とは会えずじまいだ。

「絶対やばい…」



放課後になり森本は廊下を走って虎谷を探していた。

あれから休み時間のたびにクラスまで行ったが
いつも教室におらず捕まらなかったのだ。

「!! 早川くん!榎本くん!」

やっと見つけたと思い息を切らして呼び止めたが虎谷の姿はなかった。
事情を説明すると二人はあわれみながら居場所を教えてくれた。

「虎谷なら屋上だ」

「ありがと!!」

聞いた途端また走り出そうとする森本の手を榎本は捕まえた。

「俺も、行こうか?」

「おいおいー、それはカホゴじゃない?エノ」

それを聞いた早川はすかさず突っ込んだ。
例え榎本が同行したとしても、不機嫌な虎谷のストッパーには
到底なれないと思ったからだ。

「っ…」

「早川くんの言う通りだよ!
 ね、きっと大丈夫だから。」

「本当に無理だけはするなよ。」

「うん!ありがとー!」

森本は相変わらず優しい榎本に笑いながら駆けていった。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

月弥総合病院

御月様(旧名 僕君☽☽‪︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。 また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。 (小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

ふたなり治験棟 企画12月31公開

ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。 男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!

ある少年の体調不良について

雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。 BLもしくはブロマンス小説。 体調不良描写があります。

処理中です...