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五がんばり目~ヤンデレ君にご注意~
第45話 もめ事
しおりを挟む二日後、熱も下がり体調の良くなった森本。
小野寺の様子は気になっていたが星場に直接聞けばいいかと何も聞かずに登校していた。
昼休みに二年生の教室へ向かっている途中で外が騒がしいことに気がついた。
窓から様子を伺っていると、どうやら声は第二体育館の方から聞こえてくる。
「どうしたんだろ…?」
仮のバスケ部活動の場として自分達が使う以外、普段は閉め切られているため気になった。
星場にはまた放課後会いに行こうと、森本は第二体育館へ向かった。
「虎谷くんと…折戸くん…!?」
野次馬の隙間から顔を覗かせるとなんと中心には虎谷と折戸がいた。
雰囲気から察するに、一対一でバスケ勝負をしているみたいだ。
「どうして…!」
二人を会わせた記憶のない森本は混乱していた。
喧嘩っ早い二人が殴り合いをしていないだけ幸いと言うべきか、しかしいつそうなるかと不安で人混みの中へ飛び込んだ。
野次馬たちは二人のゲームに夢中で前に進もうとする森本など見えていないようだ。
「く、くるし…」
人混みに押し潰されながらなんとか耐えていると、下半身に違和感を覚える。
「っ!?」
(なんか、お尻触られて…?)
これだけの人数と密着しているため勘違いだろうと思っていたが、撫でる程度だった手はだんだんと森本の秘部へ近づいていた。
なぜ男の自分がこんなことをされているのかや、同じ学校の生徒がこんなことをするわけがないなどという考えが頭をぐるぐると回り理解できない事態に泣きそうになっていた。
「ゃ、…!」
「しー、みんなに見られちゃうよ」
「っ!?」
堪らず小さく声を上げて振り払おうとして耳元で囁かれた。
「き、菊地先輩…」
正体が分かると安心したようにほっと息をつく森本だったが、菊地の手は離れるどころかスラックスの前に移動しファスナーをなぞり始めた。
「ちょ、…っ!」
「なんかこの状況、痴漢してるみたいで興奮しない?」
吐息混じりにそんなことを言われると変に意識してしまい、体温が上がっていく。
菊地は不審がられないように周囲と同じ方向へ顔を向け、手と下半身だけを森本に押し付けていた。
「っ…せんぱ、…」
グイッ!
「大丈夫?」
突然肩を引き寄せられた森本は菊地から離され抱き締められていた。
驚いて顔を上げると、心配そうに覗き込む星場がいた。
偶然通りかかったところに森本を見つけ、様子がおかしかったため周りを押し退けて駆けつけたのだ。
「何か変なことされてなかった?」
「い、いえ…」
「ほんとに?…泣いてる」
こちらを向く森本の頬を優しく撫でると、目尻に溜まった涙を指で拭ってやった。
「これは!違うんです、…」
「空汰ちゃん…」
「こんなところでイチャイチャしないでくれるー?」
まるで恋人を心配するような甘い星場としおらしい森本のやりとりを見てられず、つまらなそうに割って入った菊地。
「大切な子の心配して何が悪いの?」
「悪かないけど、そんな風に聞いたら森本くんだって困っちゃうんじゃない?」
「僕には君の方が困らせてるように見えたけど」
「あ、あの俺はなんともないので…!」
ドカッ!!
「ってーな!」
そうこうしている内に事は起こってしまった。
「だからわざとじゃねぇって」
「だったらルールも知らずに喧嘩吹っ掛けてくんなよ!」
度重なる虎谷のファウルに我慢できなくなった折戸が、大声を上げてボールを放っていた。
睨み合う二人を早く止めなければ確実に小競り合いが始まるだろう。
「俺止めなくちゃ…!
先輩、お願い!」
暴力沙汰にでもなったら部の設立など出来なくなってしまう。
焦った森本は星場と菊地に協力を得て人混みをかき分けてもらうと二人の前へ立った。
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