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第一章 辺境の村~6歳~
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秋の山でたくさんのキノコが採れた。
ここで難問が。大量のマツタケやマイタケをどうやって食べようか?
人気の天ぷらは貴重なオリーブオイルを使うので、わが家では現在自粛中。みんなで天ぷらパーティーをしちゃって、まさに後の祭り。
冬を前にして、保存食のバターやチーズもなるべく使用を控えるべきだし。
そうなると焼き物か鍋物かなあ。
だけど味付けをどうしようってなっちゃう。
やっぱり醤油や味噌が欲しいんだよね。
ぐつぐつする味噌仕立てのキノコ鍋を横目に見つつ、炭火でサッと焼いたマツタケを醤油でいただく。お供はご飯がいいかお酒がいいか。
大豆を収穫する時に味噌作りは考えた。でも米麹や麦麹で困った。もちろん僕の魔法で麹菌は出せるけど問題はそこじゃない。
村のみんなが継続して作れそうもないものと、作れたとしても高価すぎるものは外に出さない独自のルールを決めているから。
例えば、胡椒や甜菜由来の砂糖とかね。
一応ここにも犯罪に対する法律や刑罰はある。だけどすぐに駆けつけて守ってくれる騎士団はいない。領都とは往復六日もかかるんだ。
胡椒や砂糖を売って最初は簡単に大金を手に入れられても、その噂で悪い人間を大勢呼び寄せるのは目に見えている。自衛手段が脆弱なこの村が悪目立ちするのは悪手だろう。
お金を稼ぐにしても、なるべくリスクを回避して不自然ではない方法じゃないとね。
そんなわけで醤油と味噌は諦めるしかない。
まあ、大豆と麹菌から作るのは。
そして夕食の席にて。
「ハルト?」
「はい、兄上」
「ガルユに似たこの紫色のソースはなんだ?」
ガルユ?
醤油似の調味料があるのかな?
「それは大豆由来の醤油というソースです。焼いたマツタケにつけてお召し上がりください」
「ほぅ。スープも不思議な色と香りだが?」
「そちらは味噌という調味料を使いました」
「……なるほどな。説明をしろ」
兄上も慣れてきたなあ。
「はい。魔法で出せるようになりました」
「わかった。門外不出、口外禁止だ」
「はい、兄上。マリアもね」
「くすくすくす……」
こうしてわが家限定で醤油と味噌が許された。香り豊かなマツタケと、お出汁がよく出た味噌仕立てのキノコ鍋は大好評だった。
ちなみに、ガルユという魔物肉から作られる醤油に似た発酵調味料があるらしい。魚醤や肉醤と同じようなものだろうか? 気になるね。
翌日。
きこり衆に同行してフィーネと西の森へ出かけ、オレンジ色に熟したコウゾの実や山椒の実、かごを編むための木の蔓を採取した。
かご作りは村人たちの冬の手仕事なんだ。
さらに翌日には麦を蒔く。
小麦、ライ麦に加えて、お試しで燕麦やもち麦、はと麦を畑に蒔いてみる。
他には、果柄部がコルク化したのを確認してカボチャを収穫した。貯蔵前には保存中の腐敗を防ぐため、風通しのよい日陰に十日ほど置いて切り口を乾かす。
キュアリングという作業だ。
この作業はサツマイモにもあり、温度三十五度、湿度九十パーセントの環境に三日ほど置くことで、傷口をコルク化させて腐敗を防ぐ。
長期保存を可能にすると追熟ができるので、それによってさらにサツマイモを甘く美味しくできるんだ。
でも最適な温湿度にできる保管庫や施設はないので、キュアリングするための小型の温室を作ってみた。保存は地面の下に土室を掘り、真冬の寒さで凍らないようにしまっておく。
結果がどうなるかは、お楽しみで。
楽しみと言えば、温めていた卵からヒヨコが生まれた。この子たちも第二世代で白一羽、黒が五羽。雌雄を決める条件はなんだろう?
詳しいことはまだわからないけど、このバランスで増えるんならいいんじゃないかなーと、今のところは楽観的でいいや。
またしばらくピヨピヨ賑やかになりそう。
そして朝食後に、お肉の塊が届いた。
丸投げしていたブラックボアだ。
皮革職人の皆さんありがとう。
この二日間は徹夜だったと思う。
村のルールでは狩りで活躍した人が好きな部位をもらえるので、今回は兄上とフィーネの分も合わせて一頭分くれたらしい。
それで二人から扱いを一任された。
うん? 僕への丸投げ?
「どうしよう」
ベーコン、コンフィ、干し肉……。
保存するには塩や燻製しかないから、手間のかかることしか思いつかないな。
「ハルト様、まずは切り分けましょう」
「うん、そうだね」
とりあえずマーサさんに手伝ってもらって、豚基準で各部位に切り分ける。肩、腕、肩ロース、ロース、フィレ、モモ、バラって感じ。
ロースやフィレはステーキで食べるとして、肩と腕はコンフィにしてみようか。脂身の多い肩ロースとバラはベーコンにしようかな。
筋肉質なモモは実験に使わせてもらおう。
「ありがとう、マーサ。また空いてる壺をいくつか使わせてもらってもいいかな?」
「ええ、もちろんです。すぐにご用意しますわ。それで今度は何を作られるのですか?」
「うん、ベーコンとコンフィを作るよ」
まずはベーコンから。
手頃な大きさにカットした肩ロースとバラ肉によく塩を塗り込んで水抜きする。
ピックル液ーー岩塩、ハチミツ、タイム、ローズマリー、オレガノ、パセリ、ガーリックなどを混ぜた調味液を作り、鍋でひと煮立ちさせてから冷まして壺へ。
そこに肉を入れて五日間漬け込む。
味を染み込ませて塩抜きをしたら、肉をしっかり乾燥させる。水分があると燻煙の苦味や酸味が水分に溶け残ってしまうので。
僕は浄化魔法で水分を消しちゃうけど。
燻製チップは手に入るクルミとナラにして、サービスで魔法産の茶葉を使う。
量が多いので調理場のかまどと煙突をうまく使わせてもらおう。
続けてコンフィを作る。
肩と腕肉をステーキサイズにカットして、塩とハーブを刷り込み一晩漬け込む。その肉を決して揚げないように低温のラードで煮る。
そのまま保存用の壺に移して、冷まし固めたら冷暗所へ置く。ラードが固まると肉が空気に触れないので、雑菌の繁殖を防いで長期保存ができるというわけだ。
食べる際に焼くとより美味しくなる。
血抜きや解体作業はまだ少し苦手意識があるけど、こうした大量の仕込み作業にも慣れてきた。僕の食欲から生まれる向上心と行動力は、我ながら恐ろしいな。
ここで難問が。大量のマツタケやマイタケをどうやって食べようか?
人気の天ぷらは貴重なオリーブオイルを使うので、わが家では現在自粛中。みんなで天ぷらパーティーをしちゃって、まさに後の祭り。
冬を前にして、保存食のバターやチーズもなるべく使用を控えるべきだし。
そうなると焼き物か鍋物かなあ。
だけど味付けをどうしようってなっちゃう。
やっぱり醤油や味噌が欲しいんだよね。
ぐつぐつする味噌仕立てのキノコ鍋を横目に見つつ、炭火でサッと焼いたマツタケを醤油でいただく。お供はご飯がいいかお酒がいいか。
大豆を収穫する時に味噌作りは考えた。でも米麹や麦麹で困った。もちろん僕の魔法で麹菌は出せるけど問題はそこじゃない。
村のみんなが継続して作れそうもないものと、作れたとしても高価すぎるものは外に出さない独自のルールを決めているから。
例えば、胡椒や甜菜由来の砂糖とかね。
一応ここにも犯罪に対する法律や刑罰はある。だけどすぐに駆けつけて守ってくれる騎士団はいない。領都とは往復六日もかかるんだ。
胡椒や砂糖を売って最初は簡単に大金を手に入れられても、その噂で悪い人間を大勢呼び寄せるのは目に見えている。自衛手段が脆弱なこの村が悪目立ちするのは悪手だろう。
お金を稼ぐにしても、なるべくリスクを回避して不自然ではない方法じゃないとね。
そんなわけで醤油と味噌は諦めるしかない。
まあ、大豆と麹菌から作るのは。
そして夕食の席にて。
「ハルト?」
「はい、兄上」
「ガルユに似たこの紫色のソースはなんだ?」
ガルユ?
醤油似の調味料があるのかな?
「それは大豆由来の醤油というソースです。焼いたマツタケにつけてお召し上がりください」
「ほぅ。スープも不思議な色と香りだが?」
「そちらは味噌という調味料を使いました」
「……なるほどな。説明をしろ」
兄上も慣れてきたなあ。
「はい。魔法で出せるようになりました」
「わかった。門外不出、口外禁止だ」
「はい、兄上。マリアもね」
「くすくすくす……」
こうしてわが家限定で醤油と味噌が許された。香り豊かなマツタケと、お出汁がよく出た味噌仕立てのキノコ鍋は大好評だった。
ちなみに、ガルユという魔物肉から作られる醤油に似た発酵調味料があるらしい。魚醤や肉醤と同じようなものだろうか? 気になるね。
翌日。
きこり衆に同行してフィーネと西の森へ出かけ、オレンジ色に熟したコウゾの実や山椒の実、かごを編むための木の蔓を採取した。
かご作りは村人たちの冬の手仕事なんだ。
さらに翌日には麦を蒔く。
小麦、ライ麦に加えて、お試しで燕麦やもち麦、はと麦を畑に蒔いてみる。
他には、果柄部がコルク化したのを確認してカボチャを収穫した。貯蔵前には保存中の腐敗を防ぐため、風通しのよい日陰に十日ほど置いて切り口を乾かす。
キュアリングという作業だ。
この作業はサツマイモにもあり、温度三十五度、湿度九十パーセントの環境に三日ほど置くことで、傷口をコルク化させて腐敗を防ぐ。
長期保存を可能にすると追熟ができるので、それによってさらにサツマイモを甘く美味しくできるんだ。
でも最適な温湿度にできる保管庫や施設はないので、キュアリングするための小型の温室を作ってみた。保存は地面の下に土室を掘り、真冬の寒さで凍らないようにしまっておく。
結果がどうなるかは、お楽しみで。
楽しみと言えば、温めていた卵からヒヨコが生まれた。この子たちも第二世代で白一羽、黒が五羽。雌雄を決める条件はなんだろう?
詳しいことはまだわからないけど、このバランスで増えるんならいいんじゃないかなーと、今のところは楽観的でいいや。
またしばらくピヨピヨ賑やかになりそう。
そして朝食後に、お肉の塊が届いた。
丸投げしていたブラックボアだ。
皮革職人の皆さんありがとう。
この二日間は徹夜だったと思う。
村のルールでは狩りで活躍した人が好きな部位をもらえるので、今回は兄上とフィーネの分も合わせて一頭分くれたらしい。
それで二人から扱いを一任された。
うん? 僕への丸投げ?
「どうしよう」
ベーコン、コンフィ、干し肉……。
保存するには塩や燻製しかないから、手間のかかることしか思いつかないな。
「ハルト様、まずは切り分けましょう」
「うん、そうだね」
とりあえずマーサさんに手伝ってもらって、豚基準で各部位に切り分ける。肩、腕、肩ロース、ロース、フィレ、モモ、バラって感じ。
ロースやフィレはステーキで食べるとして、肩と腕はコンフィにしてみようか。脂身の多い肩ロースとバラはベーコンにしようかな。
筋肉質なモモは実験に使わせてもらおう。
「ありがとう、マーサ。また空いてる壺をいくつか使わせてもらってもいいかな?」
「ええ、もちろんです。すぐにご用意しますわ。それで今度は何を作られるのですか?」
「うん、ベーコンとコンフィを作るよ」
まずはベーコンから。
手頃な大きさにカットした肩ロースとバラ肉によく塩を塗り込んで水抜きする。
ピックル液ーー岩塩、ハチミツ、タイム、ローズマリー、オレガノ、パセリ、ガーリックなどを混ぜた調味液を作り、鍋でひと煮立ちさせてから冷まして壺へ。
そこに肉を入れて五日間漬け込む。
味を染み込ませて塩抜きをしたら、肉をしっかり乾燥させる。水分があると燻煙の苦味や酸味が水分に溶け残ってしまうので。
僕は浄化魔法で水分を消しちゃうけど。
燻製チップは手に入るクルミとナラにして、サービスで魔法産の茶葉を使う。
量が多いので調理場のかまどと煙突をうまく使わせてもらおう。
続けてコンフィを作る。
肩と腕肉をステーキサイズにカットして、塩とハーブを刷り込み一晩漬け込む。その肉を決して揚げないように低温のラードで煮る。
そのまま保存用の壺に移して、冷まし固めたら冷暗所へ置く。ラードが固まると肉が空気に触れないので、雑菌の繁殖を防いで長期保存ができるというわけだ。
食べる際に焼くとより美味しくなる。
血抜きや解体作業はまだ少し苦手意識があるけど、こうした大量の仕込み作業にも慣れてきた。僕の食欲から生まれる向上心と行動力は、我ながら恐ろしいな。
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