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疑惑
疑惑⑳
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アラームが鳴っている、痺れた手を伸ばして携帯電話の画面を確認した。寝起きは悪くないほうなのに体が動かない、ソファで眠ってしまったせいだろうか。再び目を閉じて静けさに耳を澄ました、心に浮かぶ悲しみに気付き瞼を開いた。
満員電車の息苦しさに耐えながら”依頼”について考える。俺は洋介という奴に会った事がない、どういう流れで依頼してきたのか不可解だ。でも、もしかするとこれは俺にとってチャンスかもしれない。
会社に着くと道畑が駆け寄って来た。
「長谷川先輩、おはようございます!」
「おはよう」
「昨日言ってた合コンなんですけど、女の子側の予定聞いておいたんで後で言いますね」
「ああ、それ。悪いけど暫く無理そうなんだ」
「え」
「連れが最近忙しいみたいでさ。他あたってくれないかな?」
「そんなぁ・・私とのご飯は行ってくれますよね?」
「ごめん、俺も用事が多くて。相談だったら仕事中にでも聞くから」
「もういいです、先輩ひどい」
自席に向かう彼女の背中を見て溜息が出た。正直に言うと合コンなんて行く気分じゃない。仕事中もあの依頼の事が頭から離れない、あゆみさんから連絡がないか携帯を時々確認した。
12時になり昼食を摂るため会社を出た。近くの定食屋に入り携帯電話をチェックするとあゆみさんからメールが来ていた。
もし証拠写真を渡しても洋介が離婚しなかったら、もう諦めるって決めたから。これが最後の懸けなの、お願い。
「何にします?」
湯呑を出して定食屋のおばちゃんは注文を訊いた。
「すいません、電話掛けるのでちょっと出ます」
「お席とっておきましょうか?」
その時、入口に新たな客が数人入ってきた。
「席、いっぱいみたいだからまた今度にします」
「そう?悪いねえ」
おばちゃんは湯呑を下げて会釈した。俺は携帯電話を手に持ったまま店を出た。
発信を押すのを躊躇う。決心して電話を掛けた、応答するのを待ちながら歩く。その間にも気持ちが大きく揺らいだ。もしそいつが言った通り離婚する事になったら、あゆみさんは念願叶って幸せになれる。でも、俺は・・・
呼び出し音が途切れ暫し沈黙が流れた後あゆみさんは出た。
『何?』
「さっき来たメールの事なんだけど」
『・・・』
「写真を渡してから2週間を期限にして」
『期限?』
「2週間以内に彼が離婚の話を切り出さなかったら、見切りをつけて諦めるってこと」
『ちょっと、どうして期限決められないといけないのよ』
「もう4年も経つだろ?あゆみさん、これからの事考えたほうがいいよ」
『余計な世話焼かないで!』
「約束してくれなかったら俺は撮って来ないよ。それかあゆみさんが撮りに行く?」
『・・・わかった。それでいいから、写真が撮れたら連絡して』
「俺との約束、ちゃんと守って」
『もし、証拠写真が撮れなかったら諦めるって話も無しだから』
「わかってる。それじゃ」
電話を切った後、俺は覚悟を決めた。
満員電車の息苦しさに耐えながら”依頼”について考える。俺は洋介という奴に会った事がない、どういう流れで依頼してきたのか不可解だ。でも、もしかするとこれは俺にとってチャンスかもしれない。
会社に着くと道畑が駆け寄って来た。
「長谷川先輩、おはようございます!」
「おはよう」
「昨日言ってた合コンなんですけど、女の子側の予定聞いておいたんで後で言いますね」
「ああ、それ。悪いけど暫く無理そうなんだ」
「え」
「連れが最近忙しいみたいでさ。他あたってくれないかな?」
「そんなぁ・・私とのご飯は行ってくれますよね?」
「ごめん、俺も用事が多くて。相談だったら仕事中にでも聞くから」
「もういいです、先輩ひどい」
自席に向かう彼女の背中を見て溜息が出た。正直に言うと合コンなんて行く気分じゃない。仕事中もあの依頼の事が頭から離れない、あゆみさんから連絡がないか携帯を時々確認した。
12時になり昼食を摂るため会社を出た。近くの定食屋に入り携帯電話をチェックするとあゆみさんからメールが来ていた。
もし証拠写真を渡しても洋介が離婚しなかったら、もう諦めるって決めたから。これが最後の懸けなの、お願い。
「何にします?」
湯呑を出して定食屋のおばちゃんは注文を訊いた。
「すいません、電話掛けるのでちょっと出ます」
「お席とっておきましょうか?」
その時、入口に新たな客が数人入ってきた。
「席、いっぱいみたいだからまた今度にします」
「そう?悪いねえ」
おばちゃんは湯呑を下げて会釈した。俺は携帯電話を手に持ったまま店を出た。
発信を押すのを躊躇う。決心して電話を掛けた、応答するのを待ちながら歩く。その間にも気持ちが大きく揺らいだ。もしそいつが言った通り離婚する事になったら、あゆみさんは念願叶って幸せになれる。でも、俺は・・・
呼び出し音が途切れ暫し沈黙が流れた後あゆみさんは出た。
『何?』
「さっき来たメールの事なんだけど」
『・・・』
「写真を渡してから2週間を期限にして」
『期限?』
「2週間以内に彼が離婚の話を切り出さなかったら、見切りをつけて諦めるってこと」
『ちょっと、どうして期限決められないといけないのよ』
「もう4年も経つだろ?あゆみさん、これからの事考えたほうがいいよ」
『余計な世話焼かないで!』
「約束してくれなかったら俺は撮って来ないよ。それかあゆみさんが撮りに行く?」
『・・・わかった。それでいいから、写真が撮れたら連絡して』
「俺との約束、ちゃんと守って」
『もし、証拠写真が撮れなかったら諦めるって話も無しだから』
「わかってる。それじゃ」
電話を切った後、俺は覚悟を決めた。
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