8 / 18
あの時からひと月後(後)
しおりを挟む
「!!母上それは・・・・・・!」
ルクレとイリスリアは羊皮紙に書かれている内容に驚き、玉璽があることに更に驚く。玉璽があるという事はこれは国の決定事項であり誰にも侵されない約束事だからだ。
「5年後ライノールが学園に入ってから必ず女性問題をおこす。あやつは母親であるティファス殿にそっくりじゃからの。のうシューメイ」
「ええ、頭が足りてない辺りが特に」
ほほほほ・・・・・・と黒い笑いをする母親2人からどす黒いオーラが出ている事で、側妃も異性関係で色々やらかしているのだとルクレとイリスリアは察する。そして父上はよくそんな側妃を召し上げたものだとルクレは密かにため息をつく。
「既にあやつは勘違いして王子教育を疎かにしておるしの。ルクレ、そなたは王太子教育をしっかりこなすように」
「はい、母上」
「イリスリアはライノールに対して何もせずともよい。どうせあやつは手紙やお茶会などせぬだろうからの。これから始まる王太子妃教育を頑張ってほしい」
「はい、将来ルクレ様の隣に堂々と立てるように精進いたします!」
「イリスリア・・・・・・」
決意を秘めた強い眼差しに感動するルクレと満足そうに頷く王妃。
「良い決意じゃ。そんな2人に王妃としてではなく母として心を砕こう」
「しかし、もしライノールが何も事を起こさなかった場合どうするのですか?」
母親の言葉は信じるが突拍子もないことをするのがライノール。ルクレが不安になるのも致し方ない。
「その時はこちらで手を打つから安心しなさい。ふっふっふっ」
それから王妃の言葉通りルクレとイリスリアの手紙は王妃とシューメイの手紙の中に紛れ込ませやり取りをし、王太子妃教育の一環と名を打った王妃の部屋で行われるお茶会にルクレも参加する事で交流をしていった。
もちろんその間、ライノールからイリスリアに手紙や接触は学園に入学するまで一切無かった。
そして学園に入学すると同時に王妃が予測していた通りライノールは派手な女性関係を見せ、「自分は王太子になる身だ!」と豪語して回っていた。
大半の生徒は、イリスリアと婚約しているのにも関わらず女生徒とイチャコラするライノールに顔を顰めていたが、本人達は諌められる事が無かった為にそれは堂々と学園内で過ごしていた。
その結果が卒業パーティーでの婚約破棄騒動である。
ルクレとイリスリアは羊皮紙に書かれている内容に驚き、玉璽があることに更に驚く。玉璽があるという事はこれは国の決定事項であり誰にも侵されない約束事だからだ。
「5年後ライノールが学園に入ってから必ず女性問題をおこす。あやつは母親であるティファス殿にそっくりじゃからの。のうシューメイ」
「ええ、頭が足りてない辺りが特に」
ほほほほ・・・・・・と黒い笑いをする母親2人からどす黒いオーラが出ている事で、側妃も異性関係で色々やらかしているのだとルクレとイリスリアは察する。そして父上はよくそんな側妃を召し上げたものだとルクレは密かにため息をつく。
「既にあやつは勘違いして王子教育を疎かにしておるしの。ルクレ、そなたは王太子教育をしっかりこなすように」
「はい、母上」
「イリスリアはライノールに対して何もせずともよい。どうせあやつは手紙やお茶会などせぬだろうからの。これから始まる王太子妃教育を頑張ってほしい」
「はい、将来ルクレ様の隣に堂々と立てるように精進いたします!」
「イリスリア・・・・・・」
決意を秘めた強い眼差しに感動するルクレと満足そうに頷く王妃。
「良い決意じゃ。そんな2人に王妃としてではなく母として心を砕こう」
「しかし、もしライノールが何も事を起こさなかった場合どうするのですか?」
母親の言葉は信じるが突拍子もないことをするのがライノール。ルクレが不安になるのも致し方ない。
「その時はこちらで手を打つから安心しなさい。ふっふっふっ」
それから王妃の言葉通りルクレとイリスリアの手紙は王妃とシューメイの手紙の中に紛れ込ませやり取りをし、王太子妃教育の一環と名を打った王妃の部屋で行われるお茶会にルクレも参加する事で交流をしていった。
もちろんその間、ライノールからイリスリアに手紙や接触は学園に入学するまで一切無かった。
そして学園に入学すると同時に王妃が予測していた通りライノールは派手な女性関係を見せ、「自分は王太子になる身だ!」と豪語して回っていた。
大半の生徒は、イリスリアと婚約しているのにも関わらず女生徒とイチャコラするライノールに顔を顰めていたが、本人達は諌められる事が無かった為にそれは堂々と学園内で過ごしていた。
その結果が卒業パーティーでの婚約破棄騒動である。
194
あなたにおすすめの小説
王子の転落 ~僕が婚約破棄した公爵令嬢は優秀で人望もあった~
今川幸乃
恋愛
ベルガルド王国の王子カールにはアシュリーという婚約者がいた。
しかしカールは自分より有能で周囲の評判もよく、常に自分の先回りをして世話をしてくるアシュリーのことを嫉妬していた。
そんな時、カールはカミラという伯爵令嬢と出会う。
彼女と過ごす時間はアシュリーと一緒の時間と違って楽しく、気楽だった。
こんな日々が続けばいいのに、と思ったカールはアシュリーとの婚約破棄を宣言する。
しかしアシュリーはカールが思っていた以上に優秀で、家臣や貴族たちの人望も高かった。
そのため、婚約破棄後にカールは思った以上の非難にさらされることになる。
※王子視点多めの予定
「婚約破棄だ」と叫ぶ殿下、国の実務は私ですが大丈夫ですか?〜私は冷徹宰相補佐と幸せになります〜
万里戸千波
恋愛
公爵令嬢リリエンは卒業パーティーの最中、突然婚約者のジェラルド王子から婚約破棄を申し渡された
婚約破棄された令嬢が呆然としてる間に、周囲の人達が王子を論破してくれました
マーサ
恋愛
国王在位15年を祝うパーティの場で、第1王子であるアルベールから婚約破棄を宣告された侯爵令嬢オルタンス。
真意を問いただそうとした瞬間、隣国の王太子や第2王子、学友たちまでアルベールに反論し始め、オルタンスが一言も話さないまま事態は収束に向かっていく…。
その婚約破棄喜んで
空月 若葉
恋愛
婚約者のエスコートなしに卒業パーティーにいる私は不思議がられていた。けれどなんとなく気がついている人もこの中に何人かは居るだろう。
そして、私も知っている。これから私がどうなるのか。私の婚約者がどこにいるのか。知っているのはそれだけじゃないわ。私、知っているの。この世界の秘密を、ね。
注意…主人公がちょっと怖いかも(笑)
4話で完結します。短いです。の割に詰め込んだので、かなりめちゃくちゃで読みにくいかもしれません。もし改善できるところを見つけてくださった方がいれば、教えていただけると嬉しいです。
完結後、番外編を付け足しました。
カクヨムにも掲載しています。
突然、婚約破棄を言い渡された私は王子の病気を疑う【短編】
キョウキョウ
恋愛
卒業記念パーティーの最中、ディートリヒ王子から前触れもなく婚約破棄を告げられたオリヴィア。
彼女が最初に取った行動は婚約破棄を嘆くことでもなく、王子の近くに寄り添っている女性を責めることでもなく、医者を呼ぶことだった。
突然の心変わりに、王子の精神病を疑ったからだ。
婚約破棄に至る病、突然の心変わりは一つの病として知られていた。
捨てられたなら 〜婚約破棄された私に出来ること〜
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
長年の婚約者だった王太子殿下から婚約破棄を言い渡されたクリスティン。
彼女は婚約破棄を受け入れ、周りも処理に動き出します。
さて、どうなりますでしょうか……
別作品のボツネタ救済です(ヒロインの名前と設定のみ)。
突然のポイント数増加に驚いています。HOTランキングですか?
自分には縁のないものだと思っていたのでびっくりしました。
私の拙い作品をたくさんの方に読んでいただけて嬉しいです。
それに伴い、たくさんの方から感想をいただくようになりました。
ありがとうございます。
様々なご意見、真摯に受け止めさせていただきたいと思います。
ただ、皆様に楽しんでいただけたらと思いますので、中にはいただいたコメントを非公開とさせていただく場合がございます。
申し訳ありませんが、どうかご了承くださいませ。
もちろん、私は全て読ませていただきますし、削除はいたしません。
7/16 最終部がわかりにくいとのご指摘をいただき、訂正しました。
※この作品は小説家になろうさんでも公開しています。
【 完結 】「婚約破棄」されましたので、恥ずかしいから帰っても良いですか?
しずもり
恋愛
ミレーヌはガルド国のシルフィード公爵令嬢で、この国の第一王子アルフリートの婚約者だ。いや、もう元婚約者なのかも知れない。
王立学園の卒業パーティーが始まる寸前で『婚約破棄』を宣言されてしまったからだ。アルフリートの隣にはピンクの髪の美少女を寄り添わせて、宣言されたその言葉にミレーヌが悲しむ事は無かった。それよりも彼女の心を占めていた感情はー。
恥ずかしい。恥ずかしい。恥ずかしい!!
ミレーヌは恥ずかしかった。今すぐにでも気を失いたかった。
この国で、学園で、知っていなければならない、知っている筈のアレを、第一王子たちはいつ気付くのか。
孤軍奮闘のミレーヌと愉快な王子とお馬鹿さんたちのちょっと変わった断罪劇です。
なんちゃって異世界のお話です。
時代考証など皆無の緩い設定で、殆どを現代風の口調、言葉で書いています。
HOT2位 &人気ランキング 3位になりました。(2/24)
数ある作品の中で興味を持って下さりありがとうございました。
*国の名前をオレーヌからガルドに変更しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる