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皇太子は娶りたい2✳

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「俺のものになれフィリエル」

「・・・・・・!」

 欲情を孕む瞳に見つめられ息が止まる。

 いや、俺男!でもふたなりだって知らなかった時から抱きついてきたり頬に口づけしてきてたっけ・・・だとしても誕生日プレゼントがって・・・どっち⁉前⁉後ろ⁉いやいやいやいや、何ヤる前提で考えてるんだ俺!違うだろ!そういうのは好き同士でするもんじゃないのか⁉・・・あれ?さっきカル俺の事好きだって言ってなかったっけ?じゃあいいのか?って俺の気持ちはどうするんだよ!俺だってカルの事好きだよ?でも俺の好きとカルの好きは違う気がする・・・あー、もう分からないっ!!

 考えに答えを出せないまま固まっていると。不安気な表情に変わる。

「・・・フィリは俺のことキライ?」

「・・・キライじゃない」

「じゃあ好き?」

「好きだけどカルが言う好きとは違う気がする・・・」

 正直に気持ちを話すとふっと柔らかい笑みを浮かべぎゅっと抱きしめられる。肩口に頭を埋めぐりぐりとフィリ好きだと小さく呟くカルに少しキュンとしてしまう。

 いや待て、今俺の貞操が危機にひんしている。ほだされるな俺!

「な・・・なあカル、俺のどこがそんなにいいの?」

「何言ってるの。全部だよ全部。この長い白銀の髪に薄紫色の瞳、桃色の唇に細い首筋、透けそうなくらい柔らかい白い肌、ツンと立った可愛い乳首も好きだよ」

「んっ・・・やっ・・・カル・・・舐めないでっ・・・!」

 カルの手が優しく髪を撫で瞼、唇、首筋と確認しながら口づけを落としていきいつの間にか開けられたシャツから見えている突起を転がすように舌でねぶり吸う。
 カルの唇と舌が触れる気持ち良さについ声が出てしまう。

(しまった、やぶ蛇だった!)

 艶のある声に気を良くしたカルが胸から脇腹を撫で上げながら突起に舌をぐりぐりと押し付け刺激する。その強い刺激に体がビクビクと震え舌先に気持ち良さを伝えてしまい羞恥で赤くなってしまう。

「俺の舌で感じてくれて嬉しい・・・ああ、体がピンク色になってフィリ恥ずかしいの?可愛い」

「ふうっ・・・恥ずかしいから言うな」

「駄目だよフィリ、綺麗で可愛い顔を隠さないで」

 恥ずかしさのあまり顔を覆っているとその手を外されくいっと顎を上げ頬や口にちゅっちゅっと音を立てて唇を落とされる。そして反対側の手が胸から脇腹と下がっていきズボンの中に入っていく。

「あっ、ちょっ・・・駄目だって!」

 焦って抵抗するも下着ごとズボンを剥ぎ取られカルの細長い指が軽く立ち上がっていたそれをさわりと握りゆっくりと上下させる。
 その手は温かく段々と体積を増やしてしまう。意識しないようにすればするほど硬くなり出したくない声が出てしまう。

「やっ、だめ・・・んっ」

 何で自分でいじるより気持ち良いいんだ⁉カルの手が的確に擦ってくるから嫌でも声が出ちゃうじゃないかっ。
 流されちゃ駄目だって分かってるのに気持ち良すぎて拒否出来ない・・・んんっキスして乳首まで弄られてるっ・・・口の中カルの舌で犯されてくちゅくちゅと唾液が混じって感じちゃう。

 マズい、クる・・・きちゃう・・・

「んはっ、カル駄目っ、、、はぁっ・・・んっ・・・それ以上した・・・らっ・・・」

「ふっ、脈打って先走りの液が出てる。気持ちいいね。イッていいんだよ?」

「やっ、イく、イっちゃう・・・ンンッはぁっ!」

 腰に力が入り震えながら吐精する。体は汗ばみぐったりしてしまいカルの手で残りの精液を絞り出すように|こすり上げられているのを止められなくてビクビクと腰が浮いてしまう。
 そして気持ち良さの余韻の奥に疼くのを感じる。

「いっぱい出たね。フィリ可愛い。それにこっちもヒクついて可愛いね」

 そう言うとぬちりと女の部分に指を這わせる。

「やあっ!」

 今まで感じたことのない快感に背中を反らせてしまう。

 何これ、竿を擦られるより気持ちいい。でも駄目、駄目だ。

「カル、ホントそこは駄目」

「何で?フィリのここ俺の指をくわえたそうにヒクついて中からとろとろに蜜を溢れさせてるけど?」

 ちょっと、いやらしい言葉で耳を犯さないでほしい。それだけでそこがジンジンしてさらに蜜がとろりと出てくるのが分かるから!きゅうって切なくなってるけどやっぱり無理!まだカルに向ける好きが同じじゃないから。

「・・・でも駄目だ。そこはカルと同じ好きになったら受け入れるから・・・お願い、今は駄目」

 いつの間にか涙が流れていた俺の瞳を見てぐっと喉を鳴らし

「じゃあ俺と同じ気持ちになったらその時女の子の初めてをちょうだい。今日は男の子の初めてを貰うから。いいよね?」

「えっ?」

「だって俺の誕生日だよ?女の子が駄目なら男の子でしょ。本当は両方貰うつもりだったけど譲歩してるんだよ?」

 えーっ、そういう事?挿れる気満々だったんだ。うん、最初の段階で気づいてたけど。

「俺の事キライじゃないでしょ?」

「・・・うん、(友達として)好き」

「じゃあ問題ないよね?大丈夫、痛くないようによくほぐすから」

 何か丸め込まれた気がするんだけど・・・やっぱり違くない?って裸になるの早っ!・・・カルのやつ相変わらずいい体してるな。細めなのにバランス良く筋肉が付いていて色気が半端ない・・・それに既に臨・戦・態・勢!アレ本当に挿れる気?デカすぎて入る気しないんだけど・・・

 脱いでベッドに膝立ちし髪をかき上げ俺を見下ろすカルはいつものクールな雰囲気とは違い瞳と同じ熱を帯びている。
 その姿に引きつつも先ほど下半身を弄られ疼いている体が熱く期待をしてしまっている。

「フィリエル、大好きだよ」

 優しい声色こわいろとは真逆のむさぼるような口づけにされるがままになってしまう。
 ねじ込まれた舌が歯列をなぞり舌に絡ませ吸い上げるさまはどこまでも俺を求める気持ちが溢れていて胸の奥がきゅっとなってしまう。

「ん・・・フィリ・・・はっ・・・」

「カルっ・・・あっっ!」

 絡み合う口づけに夢中になっているといつの間にか硬さを取り戻した俺とカルの怒張を一緒に握られ軽くひねりながら擦られる。
 その行為に恥ずかしさと気持ち良さが混じり逃げようとするも体が重なっていて動けない。

「やっ・・・んっ・・・恥ずかしっ・・・やめっ・・・」

「ふぅっ・・・はあ・・・フィリ一緒にイこ・・・ンッ」

「・・・はぁん・・・やだっ・・・イくっ・・・イっちゃう!ああっ!」

 段々と早くなる動きとカルの切ない声に余計感じてしまいこみ上げてくる快感に抗えず同時に吐精し吐き出された精液が俺の胸と腹を濡らす。二度目の吐精に体に力が入らない。
 軽く息を切らしたカルがぐったりしている体をぎゅっと抱きしめ下唇をむ。

「んんっ・・・」

「ふう・・・はあ・・・気持ち良かったね」

 微笑みながら汗で頬に貼りついた髪をき撫で

「フィリの可愛い顔が俺をここに入れたらどんな顔になるのかな」

 そう言って後ろのひだに指をあてがわれるとぞわりとしてビクッと反応してしまう。

「ふっ、フィリのここ女の子のとこから溢れた蜜でぬるぬるになってるよ。ああ、感じてきちゃったのかな?ヒクついてきたよ。可愛い」

 カルが嬉しそうに指を動かし蜜を絡ませるように襞をほぐしていき快感を引き出していく。女の子の部分とは違う疼きに戸惑いと羞恥がこみ上げてる。

「恥ずかしがってるフィリは可愛いなぁ。でもいやらしいとろ顔も見てみたい」

「ひうっ!」

 柔らかくなった襞をかき分けずくりと指を入れられぐったりしていた体がその感触に反ってしまい中で動かされる度に高い声が出る。

「うん、狭いね。フィリ、力を抜いて。ゆっくり馴らしてあげるから」

「あ・・・あっ・・・ひゃん!乳首舐めないでっ・・・!」

 ふわぁっ・・・ぬちぬちとかき混ぜるいやらしい音が中を疼かせちゃう・・・あんっ、乳首も舐められたらおかしくなるっ。やだっ!二本になってるっ・・・ひっ、三本はダメっ苦しいっ・・・!

 背中を反らし入れた指の苦しさを逃そうと口をはくはくさせるが執拗にねぶられる乳首の快感に体がビクビクしてしまう。

「苦しい?でもきちんと中も解さないと挿れた時に辛くなっちゃうからね」

「うう・・・はっ・・・ん・・・ああッ!」

「ここがフィリのイイとこ?一回イっとこうか」

 敏感な所を探し当てられ中指の腹で刺激を与えられ叫声きょうせいをあげ簡単に指を締めつけ果ててしまいその姿にカルの瞳の情欲が濃くなる。

「あっさりイっちゃうなんていやらしい体だね。イってとろけた顔も可愛いよ」

 未だにうごめいている中からずるりと指を一気に抜かれそれだけで声が出る。快感に震えている俺の頬にキスをし耳元で囁かれる。

「フィリエルの初めてを貰うよ」

 再度張りつめた怒張の先に垂れてきた蜜を塗りつけ襞に宛てがい二三度擦りつけゆっくりと中へ挿れていく。指と比べものにならないくらいの圧迫感に息が出来なくなってしまう。

「ぐっ・・・キツ・・・フィリほら息をして」

 頭を抱え口づけをされやっと息を吐き出す。
 落ち着かせるように頭を撫でられ安心感で力が抜けた瞬間、一気に奥まで穿つらぬかれ腰から頭の先まで弓なりに反って生理的な涙が流れる。あまりの刺激と存在感に声も出せずにいる俺を抱きしめているカルの息を吐く音ですら感じて震える。

「大丈夫、馴染むまでこのままでいるから。フィリの中温かくて吸い付いてくる・・・気持ちいい・・・」

 間近で見せる恍惚とした表情が破壊力抜群で腹に力が入ってしまい中を締めつけカルのくぐもった呻きが聞こえる。

「ううっ・・・締めつけがヤバい、出しそうになる・・・ハァ、、、は~~~うん、よし。動くよ覚悟してね」

「えっ、あああっっ・・・・・・!」

 馴染ませていた怒張を入口まで引き抜き勢いよく最奥までバチュンと突き上げる。

それが俺がイキ狂い果てるまで続く合図だった。

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