聖獣に転生した僕は推しの悪役令嬢を幸せに導く〜ヒロインなんてやっつけちゃうもんね〜

ネコフク

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1、ホームで押されて気づいたら手先に肉球

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 ぎゅうぎゅうコミコミ

 僕が利用する駅のホームは通勤・通学ラッシュで朝は激混みだ。一歩間違えると逆の人の流れに流され危うく反対方向へ向かう電車に押し込まれそうになる。

 しかし今日はラッキーな事に両方の電車が発車した直後だったらしく、一番前の黄色い線がある所で電車待ちができた。
 よっしゃよっしゃとスマホをポチポチアプリを立ち上げる。

 スマホ画面は今ハマっている乙女ゲームの『スイートラバーズ~甘い甘い恋人達~』のデータ画面。

 おっと、男子が乙女ゲームってキモって思うなかれ。作ったヤツ頭沸いてんのかっていう題名だけど、絵が今をときめく神絵師が描いてるんだよね。

 ゲーム内容も攻略対象がヒロインにゲロ甘なセリフを吐きまくるクソな内容で、簡単にハーレムを作れるくらいクソチョロインばっかなんだけど、絵が良いんだよね~。

 え、はい、神絵師ファンですが何か?

 ゲーム評価も「キャラクターだけ神」「スチルの多さでもカバーしきれない内容」「神絵師の無駄使い」ばっかだし。

 ホントキャラクターだけは尊いのよ。その中でも僕のお気に入りは悪役令嬢のアリアーナ。黒い長い髪をかき上げながらの流し目スチルはサイコーです。悪役令嬢を動かして攻略したかった(切実)

 データをロードし昨日ゲットしたスチルを確認していると僕がいるホームに人が溢れてきた。都市部に近いここは駅の割に利用者が多く、夏場は外気と人の熱でとんでもない状態になるんだよね。今も後ろから押され黄色い線を超えないように踏ん張ってるとこだ。

 しかし電車到着の音楽が流れ気を抜いたのが悪かった。来た電車に乗りっぱぐれないように動いた人の波の衝撃で僕はポンと前に勢いよく飛び出してしまった。
 まあいつもなら飛び出してもホーム柵があるから大丈夫なんだけど、たまたまいたとこの柵の扉が故障していて開いた状態だった。危険だからって両脇に駅員さんがいたんだけど急すぎて反応が遅れた駅員さんの手は僕を捕まえられなかった。

 そう、最後に見たのは電車のライトの光だった。










 うう~ん

 ふにふに

 ふわぁ・・・・・・あったかい

 ふにふに

 あれ?僕何してたんだっけ?

 ふにふに

 んん~???さっきまで駅のホームにいた気がするんだけどな・・・・・・

 ふにふに

 そうそう後ろから押されてポーンでドーン・・・・・・ドーンしたっけ?

 ふにふに

 あれ?助かった?

 ふにふに

 ふえっ?さっきから顔に柔らかい感触が・・・・・・

 ふにふに

 だから何!?って犬っぽいのに顔踏まれてるーーー!?

『やっと起きたか』

『わー!犬がしゃべってる!!』

『犬ちげーし』

 いやどう見ても犬でしょ!金色の毛や目が赤いのは珍しいけどくりくりお目目のきゃわわな子犬様ですよあなた!

『あらあ混乱してるのかしら』

『ふむ。落ち着け息子よ』

『ムスコ?』

 知ってる言葉なのに理解出来なくて振り返ると優しそうな顔立ちの大きな犬とキリリとした大きな犬がいた。

『はにょー!!デケェ!そして犬がしゃべってるーーー!!』

 慌てて手をパタパタすると視界に黒いモコっとしたものが見える。

『はにょっ?』

 恐る恐る右手を挙げるとその黒いものも上に。左手を挙げると左の黒いものが上に。先っちょにはピンクのぷにっとしたものが。・・・・・・あれ?これ肉球じゃない?

『はにょにょ?』

 待って、待って!これ僕の手!?毛深っ。じゃなくてなんか僕今人じゃない気がするーーーーー!?
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