28 / 29
二十七話
聖夜祭の事件が話題に上がる事も無くなり、アリサも修道院へと送られたとある日。クエスフィールは王族の居住エリアにあるミハエルの部屋へと来ていた。
明るい青と白で統一された部屋は重厚感や豪奢からはかけ離れ、王族らしからぬ機能性を重視した造りになっている。
同性なので問題はないと侍従を締め出し、部屋にはクエスフィールとミハエルのみ。用意された紅茶とお菓子を挟み互いに貴族らしからぬ体勢でどっかりとソファーへ身を沈めている。
「ふあ~自分の部屋でしかダレられないのつらぁ・・・」
「仕方ないでしょ。今は王子様だからね」
クエスフィール以外部屋にいないのをいい事に、ミハエルはソファーに横になりながら菓子を口へ放り込む。王族として公私共に四六時中人の目にさらされるのは仕方ない。だからこそ超プライベートゾーンは好きにしていいとミハエルは思っている。
それを知っているからクエスフィールも何も言わない。というか同じゴロ寝スタイルである。
「やっと面倒な事も終わったし、これからはあーたんとイチャイチャするだけの世界・・・・・・」
「どんな世界なのさ。おい、何を持ち上げるシミュレーションしてるんだよ。お前転生してもエロいのな」
「はあ~?男はみんなエロいんですぅ!」
「ホント見た目詐欺は変わんないよね。エロ伸二」
「優だって見た目チャラいのにコミュ障のガリ勉とか詐欺だったじゃん。俺瓶底メガネかけてるヤツ初めて見たし」
「だから普段はコンタクトだったじゃん」
ぷっくりと頬を膨らますクエスフィールとガハハと歯を見せ笑うミハエルをマナー講師が見たら卒倒してしまうだろう。
「いやぁ結局アリサ俺と優の事気づかなかったな」
「あれだけ前世でストーキングしてたのにね」
「うへぇ、思い出させんなよ」
身震いし大げさに両腕を擦るミハエルに苦笑する。
たまたま行った映画館で逆ナンされ、映画を観ている時にも話しかけてきてあまりの煩さに誰か呼んだのか従業員に引きずって強制退去。更に家まで特定しようとつけられる。毎回撒いて逃げて家までは特定されなかったけど、かなりの間周りをうろちょろされて迷惑していた。
バレンタインの時も押し付けられた手作りチョコなんて怖すぎて捨てる一択。
半年過ぎた辺りからパタリと見なくなったと思っていたら、ミハエルとクエスフィールの声をあてていた声優に過剰な接触や家に乗り込もうとして、逮捕されたニュースをネットで見かけた時はガッツポーズをしたなぁ、とクエスフィールは他人事のように思い出すが、当時は神経をすり減らす日々だった。
「でもアイツ思ってたよりミハエルとクエスフィールに執着してなかったな」
「最終的に自分のものになるって思ってたからじゃない?」
「大してストーリー通りに動いてないのに?」
「強制力があると思ってたとか」
無いのに気付かなくてこっちは助かったけどなーとクッキーを上に放り投げ口でキャッチし、サクサク食べるミハエルを見てクエスフィールも同じくして食べる。
この会話で分かっただろう。ミハエルもクエスフィールとアリサと同じ転生者なのである。
明るい青と白で統一された部屋は重厚感や豪奢からはかけ離れ、王族らしからぬ機能性を重視した造りになっている。
同性なので問題はないと侍従を締め出し、部屋にはクエスフィールとミハエルのみ。用意された紅茶とお菓子を挟み互いに貴族らしからぬ体勢でどっかりとソファーへ身を沈めている。
「ふあ~自分の部屋でしかダレられないのつらぁ・・・」
「仕方ないでしょ。今は王子様だからね」
クエスフィール以外部屋にいないのをいい事に、ミハエルはソファーに横になりながら菓子を口へ放り込む。王族として公私共に四六時中人の目にさらされるのは仕方ない。だからこそ超プライベートゾーンは好きにしていいとミハエルは思っている。
それを知っているからクエスフィールも何も言わない。というか同じゴロ寝スタイルである。
「やっと面倒な事も終わったし、これからはあーたんとイチャイチャするだけの世界・・・・・・」
「どんな世界なのさ。おい、何を持ち上げるシミュレーションしてるんだよ。お前転生してもエロいのな」
「はあ~?男はみんなエロいんですぅ!」
「ホント見た目詐欺は変わんないよね。エロ伸二」
「優だって見た目チャラいのにコミュ障のガリ勉とか詐欺だったじゃん。俺瓶底メガネかけてるヤツ初めて見たし」
「だから普段はコンタクトだったじゃん」
ぷっくりと頬を膨らますクエスフィールとガハハと歯を見せ笑うミハエルをマナー講師が見たら卒倒してしまうだろう。
「いやぁ結局アリサ俺と優の事気づかなかったな」
「あれだけ前世でストーキングしてたのにね」
「うへぇ、思い出させんなよ」
身震いし大げさに両腕を擦るミハエルに苦笑する。
たまたま行った映画館で逆ナンされ、映画を観ている時にも話しかけてきてあまりの煩さに誰か呼んだのか従業員に引きずって強制退去。更に家まで特定しようとつけられる。毎回撒いて逃げて家までは特定されなかったけど、かなりの間周りをうろちょろされて迷惑していた。
バレンタインの時も押し付けられた手作りチョコなんて怖すぎて捨てる一択。
半年過ぎた辺りからパタリと見なくなったと思っていたら、ミハエルとクエスフィールの声をあてていた声優に過剰な接触や家に乗り込もうとして、逮捕されたニュースをネットで見かけた時はガッツポーズをしたなぁ、とクエスフィールは他人事のように思い出すが、当時は神経をすり減らす日々だった。
「でもアイツ思ってたよりミハエルとクエスフィールに執着してなかったな」
「最終的に自分のものになるって思ってたからじゃない?」
「大してストーリー通りに動いてないのに?」
「強制力があると思ってたとか」
無いのに気付かなくてこっちは助かったけどなーとクッキーを上に放り投げ口でキャッチし、サクサク食べるミハエルを見てクエスフィールも同じくして食べる。
この会話で分かっただろう。ミハエルもクエスフィールとアリサと同じ転生者なのである。
あなたにおすすめの小説
【完結】うちの悪役令嬢はヒロインよりも愛らしい
らんか
恋愛
前世の記憶を思い出した今なら分かる。
ヒロインだからって、簡単に王子様を手に入れていいの?
婚約者である悪役令嬢は、幼い頃から王子妃になる為に、厳しい淑女教育を受けて、頑張ってきたのに。
そりゃ、高圧的な態度を取る悪役令嬢も悪いけど、断罪するほどの事はしていないでしょ。
しかも、孤独な悪役令嬢である彼女を誰も助けようとしない。
だから私は悪役令嬢の味方なると決めた。
ゲームのあらすじ無視ちゃいますが、問題ないよね?
【短編】『待つ女』をやめたら、『追われる女』になりました
あまぞらりゅう
恋愛
婚約者の王太子を、いつも待ち続けてきたシャルロッテ侯爵令嬢。
だがある日、彼女は知ってしまう。彼には本命の恋人がいて、自分のことを都合よく放置していただけなのだと。
彼女が待つのをやめた瞬間、追ってきたのは隣国の皇太子だった。
※覚えやすさや分かりやすさを重視しているので、登場人物の名前は「キャラクター名+身分表記」にしています
★小説家になろう2026/1/29日間総合8位異世界恋愛7位
★他サイト様にも投稿しています!
「貧相な小娘」と罵った第一王子へ。番(つがい)は貴方ではなく、国王陛下(お父様)でした
しえろ あい
恋愛
「お父様、わたくし、あの方と目が合った瞬間、分かってしまったのです」
十六歳のデビュタントの夜、ルーセント侯爵令嬢フェリシアを待っていたのは、残酷な罵倒だった。第一王子カシウスは、可憐な白いドレスを纏った彼女を「貧相な小娘」と呼び、己の番(つがい)であることを真っ向から否定する。
会場に響く冷笑と、愛用の刺繍に込めた自信さえ打ち砕くような屈辱。しかし、絶望の淵に立たされた彼女を見つめていたのは、王子ではなく、圧倒的な威厳を放つ「ある男」だった。
魂を焦がすような熱い視線が重なり、静まり返る謁見の間。この出会いが、王室を揺るがす大事件の幕開けになるとは、まだ誰も知らない。自身の価値を否定された少女が、真実の愛によって世界で最も幸福な王妃へと駆け上がる、逆転溺愛ストーリー。
※小説家になろう様にも投稿しています※
「退屈な女だ」と婚約破棄されたので去りましたが、翌日から国政が止まったそうです。え、私はもう存じませんけど?
にたまご
恋愛
公爵令嬢クラーラは、ユリウス王太子殿下に婚約を破棄された。
「退屈な女だ」「何の取り柄もない」と。
否定はしない。
けれど殿下が知らないだけで、通商条約も予算案も外交書簡も、この国の政務の大半を六年間匿名で回していたのは──この「退屈な女」だ。
婚約破棄の翌朝、宰相補佐官のレオンが焼き菓子と四十二件の緊急報告を携えて公爵邸を訪れる。
「貴女がいなくなった王宮は、控えめに申し上げて、地獄です」
──存じません。私はもう、ただの無職ですので。
【完結】意思という名の番(つがい)
しえろ あい
恋愛
公爵令嬢アンジェリカは、婚約者・王太子アルベルトの政務を裏で完璧に代行する「影の統治者」。
本能的な「番(つがい)」に溺れ、自分を「冷たい人形」と蔑む王太子に対し、アンジェリカは政権奪取の機を伺い始める。
第二王子レオナルドと密かな想いを通じあわせたことをきっかけに、知略と執着で愚かな王太子を破滅へと追い込む計画が動き出す。
神の定めた宿命を、人の意志でねじ伏せ、真の玉座を掌握する、残酷で美しい共謀劇。
※小説家になろう様でも投稿しています
離婚寸前で人生をやり直したら、冷徹だったはずの夫が私を溺愛し始めています
腐ったバナナ
恋愛
侯爵夫人セシルは、冷徹な夫アークライトとの愛のない契約結婚に疲れ果て、離婚を決意した矢先に孤独な死を迎えた。
「もしやり直せるなら、二度と愛のない人生は選ばない」
そう願って目覚めると、そこは結婚直前の18歳の自分だった!
今世こそ平穏な人生を歩もうとするセシルだったが、なぜか夫の「感情の色」が見えるようになった。
冷徹だと思っていた夫の無表情の下に、深い孤独と不器用で一途な愛が隠されていたことを知る。
彼の愛をすべて誤解していたと気づいたセシルは、今度こそ彼の愛を掴むと決意。積極的に寄り添い、感情をぶつけると――
嫌いなところが多すぎるなら婚約を破棄しましょう
天宮有
恋愛
伯爵令嬢の私ミリスは、婚約者ジノザに蔑まれていた。
侯爵令息のジノザは学園で「嫌いなところが多すぎる」と私を見下してくる。
そして「婚約を破棄したい」と言ったから、私は賛同することにした。
どうやらジノザは公爵令嬢と婚約して、貶めた私を愛人にするつもりでいたらしい。
そのために学園での評判を下げてきたようだけど、私はマルク王子と婚約が決まる。
楽しい日々を過ごしていると、ジノザは「婚約破棄を後悔している」と言い出した。
【完結】ご安心を、2度とその手を求める事はありません
ポチ
恋愛
大好きな婚約者様。 ‘’愛してる‘’ その言葉私の宝物だった。例え貴方の気持ちが私から離れたとしても。お飾りの妻になるかもしれないとしても・・・
それでも、私は貴方を想っていたい。 独り過ごす刻もそれだけで幸せを感じられた。たった一つの希望