知らぬはヒロインだけ

ネコフク

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二十一話

 頭を鷲掴みにされた状態のミハエルを引きずり3人は、会場を出て護衛と共に生徒会室へ。

 生徒会室へ着くと、馬車で待機していた4人の侍従とメイドが既にいて紅茶の用意をして待っていた。彼らはパーティーの騒動を聞き、4人が生徒会室ここへ来るのを見越して用意をしていた出来る人達である。

 ソファーに座った4人の前にお茶が置かれ、侍従やメイドが壁際に待機したのを確認し、クエスフィールが遮断の魔法を自分達を囲うように展開する。声だけではなく口の動きで会話が分からないよう半透明になっている優れもの。一々優秀な男である。

「ホント周りに王子のイメージを壊す言動しないでよ。本性(エロ王子)がバレるとこだったから!」

「わりぃ。あーちゃんのおっぱいの魅力には抗えなくて」

「いや、やりたかっただけだよね?つーか、その手つきヤメロ」

 エアパフパフするミハエルを半目で見るクエスフィールは、パーティー会場で衆目を集めたアラベラに憐憫の思いを向ける。
 性的な接触をおおやけに晒す事を良しとしないお国柄なのにミハエルの行動はアウトである。「皆んなの前でこんな事されたらお嫁に行けないから結婚して!」と騒がれても仕方ない案件だ。まあアラベラは婚約者だしいいのかもしれないが。

「ごめんねあーちゃん。嫌だった?」

「・・・・・・いえ、あんな場所でされたので頭が真っ白になっただけで・・・・・・」

「じゃあ2人きりの時に(パフパフ)」

「(ぽっ)」

「だからその手つきヤメロ、エロ王子」

 エロ親父ばりに鼻の下を伸ばすミハエルのこめかみをぐりぐりして止めさせ、本題に入る。

「先ほどの騒動の原因なんだけど、あれ違法魔法香水だね」

「違法魔法香水?」

 クエスフィールが言う聞き慣れない言葉にシスティアが首を傾げる。

「そう違法魔法香水。鎮静や安静などの医療魔法香と違って魅了チャームの魔法がかかっている香水なんだ。10年ほど前に販売禁止になって回収されたはずなんだけど、闇市かモグリから買ったか隠し持っていたか・・・・・・所持していただけでも何かしらの罰はあるし、今回使用してたから厳罰に処されるだろね。しかも王族に使用したから余計にかな」

 今回アリサが使った香水は乙女ゲームで言う課金アイテムであり、ゲームでは使用すると攻略対象者の好感度がアップするというアイテムだ。それを知っていてアリサは使ったのだろう。

 クエスフィールが前世を思い出して真っ先にしたのは、学園に入学する前に起こりうるフラグ折りと、課金アイテムの有無だ。

 課金アイテムは本人の意思関係無くヒロインに好感を持ってしまう恐れがある為、システィアとのキャッキャウフフの未来を実現させる為にも、クエスフィールはそれはもう念入りに調べたのだ。

そうして存在が確認されたのが魔法マジックパウダーと魔法香水だった。
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