11 / 23
番外編(王子側視点)
花畑に現実を
しおりを挟む
学園に入学するまであと数年、サリエルは確実に令嬢達の勢いにブルーベリータルトのように飛ばされるマユリカと脳内花畑の令嬢の突撃遭う自分の為に、自分付きの侍従に下位貴族の令嬢中心に花畑候補のリストアップを指示。そうすると思った以上の候補が上がってきて慄く。
そもそも王族との婚姻は他国の王族か高位貴族が主。
マナーや他国の言語など幅広い知識を幼い頃から教育されている高位貴族と違い、下位貴族は学園に入る程度の教育しかされないからだ。
マナーに到っては下位貴族は最低限、高位貴族とでは所作や作法も違うので下位貴族が王子妃になるにはかなりの努力を強いられる事になる。高位貴族の令嬢が10年以上かけてするものを数年でマスターしないといけないのだ。
それを頭に花を咲かせている令嬢達は分かっていない。
王子妃になればドレスや宝石を買い漁り綺羅びやかな夜会で踊ったり、茶会で紅茶を飲みホホホと笑って優雅に生活できると思っているのだろうが、実際はブラック企業ばりの仕事が待っているし、茶会は情報交換の場にして頭脳戦を繰り広げ、笑顔で蹴落し合いをする所。実態を見たらなりたいなど思わないだろう。
その実情を知らないのと、流行りのロマンス小説の影響で花畑が咲き誇る令嬢がワラワラと増殖しているとリストアップしたものにメモが添えられていた。なんとも優秀な侍従である。
「さて、どうしたものか・・・・・・」
花畑を令嬢ごと燃やしてしまいたいが、人数が多すぎる。
少人数ならするのかと言えばやりたいのは山々だけどさすがに王族でも隠蔽は難しいだろう。
「・・・・・・いっそのこと全員修道院にブチ込むか?」
「人数が多すぎて無理かと。それにご令嬢達はまだ何もなさってはおりません」
「ちぇーっ」
人数の多さもそうだが修道院へ送致するような事をしていない令嬢を「お前んとこの娘無謀な夢見てるから修道院に送るわ」などの横暴は王族だからといって許されるわけではない。
後に止めなければサリエル王子は行動に移していただろうと侍従は語る。
仕方ないのでサリエルは兄王子のティリエルとその婚約者のミレーヌに相談する事に。
「ほほう、花畑令嬢を前もって殲滅したいと」
「ティリエル様言葉が過ぎますわよ」
「いやミレーヌ、アレは燃やしてしまった方が世のためだぞ」
「せめて正座をさせて足の上に重い石を乗せるくらいにして下さいませ」
2人に時間を取ってもらい花畑リストを見せるとさすが兄弟、同じ事を言い出し後ろに控えていた侍従は身震いをする。ミレーヌの全く軽くない「せめて」にも花畑令嬢に対する静かな怒りが伺え、余程腹に据えかねているのが分かる。
「数人なら圧力をかけて入学を遅らせる事も出来るんですが・・・・・・このままだとマユリカが物理的にペッとされてしまいます」
「確かにあの手の令嬢の押し退ける力は強いからな」
「あの子見た目と違っておっとりぽやぽやしてますものね」
「体幹を鍛えさせるか」
「王宮で護身術を習っていますので体幹には問題ございませんわ」
結局現実的に行こうという事で下位貴族へ向け王宮から第二王子は侯爵家へ臣籍降婿し、婚姻と同時に王位継承権を放棄すると公示をした。
これで大半の令嬢の脳内に咲いていた花畑は枯れ、まだ少し希望を持つ者はいるものの皆ゆっくりとだが現実を見るようになっていく。
ただ数人現実を見ず夢から帰って来ない令嬢に関してはこれはマズいと感じた家が自主的に花畑令嬢預かり所、通称『花園』と呼ばれる修道院へ入れたという報告を侍従から聞き、サリエルはひとまず様子見をする事に。
花畑候補の話が落ち着いた頃、マユリカにこっそり付けている影からマユリカが平民の娘を調査し、監視していると報告を受けるのだった。
そもそも王族との婚姻は他国の王族か高位貴族が主。
マナーや他国の言語など幅広い知識を幼い頃から教育されている高位貴族と違い、下位貴族は学園に入る程度の教育しかされないからだ。
マナーに到っては下位貴族は最低限、高位貴族とでは所作や作法も違うので下位貴族が王子妃になるにはかなりの努力を強いられる事になる。高位貴族の令嬢が10年以上かけてするものを数年でマスターしないといけないのだ。
それを頭に花を咲かせている令嬢達は分かっていない。
王子妃になればドレスや宝石を買い漁り綺羅びやかな夜会で踊ったり、茶会で紅茶を飲みホホホと笑って優雅に生活できると思っているのだろうが、実際はブラック企業ばりの仕事が待っているし、茶会は情報交換の場にして頭脳戦を繰り広げ、笑顔で蹴落し合いをする所。実態を見たらなりたいなど思わないだろう。
その実情を知らないのと、流行りのロマンス小説の影響で花畑が咲き誇る令嬢がワラワラと増殖しているとリストアップしたものにメモが添えられていた。なんとも優秀な侍従である。
「さて、どうしたものか・・・・・・」
花畑を令嬢ごと燃やしてしまいたいが、人数が多すぎる。
少人数ならするのかと言えばやりたいのは山々だけどさすがに王族でも隠蔽は難しいだろう。
「・・・・・・いっそのこと全員修道院にブチ込むか?」
「人数が多すぎて無理かと。それにご令嬢達はまだ何もなさってはおりません」
「ちぇーっ」
人数の多さもそうだが修道院へ送致するような事をしていない令嬢を「お前んとこの娘無謀な夢見てるから修道院に送るわ」などの横暴は王族だからといって許されるわけではない。
後に止めなければサリエル王子は行動に移していただろうと侍従は語る。
仕方ないのでサリエルは兄王子のティリエルとその婚約者のミレーヌに相談する事に。
「ほほう、花畑令嬢を前もって殲滅したいと」
「ティリエル様言葉が過ぎますわよ」
「いやミレーヌ、アレは燃やしてしまった方が世のためだぞ」
「せめて正座をさせて足の上に重い石を乗せるくらいにして下さいませ」
2人に時間を取ってもらい花畑リストを見せるとさすが兄弟、同じ事を言い出し後ろに控えていた侍従は身震いをする。ミレーヌの全く軽くない「せめて」にも花畑令嬢に対する静かな怒りが伺え、余程腹に据えかねているのが分かる。
「数人なら圧力をかけて入学を遅らせる事も出来るんですが・・・・・・このままだとマユリカが物理的にペッとされてしまいます」
「確かにあの手の令嬢の押し退ける力は強いからな」
「あの子見た目と違っておっとりぽやぽやしてますものね」
「体幹を鍛えさせるか」
「王宮で護身術を習っていますので体幹には問題ございませんわ」
結局現実的に行こうという事で下位貴族へ向け王宮から第二王子は侯爵家へ臣籍降婿し、婚姻と同時に王位継承権を放棄すると公示をした。
これで大半の令嬢の脳内に咲いていた花畑は枯れ、まだ少し希望を持つ者はいるものの皆ゆっくりとだが現実を見るようになっていく。
ただ数人現実を見ず夢から帰って来ない令嬢に関してはこれはマズいと感じた家が自主的に花畑令嬢預かり所、通称『花園』と呼ばれる修道院へ入れたという報告を侍従から聞き、サリエルはひとまず様子見をする事に。
花畑候補の話が落ち着いた頃、マユリカにこっそり付けている影からマユリカが平民の娘を調査し、監視していると報告を受けるのだった。
628
あなたにおすすめの小説
遊び人の令嬢が目を付けたのは、私の真面目な婚約者でした
おいどん
恋愛
子爵家の令嬢エリーネと伯爵家の次男のノルトが婚約を結んだのは、半年前だった。
真面目で優秀なノルトに相応しい婚約者であろうとするものの、エリーネには自信がなかった。
ある日、遊び人と噂の令嬢べルティーナとノルトが共にいるところを見てしまう。
「真面目クンは壁さえ破っちゃえばこっちのもんだからね〜」
「きっと、彼女の美しさに嫉妬しているのだわ…」
「…今度は、ちゃんと言葉にするから」
この肌に傷をつけた罪、許しません 〜見捨てられた公爵令嬢は、美貌という最強の武器で愛と地位を取り戻す〜
恋せよ恋
恋愛
化粧品研究員の中田ひより(29歳)は、女神の願いを聞き入れ
不慮の事故で公爵令嬢ルクレツィアに転生する。
目覚めた瞬間、待っていたのは冤罪による断罪。
そして、側近に突き飛ばされ肌を傷つけられるという屈辱だった。
「この至宝の肌に傷をつけた罪、高くつきますわよ?」
義弟や王子・側近たちによる理不尽な仕打ちを踏み台に
この世界に存在しない究極の美容液を自作し、自分を磨き上げる。
ひと月後の夜会。ルクレツィアが、発光するほどの美貌で現れたとき、
色ボケ男たちの後悔が始まる――。
彼女を軽んじた男を美貌で絶望させる、美容令嬢の華麗なる逆襲劇!
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
死に物狂いで支えた公爵家から捨てられたので、回帰後は全財産を盗んで消えてあげます 〜今さら「戻れ」と言われても、私は隣国の皇太子妃ですので〜
しょくぱん
恋愛
「お前のような無能、我が公爵家の恥だ!」
公爵家の長女エルゼは、放蕩者の父や無能な弟に代わり、寝る間も惜しんで領地経営と外交を支えてきた。しかし家族は彼女の功績を奪った挙句、政治犯の濡れ衣を着せて彼女を処刑した。
死の間際、エルゼは誓う。 「もし次があるのなら――二度と、あいつらのために働かない」
目覚めると、そこは処刑の二年前。 再び「仕事」を押し付けようとする厚顔無恥な家族に対し、エルゼは優雅に微笑んだ。
「ええ、承知いたしました。ただし、これからは**『代金』**をいただきますわ」
隠し金庫の鍵、領地の権利書、優秀な人材、そして莫大な隠し資産――。 エルゼは公爵家のすべてを自分名義に書き換え、着々と「もぬけの殻」にしていく。
そんな彼女の前に、隣国の冷徹な皇太子シオンが現れ、驚くべき提案を持ちかけてきて……?
「君のような恐ろしい女性を、独り占めしたくなった」
資産を奪い尽くして亡命した令嬢と、彼女を溺愛する皇太子。 一方、すべてを失った公爵家が泣きついてくるが、もう遅い。 あなたの家の金庫も、土地も、働く人間も――すべて私のものですから。
婚約破棄されたので公爵令嬢やめます〜私を見下した殿下と元婚約者が膝をつく頃、愛を囁くのは冷酷公爵でした〜
nacat
恋愛
婚約者に裏切られ、蔑まれ、全てを失った公爵令嬢リリアナ。
「あなたのような女、誰が愛すると?」そう言い放った王太子と元友人に嘲られても、彼女は涙を見せなかった。
だが、冷たく美しい隣国の公爵セドリックと出会った瞬間、運命は静かに動き出す。
冷酷と噂された男の腕のなかで、彼女は再び自分を取り戻していく。
そして――彼女を捨てた者たちは、彼女の眩い幸福の前に膝をつく。
「これは、ざまぁを通り越して愛された令嬢の物語。」
◆◆◆浪費家呼ばわりされた宮廷調香師ですが、私の香りを理解してくれる方と歩みます◆◆◆
ささい
恋愛
婚約者のジュリアンは、私の仕事を一度も認めてくれなかった。
「高価な香料ばかり使う浪費家」「誰にでも代わりが務まる仕事」――四年間、蔑まれ続けた。
でも、私の作る香りは王妃陛下や兵士たち、貧しい人々の心を癒してきた。
夜会で「香料の匂いが染みついた女」と罵られた時、私は決めた。
この場で婚約を解消しようと。
すると彼は修道院送り。一方、私は首席調香師に任命された。
そして、私の仕事を心から尊敬してくれる優しい薬師と出会う。
「俺、これからもあなたの仕事、一番近くで応援したいです」
私は今、自分の価値を理解してくれる人と、新しい道を歩み始める。
ざまあしっかり目に書きました。修道院行きです( ^^) _旦~~
※小説家になろうにも投稿しております
捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。
蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。
これで、貴方も私も自由です。
……だから、もういいですよね?
私も、自由にして……。
5年後。
私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、
親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、
今日も幸せに子育てをしています。
だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。
私のことは忘れて……。
これは、お互いの思いがこじれ、離れ離れになってしまった一組の夫婦の物語。
はたして、夫婦は無事に、離婚を回避することができるのか?
悪役令嬢が睨んでくるので、理由を聞いてみた
ちくわ食べます
恋愛
転生したのは馴染みのない乙女ゲームの世界だった。
シナリオは分からず、登場人物もうろ覚え、タイトルなんて覚えてすらいない。
そんな世界でモブ男『トリスタン』として暮らす主人公。
恋愛至上主義な学園で大人しく、モブらしく、学園生活を送っていたはずなのに、なぜか悪役令嬢から睨まれていて。
気になったトリスタンは、悪役令嬢のセリスに理由を聞いてみることにした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる