何やってんのヒロイン

ネコフク

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番外編(王子側視点)

特大の花畑が爆誕

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 マユリカが平民の娘を調査し監視していると報告がきて数日、その平民の娘の詳しい報告書が執務室で書類を捌いていたサリエルの元へ届けられた。

「よくある話だな」

 報告書には平民の娘の名は「ユリヤ」。男爵家の元当主が下女に手を出して生まれた庶子で、妊娠が分かった時点で追い出されたのを現当主が住む場所を提供し、毎月最低限生活できる金額を渡しているらしい。

 この手の話は貴族でよくある話で、大抵は放り出し我感ぜずを通すのが普通なのだが、この男爵家の現当主は余程お人好しなのか異母妹が不憫だと思ったのかどちらにせよかなり人が良いようだ。

 ただそんな平民の娘を何故マユリカは注視しているのか。
 報告書には男爵家からお金を貰っているが裁縫の仕事をしつつましく生活をしていると書かれている。ユリヤも家事をやり母親を助けていて性格は明るく素直で可愛らしい容貌も相まって近所の人気者らしい。

「ふむ・・・・・・」

 休憩し紅茶を飲みながら報告書をめくっていたサリエルは少しの間思案をし、マユリカが気にするという事は何かあるのだろうとマユリカ同様監視するよう指示を出す。

 そして兄王子のティリエルが学園を卒業、王太子としてミレーヌと婚姻をして第一子となる王子を出産した年、サリエルとマユリカが学園へ入学してから半年後に事態が動く。

 監視していた平民の娘の母親が事故で亡くなりユリヤは養子として男爵家に迎え入れられる事になった。

 まあそこまでは人が良い当主なので予想が出来ていたが、母親が亡くなった途端ユリヤの言動がおかしくなったと報告が上がってきた。

 まだ成人前の子供、母親が亡くなり取り乱したり憔悴しているのかと思えば何故そうなったのかはっちゃけたらしい。

 母親が亡くなった事を聞いて倒れ、目を覚ましたかと思えば「やったー!これで男爵家に引き取られるラッキー☆」とはしゃぎ、葬儀は近所の人に丸投げ。迎えに来た男爵には「ちょっと迎えに来るの遅いんだけど!」と怒鳴り、屋敷で迎え入れた男爵夫人には「これからよろしくー☆疲れたから早く部屋に連れてってオバサン」と暴言を吐き、今までと違う態度に男爵夫婦は困惑。

 部屋では「ヒロインムーブかますぜヒャッホー☆」や「やっぱ狙うならハーレムルートよね~」や「可愛いワ・タ・シ♡愛されヒロインで困っちゃう~」や「入学したらすぐ可愛いユリヤが会いに行くから待ってね王子様~♡」など自画自讃を延々とかなりの声量でブツブツ言ってるらしい。

 特大花畑令嬢爆誕の瞬間である。

 ユリヤに付けている影から「物凄く気持ち悪いのでっちゃいますか?」と連絡がきてGOサインを出そうとするも、侍従から「婚約者様が様子見しているのに手を出してはダメです!嫌われますよ!」の一言で思い留まる。

 侍従グッジョブである。

 仕方ないのでそのまま監視をさせ、男爵家には申しわけないがサリエルは別の方法でユリヤの入学を遅らせようと画策。

 しかしとんでもない令嬢となったユリヤには画策が必要なかったと結果を聞いて肩を落とすサリエルだった。
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