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うっかり渡っちゃった編
玉藻消える
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玉藻が王宮の庭園に現れた当日に、国王は女神アマンベールの謁見を大神殿に申し入れたが、公務が詰まっていたり、神殿側の都合により女神との謁見は10日後となった。
そしていつまで経っても元の姿に戻らない玉藻。猫や犬の姿であれば王宮の中を歩いていても、登城してきた貴族に王族が飼っていると言えば不審がられないが、白銀の毛並みに九尾の狐、騒ぎになってしまう。
悩んだ末、可哀想だが謁見まではジークフリートの部屋で過ごさせる事になった。が、可愛いもの好きの王妃からもの言いがつき、ジークフリートが王子教育をしている時間だけ王妃の部屋で過ごさせる事に。
次の日から玉藻は部屋でジークフリートと過ごし、王子教育中はお菓子を貰いながら王妃に猫可愛がりされて過ごしていた。
女神アマンベールの謁見が2日後にせまったその日、王子教育中の時間にたまたま王妃が公務で、たまたま王子の部屋の前で警護している騎士が交代の時間で居なく、暇を持て余した玉藻がなんとなく扉を前足で押したらたまたま少し開き、出てはダメだと言い含められていたのに好奇心に負けて部屋から出てしまった。
たまたまが重なった偶然。それが騒動の始まりだとはまだ誰も気づいていない。
とてとてと玉藻は廊下を軽く走っている。床は赤い絨緞が敷きつめられており、肉球から伝わる触り心地はふっかりとしている。天井は体長30cmほどの体ではとても高く見え、脇の窓枠の下も今の体だと飛び上がってギリギリ届くくらいの高さになっている。
神域にある宮殿は、もっと白くて大きく広かったなぁと思い出しながら行くあても無く、途中止まってキョロキョロしたり、右に左に曲がっていく。
ここで発見されれば大きな騒ぎにはならなかったのだが、見つかってはいけないと素早く気配を察知し、人がいない廊下ばかりを歩き、走っていた。
そしてたどり着いた先は四方建物に囲われた小さな庭。小さいといってもサッカーグランド三面分ほどあり、花壇や木々が植えられており、噴水や四阿もある場所だ。四方建物があるとはいえ、どこからでも行けるように庭に面した所は開放感溢れる廊下になっている。
そこで玉藻は消えた。
子狐になってもしていた黒い首輪だけ残して。
そしていつまで経っても元の姿に戻らない玉藻。猫や犬の姿であれば王宮の中を歩いていても、登城してきた貴族に王族が飼っていると言えば不審がられないが、白銀の毛並みに九尾の狐、騒ぎになってしまう。
悩んだ末、可哀想だが謁見まではジークフリートの部屋で過ごさせる事になった。が、可愛いもの好きの王妃からもの言いがつき、ジークフリートが王子教育をしている時間だけ王妃の部屋で過ごさせる事に。
次の日から玉藻は部屋でジークフリートと過ごし、王子教育中はお菓子を貰いながら王妃に猫可愛がりされて過ごしていた。
女神アマンベールの謁見が2日後にせまったその日、王子教育中の時間にたまたま王妃が公務で、たまたま王子の部屋の前で警護している騎士が交代の時間で居なく、暇を持て余した玉藻がなんとなく扉を前足で押したらたまたま少し開き、出てはダメだと言い含められていたのに好奇心に負けて部屋から出てしまった。
たまたまが重なった偶然。それが騒動の始まりだとはまだ誰も気づいていない。
とてとてと玉藻は廊下を軽く走っている。床は赤い絨緞が敷きつめられており、肉球から伝わる触り心地はふっかりとしている。天井は体長30cmほどの体ではとても高く見え、脇の窓枠の下も今の体だと飛び上がってギリギリ届くくらいの高さになっている。
神域にある宮殿は、もっと白くて大きく広かったなぁと思い出しながら行くあても無く、途中止まってキョロキョロしたり、右に左に曲がっていく。
ここで発見されれば大きな騒ぎにはならなかったのだが、見つかってはいけないと素早く気配を察知し、人がいない廊下ばかりを歩き、走っていた。
そしてたどり着いた先は四方建物に囲われた小さな庭。小さいといってもサッカーグランド三面分ほどあり、花壇や木々が植えられており、噴水や四阿もある場所だ。四方建物があるとはいえ、どこからでも行けるように庭に面した所は開放感溢れる廊下になっている。
そこで玉藻は消えた。
子狐になってもしていた黒い首輪だけ残して。
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