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学園祭編
学園祭2日目⑥
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今回は三者視点で途中から理事長視点。
PM0:00
ざわざわと賑わう屋台が並ぶ広場に、大量の機材を乗せたカートを押した数人が、あらかじめ確保していた場所にテキパキと大型スクリーンを設置していく。
「ちょっと、あれ!」
「えっ、まさか」
「うそっ、インペリアル!?」
「インペリアルのイベントなんかあったっけ!?」
揃いのキャップとTシャツには「Imperial」とプリントされており、それに気づいた生徒や来場者から興奮したざわめきが広がりスクリーンを中心に扇状に人が集まっていく。
スクリーンやアンプの調整を繰り返している所に、いつの間にか風紀の腕章をした生徒がポールと帯でバリケードを作りガードするように立っている。広場だけではなく、食堂や第1体育館にも同時に設置され、各所で騒ぎになっていた。
ざわつく中『あーテステス、こちら放送委員会です』というちょっと抜けた声が構内、体育館、広場に響いてくる。
『みなさーん学園祭を楽しんでますかぁ?……うんうん楽しんでるよねぇ。そんなみんなにもっと楽しい事をお知らせするよぉ。今まで謎だった生徒会の出し物の発表するよ!むふふふふふふ~。それはね、じゃじゃーん!あの超有名ブランドのimperialとコラボしたファッションショーだよ!』
その放送と同時に設置されている大型スクリーンや各教室にあるテレビに一斉にimperialの文字とブランドロゴが映し出される。
「えっ」
「うそっ」
「マジで!?」
「生でファッションショー見れるの!?」
「せ……生徒会の皆様のファッションショー……」
「どっ……どこでやるんだ!?」
PM0:15
Side 理事長
「はあ!?」
放送と同時に理事長室にあるテレビにimperialのロゴが映し出される。あのクソ姉弟のとこのだ。
「おい、出元を調べろ!それと生徒会室に行って中止させろ!」
SPに指示を出しイベントの中止を図る。さすがあのクソ姉弟の末弟だ、金で雇ったゴロツキに襲わせたのに無事、昨日の弁当は先に実行委員の方で事件が起きたから食べなかったようだしクソムカつく。せっかくイケメンαとイイ感じなのに気分が台無しだ。
「落ち着いてくださMrスガワラ」
心地よい声が向かいのソファーから聞こえハッと我に返る。いかんいかん、午前中出し物を見て回って昼食を食べるていでヨハンを理事長室に連れ込んだんだった。お互い人を連れているからすぐにあれやこれは出来ないが、食事をしながら距離を詰めてその後……
「すみません、学園祭の催し物に無かったもので……こんな事は今までなかったんですよ」
「ふふっ、気にしてませんよ。母国でもありましたよ。ゲリラライブは楽しかったなぁ。急でも盛り上がるんですよ、こちらはどんな感じなんでしょう?Mrスガワラと一緒に見てみたいなぁ」
「くっ……」
慌てて申し訳なさそうに不備を詫びると、気にしてない、むしろ私と一緒に見たいなんて……私と……でもインペリアル……ヨハンと一緒……良い雰囲気になりそのままヨハンの逞しい体に抱かれαのぶっといペニスで……あぁ……イイ……優しげな雰囲気を雄のギラつきに変えて激しく突き上げる……後孔がヒクつき濡れてくる……もうこれは私に好意があるのでは!?
「ミ……Mrイーストが言うのであれば……」
「ありがとうMrスガワラ」
自分の欲望とヨハンのパァっという笑顔に負けSPに中止させるのを止める電話をかけ、用意していた老舗料亭の懐石弁当を秘書に持って来るように指示する。
「すみません、僕ダイズアレルギーなのです。だから持参して来ました」
形の良い眉を下げるヨハンに後ろに控えていたヨハンの秘書が一口サイズのサンドウィッチやローストビーフや海老のマリネなど入った二段重を広げていく。くっ……α用媚薬を仕込んだ弁当を用意していたのに大豆アレルギーとは。リサーチ不足だった。
仕方ない、少しフェロモンを強めてその気にさせるように持っていくか。
「そうなんてすね。では次会った時に大豆を使っていない物を用意しますね。……少し顔色が悪いようですが大丈夫ですか?」
「……気付かれましたか。実はここに来るまでスケジュールが詰まっていたので疲れが出たようです。少し新鮮な空気を吸いたいですね」
「それはお疲れでしょう。新田、窓を開けてくれ」
「はい」
秘書の新田に命じて窓を開けさせると山の中にあるからかこの月にしては少し冷えた風が入ってくる。
「……ああ、気持ち良い風てすね」
目を閉じ余韻に浸るような表情がまた色気があり、そんなヨハンに貪られる想像をして体が熱くなる。
はあ、早く姫川のイベントを見終わって朝まで激しく抱かれたい……
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
午前中インペリアルのスタッフはキャップとTシャツに「STAFF」としかプリントされていないものを着用。あげはと惟親も同様。これは理事などの妨害を防ぐ為で、告知する時点でインペリアルのロゴが入ったものにみんな着替えています。
PM0:00
ざわざわと賑わう屋台が並ぶ広場に、大量の機材を乗せたカートを押した数人が、あらかじめ確保していた場所にテキパキと大型スクリーンを設置していく。
「ちょっと、あれ!」
「えっ、まさか」
「うそっ、インペリアル!?」
「インペリアルのイベントなんかあったっけ!?」
揃いのキャップとTシャツには「Imperial」とプリントされており、それに気づいた生徒や来場者から興奮したざわめきが広がりスクリーンを中心に扇状に人が集まっていく。
スクリーンやアンプの調整を繰り返している所に、いつの間にか風紀の腕章をした生徒がポールと帯でバリケードを作りガードするように立っている。広場だけではなく、食堂や第1体育館にも同時に設置され、各所で騒ぎになっていた。
ざわつく中『あーテステス、こちら放送委員会です』というちょっと抜けた声が構内、体育館、広場に響いてくる。
『みなさーん学園祭を楽しんでますかぁ?……うんうん楽しんでるよねぇ。そんなみんなにもっと楽しい事をお知らせするよぉ。今まで謎だった生徒会の出し物の発表するよ!むふふふふふふ~。それはね、じゃじゃーん!あの超有名ブランドのimperialとコラボしたファッションショーだよ!』
その放送と同時に設置されている大型スクリーンや各教室にあるテレビに一斉にimperialの文字とブランドロゴが映し出される。
「えっ」
「うそっ」
「マジで!?」
「生でファッションショー見れるの!?」
「せ……生徒会の皆様のファッションショー……」
「どっ……どこでやるんだ!?」
PM0:15
Side 理事長
「はあ!?」
放送と同時に理事長室にあるテレビにimperialのロゴが映し出される。あのクソ姉弟のとこのだ。
「おい、出元を調べろ!それと生徒会室に行って中止させろ!」
SPに指示を出しイベントの中止を図る。さすがあのクソ姉弟の末弟だ、金で雇ったゴロツキに襲わせたのに無事、昨日の弁当は先に実行委員の方で事件が起きたから食べなかったようだしクソムカつく。せっかくイケメンαとイイ感じなのに気分が台無しだ。
「落ち着いてくださMrスガワラ」
心地よい声が向かいのソファーから聞こえハッと我に返る。いかんいかん、午前中出し物を見て回って昼食を食べるていでヨハンを理事長室に連れ込んだんだった。お互い人を連れているからすぐにあれやこれは出来ないが、食事をしながら距離を詰めてその後……
「すみません、学園祭の催し物に無かったもので……こんな事は今までなかったんですよ」
「ふふっ、気にしてませんよ。母国でもありましたよ。ゲリラライブは楽しかったなぁ。急でも盛り上がるんですよ、こちらはどんな感じなんでしょう?Mrスガワラと一緒に見てみたいなぁ」
「くっ……」
慌てて申し訳なさそうに不備を詫びると、気にしてない、むしろ私と一緒に見たいなんて……私と……でもインペリアル……ヨハンと一緒……良い雰囲気になりそのままヨハンの逞しい体に抱かれαのぶっといペニスで……あぁ……イイ……優しげな雰囲気を雄のギラつきに変えて激しく突き上げる……後孔がヒクつき濡れてくる……もうこれは私に好意があるのでは!?
「ミ……Mrイーストが言うのであれば……」
「ありがとうMrスガワラ」
自分の欲望とヨハンのパァっという笑顔に負けSPに中止させるのを止める電話をかけ、用意していた老舗料亭の懐石弁当を秘書に持って来るように指示する。
「すみません、僕ダイズアレルギーなのです。だから持参して来ました」
形の良い眉を下げるヨハンに後ろに控えていたヨハンの秘書が一口サイズのサンドウィッチやローストビーフや海老のマリネなど入った二段重を広げていく。くっ……α用媚薬を仕込んだ弁当を用意していたのに大豆アレルギーとは。リサーチ不足だった。
仕方ない、少しフェロモンを強めてその気にさせるように持っていくか。
「そうなんてすね。では次会った時に大豆を使っていない物を用意しますね。……少し顔色が悪いようですが大丈夫ですか?」
「……気付かれましたか。実はここに来るまでスケジュールが詰まっていたので疲れが出たようです。少し新鮮な空気を吸いたいですね」
「それはお疲れでしょう。新田、窓を開けてくれ」
「はい」
秘書の新田に命じて窓を開けさせると山の中にあるからかこの月にしては少し冷えた風が入ってくる。
「……ああ、気持ち良い風てすね」
目を閉じ余韻に浸るような表情がまた色気があり、そんなヨハンに貪られる想像をして体が熱くなる。
はあ、早く姫川のイベントを見終わって朝まで激しく抱かれたい……
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
午前中インペリアルのスタッフはキャップとTシャツに「STAFF」としかプリントされていないものを着用。あげはと惟親も同様。これは理事などの妨害を防ぐ為で、告知する時点でインペリアルのロゴが入ったものにみんな着替えています。
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