5 / 70
独占欲が爆発したようです
しおりを挟む
囲う宣言した伊月さんは柔和な笑みを浮かべているが、瞳孔が開いていて怖い。無意識に距離を取ろうと横にずれるが、開いた分だけじりじりと詰めてくる。
「あ……あの伊月さん?」
(怖い怖い怖い怖い!)
無言でにじり寄って来るイケメンって怖い!いつもの柔らかな雰囲気が微塵も無いし、笑顔なのに笑ってない感じが余計に恐ろしい。
「はい、伊月様そこまでです」
にゅっと俺と伊月さんの顔の形間に大藤さんによって銀のお盆が差し込まれた。ホッと息を吐くと、お盆の向こう側からチッと音が聞こえた。
「三波様を怖がらせてはいけません。囲うなら優しく真綿を締めるように、ですよ」
「……そうだな」
いや、大藤さん何言っちゃってんの⁉そういうのは俺がいないトコで言うもんじゃない⁉俺の中でデキる執事から危険な執事になったんだけど⁉
大藤さんの言葉に慄いていると玄関のチャイムが鳴り、お盆を引いた大藤さんが玄関へ向かっていく。伊月さんも体勢を元に戻りいつもの顔つきになっている。
ビクビクとしていると、玄関の方からパタパタとスリッパの音がちかづいて来る。
「セナ!」
リビングに勢いよく入って来たのは先ほど良規さんにドナドナされていった神楽だ。両腕を広げ心配そうな顔をしてソファーの背もたれの方から俺をぎゅうぎゅうと抱きしめる。だからお前の胸筋は凶器だといつも言ってるじゃないか!
「セナ大丈夫⁉伊月さんに圧かけられて迫られてない⁉」
さすが従兄弟、分かってる。でも今はお前の胸筋で圧死しそうだけどな。
「神楽やめろ、三波がお前の胸の中で幸せ死にそうだ」
「あっ、ごめん!わー!セナ大丈夫!?」
良規さんの言葉に慌てて腕を解かれ一気に肺に空気が入ってくる。あー、危うく天に召されるトコだったわ。ん~空気がウマい。ちなみに俺は神楽の胸では幸せではなく暑苦しく死ぬだけだからな。
神楽の腕の中でぐったりしていると、伊月さんが俺の体を神楽から取り上げ膝の上に乗せる。
これ人前では恥ずかしい態勢ではなかろうか。
「馬鹿力め。何しに来たんだ」
ちょっと声が低くなった伊月さんに神楽が怯む。
「仕方ないだろ。神楽は心配性なんだ、ずっと三波の事を心配して俺の話を聞かないんだよ。だから仕方なく連れて来たんだ。誰が好き好んでお前のテリトリーに来るか」
相変わらず良規さんは腕を組み仁王立ちしている。この人はこれがデフォです。
「だって今回だとは思ってなかったけど、俺はそういう話があったから察したよ?でもここに来る前に「部屋寮より広いかな~」って呑気に言ってたセナには意図的に説明してないでしょ。それで急にαと一緒に生活って。親友だもん、心配するよ」
トゥクン……さすがマイスイートハート!もし俺がαなら惚れてるぜ!
「神楽っ!」
「セナっ!」
感激し両腕を広げ抱きつこうとしたのに互いのαに阻止される。俺は伊月さんに腰を抑えられ、神楽は良規さんに腕を掴まれ一歩も動けなかった。
「他の男に抱きつこうとしたら駄目だよ」
「いや、神楽だし」
「さすがに俺もΩとはいえ許容はできないな」
「良規さん?」
「神楽は俺のΩだ。今までは互いに立場があったから許していたが、これからは遠慮なく独占させてもらう」
神楽より10cm低い良規さんが腕を掴んでいない方の手を首筋に這わせ、さらに項に口付けるように寄せこちらを見る目は独占欲丸出しである。されるがままの本人は瞳を潤ませ真っ赤になって震えている。これは恥ずか死ぬ寸前か?
「……何その顔。なんで他の男にそんな顔見せちゃってんの?行くよ、部屋に戻ってお仕置きだ」
「良規さん⁉……セナっ!」
引きずるように連れて行かれ振り返った神楽に、健闘を祈る意味を込めてサムズアップしたら絶望の顔をされたのは何故だ。
「抑え込んでいた独占欲が爆発したねぇ」
嵐が去ったように静かになったリビングに伊月さんの暢気な声がやけに響いた。
「あ……あの伊月さん?」
(怖い怖い怖い怖い!)
無言でにじり寄って来るイケメンって怖い!いつもの柔らかな雰囲気が微塵も無いし、笑顔なのに笑ってない感じが余計に恐ろしい。
「はい、伊月様そこまでです」
にゅっと俺と伊月さんの顔の形間に大藤さんによって銀のお盆が差し込まれた。ホッと息を吐くと、お盆の向こう側からチッと音が聞こえた。
「三波様を怖がらせてはいけません。囲うなら優しく真綿を締めるように、ですよ」
「……そうだな」
いや、大藤さん何言っちゃってんの⁉そういうのは俺がいないトコで言うもんじゃない⁉俺の中でデキる執事から危険な執事になったんだけど⁉
大藤さんの言葉に慄いていると玄関のチャイムが鳴り、お盆を引いた大藤さんが玄関へ向かっていく。伊月さんも体勢を元に戻りいつもの顔つきになっている。
ビクビクとしていると、玄関の方からパタパタとスリッパの音がちかづいて来る。
「セナ!」
リビングに勢いよく入って来たのは先ほど良規さんにドナドナされていった神楽だ。両腕を広げ心配そうな顔をしてソファーの背もたれの方から俺をぎゅうぎゅうと抱きしめる。だからお前の胸筋は凶器だといつも言ってるじゃないか!
「セナ大丈夫⁉伊月さんに圧かけられて迫られてない⁉」
さすが従兄弟、分かってる。でも今はお前の胸筋で圧死しそうだけどな。
「神楽やめろ、三波がお前の胸の中で幸せ死にそうだ」
「あっ、ごめん!わー!セナ大丈夫!?」
良規さんの言葉に慌てて腕を解かれ一気に肺に空気が入ってくる。あー、危うく天に召されるトコだったわ。ん~空気がウマい。ちなみに俺は神楽の胸では幸せではなく暑苦しく死ぬだけだからな。
神楽の腕の中でぐったりしていると、伊月さんが俺の体を神楽から取り上げ膝の上に乗せる。
これ人前では恥ずかしい態勢ではなかろうか。
「馬鹿力め。何しに来たんだ」
ちょっと声が低くなった伊月さんに神楽が怯む。
「仕方ないだろ。神楽は心配性なんだ、ずっと三波の事を心配して俺の話を聞かないんだよ。だから仕方なく連れて来たんだ。誰が好き好んでお前のテリトリーに来るか」
相変わらず良規さんは腕を組み仁王立ちしている。この人はこれがデフォです。
「だって今回だとは思ってなかったけど、俺はそういう話があったから察したよ?でもここに来る前に「部屋寮より広いかな~」って呑気に言ってたセナには意図的に説明してないでしょ。それで急にαと一緒に生活って。親友だもん、心配するよ」
トゥクン……さすがマイスイートハート!もし俺がαなら惚れてるぜ!
「神楽っ!」
「セナっ!」
感激し両腕を広げ抱きつこうとしたのに互いのαに阻止される。俺は伊月さんに腰を抑えられ、神楽は良規さんに腕を掴まれ一歩も動けなかった。
「他の男に抱きつこうとしたら駄目だよ」
「いや、神楽だし」
「さすがに俺もΩとはいえ許容はできないな」
「良規さん?」
「神楽は俺のΩだ。今までは互いに立場があったから許していたが、これからは遠慮なく独占させてもらう」
神楽より10cm低い良規さんが腕を掴んでいない方の手を首筋に這わせ、さらに項に口付けるように寄せこちらを見る目は独占欲丸出しである。されるがままの本人は瞳を潤ませ真っ赤になって震えている。これは恥ずか死ぬ寸前か?
「……何その顔。なんで他の男にそんな顔見せちゃってんの?行くよ、部屋に戻ってお仕置きだ」
「良規さん⁉……セナっ!」
引きずるように連れて行かれ振り返った神楽に、健闘を祈る意味を込めてサムズアップしたら絶望の顔をされたのは何故だ。
「抑え込んでいた独占欲が爆発したねぇ」
嵐が去ったように静かになったリビングに伊月さんの暢気な声がやけに響いた。
115
あなたにおすすめの小説
捨てられた生贄オメガ、魔王城で極上の『巣作り』始めます!~不眠症の魔王様、私のクッションで爆睡して溺愛モードに突入~
水凪しおん
BL
「役立たずのオメガ」として冷遇され、血も涙もない魔王への生贄として捨てられたリノ。
死を覚悟して連れてこられた魔王城は、寒くて硬くて、居住性最悪のブラック環境だった!?
「こんなところで寝られるか!」
極限状態で発動したオメガ特有の『巣作り本能』と、神業レベルの裁縫スキルが火を噴く!
ゴミ同然の布切れをフカフカのクッションに、冷たい石床を極上のラグマットにリフォーム。
すると、不眠症で常にイライラしていた魔王ザルドリスが、リノの作った「巣」のあまりの快適さに陥落してしまい……?
「……貴様、私を堕落させる気か」
(※いいえ、ただ快適に寝たいだけです)
殺されるどころか、魔王様に気に入られ、気付けば城中がリノの虜に。
捨てられた生贄オメガが、裁縫一つで魔王城を「世界一のマイホーム」に変える、ほのぼの逆転溺愛ファンタジー!
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
最強βの俺が偽装Ωになったら、フェロモン無効なのに狂犬王子に求愛されました~前世武道家なので物理で分からせます~
水凪しおん
BL
前世は日本の武道家、今世は平民β(ベータ)のルッツ。
「Ωだって強い」ことを証明するため、性別を偽り「Ω」として騎士団へ入団した彼は、その卓越した身体能力と前世の武術で周囲を圧倒する。
しかし、その強さと堂々とした態度が仇となり、最強のα(アルファ)である第一王子・イグニスの目に止まってしまった!
「お前こそ俺の運命の番だ」
βだからフェロモンなんて効かないのに、なぜかイグニスの熱烈な求愛(物理)攻撃を受ける日々に突入!?
勘違いから始まる、武闘派β×最強王子のドタバタ王宮BLファンタジー!
のほほんオメガは、同期アルファの執着に気付いていませんでした
こたま
BL
オメガの品川拓海(しながわ たくみ)は、現在祖母宅で祖母と飼い猫とのほほんと暮らしている社会人のオメガだ。雇用機会均等法以来門戸の開かれたオメガ枠で某企業に就職している。同期のアルファで営業の高輪響矢(たかなわ きょうや)とは彼の営業サポートとして共に働いている。同期社会人同士のオメガバース、ハッピーエンドです。両片想い、後両想い。攻の愛が重めです。
推しのために、モブの俺は悪役令息に成り代わることに決めました!
華抹茶
BL
ある日突然、超強火のオタクだった前世の記憶が蘇った伯爵令息のエルバート。しかも今の自分は大好きだったBLゲームのモブだと気が付いた彼は、このままだと最推しの悪役令息が不幸な未来を迎えることも思い出す。そこで最推しに代わって自分が悪役令息になるためエルバートは猛勉強してゲームの舞台となる学園に入学し、悪役令息として振舞い始める。その結果、主人公やメインキャラクター達には目の敵にされ嫌われ生活を送る彼だけど、何故か最推しだけはエルバートに接近してきて――クールビューティ公爵令息と猪突猛進モブのハイテンションコミカルBLファンタジー!
アプリで都合のいい男になろうとした結果、彼氏がバグりました
あと
BL
「目指せ!都合のいい男!」
穏やか完璧モテ男(理性で執着を押さえつけてる)×親しみやすい人たらし可愛い系イケメン
攻めの両親からの別れろと圧力をかけられた受け。関係は秘密なので、友達に相談もできない。悩んでいる中、どうしても別れたくないため、愛人として、「都合のいい男」になることを決意。人生相談アプリを手に入れ、努力することにする。しかし、攻めに約束を破ったと言われ……?
攻め:深海霧矢
受け:清水奏
前にアンケート取ったら、すれ違い・勘違いものが1位だったのでそれ系です。
ハピエンです。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
自己判断で消しますので、悪しからず。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる