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女神に頼まれて村作りをしてみた
開花
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寒い寒い冬も遂に終わりこの世界にも春が訪れた。ただしこの世界では発音が少し変わっていて最初一翔は慣れる事ができなかった。いくら言葉が似ているとは言え少しの差はあるらしい。草花が生い茂る様子を見ていると考えないようにしていあの女神の事がふと頭をよぎる。しかしそれは皮肉な事に良い方向へと向かうことになった。そうだ、何かを見つけなければならない。それがこの世界を救う唯一の方法だそうだ。一翔は頬を叩き修理が進む時計塔に目をやりそして街へ向かった。街への売り込みは未だに行っている。幸い、トマトはかなり人気で売れ残るなんてことはない。今日も沢山持っていったが一時間もすればほぼ無くなっていた。しかし今日は最後の一個が中々売れないのだ。
「あぁ良かった、まだ残ってた。トマト一つくださいな」
若い女性だろうか?楽しそうな声でトマトを買いに来た。
「はい!えっと100カータで……す」
一翔は思わず籠を落としてしまった。目の前に居たのはあの女神だった。
「なんで、ここに」
「簡単な話ですよ。忘れてませんか?貴方にはやってもらわないといけないことが残ってるんですよ?それなのに全く進展がないじゃないですか」
なんだその事か。という気持ち半分そんなことはわかっている。という気持ち半分な一翔は籠とトマトを拾い立ち去ろうとした。
「ちょっと、一応客ですよ?トマトは本当に買うんですが」
「じゃあ供えとくよ。それで文句ないか?」
「もうほぼ女神でもないのでそれは無理ですね。また女神に戻れたらお願いします」
「……100カータです」
「はい、どうぞ」
「……やるべき事はやる。少なくともそれだけは」
「ええ。期待してますよ」
「ただいま」
「おう、帰ったか。どうしたんだ?全部売れてるのにしょんぼりして」
「いや、ちょっとな」
「さては食ったな?」
「少なくともそれはない。記憶が正しければ」
時計塔を見てみるともうほぼ修理は終わっていた。もうそろそろ日が沈む頃だろうか?周りがオレンジ色になってきているのが見える。
「ん、時計塔も修理完了か。丁度良い」
「丁度良い?何がだ?」
「この時計塔はな、導の搭と言ってな。この時間帯になると秒針、短針、長針の付け根の部分についてる鉱石が日の光に反射して……とか言ってたら時間だな。ほれ、見てみろ」
沈み行く日が時計の針達に反射して一直線に光が伸びている。それはほんの数秒だけその状態を保ちそしてそのまま崩れて行った。
「これが……?」
一翔はあまりの驚きに声が出せずにいた。その光はなんとも言葉では表すことができない特別な光のように思えた。とても、とても美しい光だったのだ。
「昔はこの光を見るためだけにここに通ったもんだ。ま、間に合う日の方が少なかったがな」
その美しい光は迷える人々の人生に希望という光を与え救いへと自らの足で進めるように導くだそうだ。それがこの導の搭。これはこの世界の神話の最後の最後に隠された暗号を読み解くと現れるもう一つの神話の最後の行に書かれている話だ。この事実を知っている者はこの世界に神を合わせてもたった一人しかいない。
「あぁ良かった、まだ残ってた。トマト一つくださいな」
若い女性だろうか?楽しそうな声でトマトを買いに来た。
「はい!えっと100カータで……す」
一翔は思わず籠を落としてしまった。目の前に居たのはあの女神だった。
「なんで、ここに」
「簡単な話ですよ。忘れてませんか?貴方にはやってもらわないといけないことが残ってるんですよ?それなのに全く進展がないじゃないですか」
なんだその事か。という気持ち半分そんなことはわかっている。という気持ち半分な一翔は籠とトマトを拾い立ち去ろうとした。
「ちょっと、一応客ですよ?トマトは本当に買うんですが」
「じゃあ供えとくよ。それで文句ないか?」
「もうほぼ女神でもないのでそれは無理ですね。また女神に戻れたらお願いします」
「……100カータです」
「はい、どうぞ」
「……やるべき事はやる。少なくともそれだけは」
「ええ。期待してますよ」
「ただいま」
「おう、帰ったか。どうしたんだ?全部売れてるのにしょんぼりして」
「いや、ちょっとな」
「さては食ったな?」
「少なくともそれはない。記憶が正しければ」
時計塔を見てみるともうほぼ修理は終わっていた。もうそろそろ日が沈む頃だろうか?周りがオレンジ色になってきているのが見える。
「ん、時計塔も修理完了か。丁度良い」
「丁度良い?何がだ?」
「この時計塔はな、導の搭と言ってな。この時間帯になると秒針、短針、長針の付け根の部分についてる鉱石が日の光に反射して……とか言ってたら時間だな。ほれ、見てみろ」
沈み行く日が時計の針達に反射して一直線に光が伸びている。それはほんの数秒だけその状態を保ちそしてそのまま崩れて行った。
「これが……?」
一翔はあまりの驚きに声が出せずにいた。その光はなんとも言葉では表すことができない特別な光のように思えた。とても、とても美しい光だったのだ。
「昔はこの光を見るためだけにここに通ったもんだ。ま、間に合う日の方が少なかったがな」
その美しい光は迷える人々の人生に希望という光を与え救いへと自らの足で進めるように導くだそうだ。それがこの導の搭。これはこの世界の神話の最後の最後に隠された暗号を読み解くと現れるもう一つの神話の最後の行に書かれている話だ。この事実を知っている者はこの世界に神を合わせてもたった一人しかいない。
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