女神に頼まれて村作りをしてみた

ひいらぎ

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女神に頼まれて村作りをしてみた

エピローグ&あとがき

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クラスの舞台は成功、評判の良かった音声や光源なんかは全部俺の作ったやつだ。そう考えると、苦労して良かったなと思う。そう言えばあのときの紙、何が書いているのか気になって解読することにした。ひらがなや感じを16進数に置き換えたものだった。
「それにしても、こんな形で伝えてくるなんて…あいつらしいや」
ふと笑みが溢れる。が、その瞬間にハッとする。あいつとは誰の事だ?記憶を消されて戻ってきた一翔は女神の事もあの世界の事もゆめで何かを見ていた程度の認識に過ぎない。勿論詳しくは覚えてないしそもそも本当にそんな由芽を見たのかも怪しいほどふわふわとしたものだ。
「はぁ、駄目だ。疲れてるのかな?ま、しばらくは暇なんだし大丈夫だろ」
冗談混じりの笑みが溢れる。部屋へ戻り例の紙切れを持ち上げる。何故なのかはわからないがこれを持っていると安心感と罪悪感が芽生える。だけれどこれは絶対に無くなってはいけないものだとわかっているのだ。燃しこれがなくなれば本当に何も無かった事になるのだから。
「もう遅いし…寝るか」
紙切れを元の場所に戻しベッドへ向かう。そしてその中で一翔は意識を手放した。


「……さん、ず……さん!一翔さん!」
懐かしい呼び声がするような気がした。これは喜ばしい事なのかじっくり考える。うん、これは良くない事だ。
「……なんでここにいるんだよ」
「一翔さーーーん!助けてください!あと会いたかったですよおーーー!」
「うわっ!泣きながら抱きつくな。鬱陶しい」
「あーー会いたかったんですよ?女神的に言えなかったけど凄く寂しかったんですから!」
いつも以上に乱れたミーアを見て一息ついてから一翔はこう言う。
「……ただいま。ミーア」
思っていたより優しい対応にミーアは思わず赤面する。
「一翔さん…………まぁでもぉ?一翔さんはリカちゃんのものですしぃ?そーんな久しぶりに帰ってきた旦那みたいなこと言われても?騙されませんよこの女たらし!」
「いや、それはいくつか言い分がある!」
「ほぉ、聞きましょうかぁ?一翔さん?」
「そもそも突き放したのはお前だよな!?」
「うぐ、思ってたよりその通りな事言われた」
久しぶりにあった親友同士かのような会話が続く。少女の願いは叶わなかったけれども、女神の望みは叶っていた。こうして一翔の奇妙な生活は続くのであった。


あとがき
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。更新頻度がばらつきがありすぎて失踪したのかと疑わしい事もしばしばあったかと思いますが、どうにか完結することができました。さて、この作品ですが、眠りについた主人公一翔の意識を女神ミーアがキャッチして定着させることにより始まります。突如現れた悪魔ことラヴェアと女神ミーアですが、ラヴェアはいくつもの世界を呑みこみ強大な力を得ていました。対して女神ミーアですが元はただの人間でした。しかし産まれたその瞬間から死後神になることを定められた者でした。その人生は悲惨で高校生の時誘拐にあい、様々な暴行をされ最後は殺されました。それがテア涙のラーフ人生です。そんな神として定められた少女の初恋の相手、それが一翔と言うわけです。
そして、一翔を支えた大男バンですがかつて大国に使え、戦争の大英勇であります。しかし神への信仰が絶大であります。導の塔の光に魅せられた男、それがバンです。
最終的に一翔をゲットしたリカは神話の舞台、女神が降り立ち宝玉を与えた場の宝玉を受け取った者の末裔です。それを巫女と呼び自身の体内に宝玉を宿し生涯守り続ける事を使命としています。年齢は15歳ですが身長は12歳程しか無いので17歳にして180cm超えの一翔とはかなりの身長差があります。
そんな個性豊かなみんなで作ってきた村ですが、まだなにかがあるようです。もしかしたら続くかもしれませんし、ここから先は彼らだけの秘密になるかもしれません。それでは繰り返しにはなりますが、ここまでのご愛読ありがとうございました。
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