女神に頼まれて村作りをしてみた

ひいらぎ

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女神に頼まれて村作りをしてみた

流離いの釣人 アール

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一翔とバンは川で釣りをしている。魚を釣る側が既に死んだ魚のような目をしているが気にしてはいけない。
「なぁ…」
「皆まで言うな。わかってる。でも釣れるはずだ」
「高級魚は諦めて帰ろうぜ…こっちがヤバイ」釣りを始めて4時間。他にすることもないのだが流石に精神的に辛い時間だ。
「………帰るか」


「まぁ魚も釣れたし暫くは良いだろ」
「そうだな……て、ん?誰かいるぞ」
「はぁ?そんなわけ……あった」確かに時計台付近に人が一人立っていた。その男は一翔達に気付くと一礼をしてこちらへ歩いてきた。
「どうも。ここが噂の村ですか?」
「どんな噂か知らないが確かに時計台ここは村だ。で、あんたは?」
「あぁ、これは失礼。私はアール、釣り人です。この村の近くに幻の高級魚が釣れる川があると聞きまして」
「川?あぁ、あれか」
「あれだな」アールは一翔とバンの持つばけつの中の魚を見ると興味深そうに覗き込んだ。
「ほほぉう…釣りの帰りですかどれくらい釣りをしてたのですか?」
「4時間!」
「にしては少ないですね…」二人で合わせて6匹。アール的には少なかったらしい。
「まぁ、私に任せておいて頂ければ釣りは安定ですよ」
「そりゃ安心だな……ん?てことはここに住むって事で良いのか?」
「そちらがご迷惑でなければそのつもりです」
「そうかそうか…釣り人アール。歓迎しよう、ようこそ今は古びて地図から消えた村…フィンネスへようこそ」こうして釣り人アールを村へ迎え入れた。が、事件はすぐに起きた。


「一翔さん!一翔さん!大変な事になりました」朝の5時にアールが一翔を叩き起こす。
「ん?………なにが…あっ……た」
「川を見てきたのですが魚の気配が無いんですよ」
「そっか……魚がいないのか……うん…はぁ!?いないってなんだ!」あまりの大声にバンも目を覚ます。
「おい、どうした、いきなり大声を上げて」
「実は川の魚が見当たらなくて」
「どうするんだ、バン。稼ぎポイントが一つ潰れたぞ」
「おおおおお落ち着け。落ち着け。大丈夫だ」
「お前が一番落ち着け!」川の魚が消えた。というのは川の生態系が崩れた可能性もありバンを筆頭に全員が混乱状態に陥っていた。しかし一番冷静なのもまたバンだった。
「と、とりあえず川を見に行こう。あの広さで魚が居なくなったってのはない…………と思う」
「そ、そうだな。見てみないと何も始まらないよな。うん」


「んで、川を見ても魚がどうとかわからんな」
「まぁ、パッと見は無理だと思います。でも、良く見てください。岩影や流れの緩い所どこを見ても居ないんですよ」
「そんな人目につくような所にしか居ない訳じゃないだろ?」アールは待ってました。と言わんばかりの顔で話を続ける。
「昨日お二人が釣り上げた魚はデヒョウという魚でしてね」デヒョウ…恐らくこの世界特有の魚であろう。アールの話によればデヒョウは人目につく場所にしか留まらないらしい。理由は今も解明されてないとか…。
「まぁデヒョウは良いわ。なんで居なくなったんだ?」
「そうですね…デヒョウは特別弱い魚でもないし……水温ですかね?」
「そういうのはチェックしとけよ…」
「もしくは上流に行ったかもしれません」デヒョウは身の危険を感じると川を上るらしい。しかし身の危険を感じるような魚も見当たらない。
「でもなにかしらが来たから逃げたんだろ?釣糸垂らしてみれば何か引っ掛かるかもしれねぇぞ」
「まぁ、そうですね。一匹予想してる魚はいますし試してみましょう」そう言うと二本の竿を取りだし釣りを始める。
「予想ではニジカゲが釣れるはずです」
「な、ニジカゲ!?」ニジカゲ…これもまたこの世界の魚だろう。バンの言っていた高級魚がこれに当たる。
「お、おい…本当か?本当にニジカゲが?」
「デヒョウが逃げる程でしかも魚が泳いでる姿が見えないとこを見るとニジカゲだと思います。……お、早速来ましたね」掛かった方の竿を引きながら少し見えた影を見てアールは歓声を上げた。
「来ました、来ましたよ。ニジカゲです!」
「おぉ!本当に釣れるのか!」一人置いていかれる一翔。しかし川から姿を現したニジカゲはとても綺麗に輝いていた。
「すげぇ……」
「これを出荷すれば高値も高値で売れるぞ。そうすればやれることも広がっていく」ニジカゲを釣り上げた事で村作りに少し希望が見えてきた。今のところトマトも問題なく育っている。順調に…順調に進んでいた。

村作り進歩率0.1% 次回から本格的に村作りに突入?
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