女神に頼まれて村作りをしてみた

ひいらぎ

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女神に頼まれて村作りをしてみた

村 初の壊滅の危機

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「はぁ、不味いことになったぞ」
「そんなこと分かってるよ。でもどうしようもできないじゃんか」
「釣りとか言ってる場合じゃないですね、これは」
「ど、どうするんですか?」そう、今この村は破滅の危機に直面している。これはほんの数分前の事……
「一翔っ、不味いことになった」
「ど、どうしたんだよ?また奴等が来たのか?」
「そんなんじゃねぇよ。良いか?驚くなよ?」
「あぁ。なんなんだよ改まって」
「近くに街ができる。そしてここは大型スーパーの予定地だ」地図と共に一翔にそう告げる。そう、この土地は新たに開拓されようとしているのだ。
「ここは女神が降臨する神聖な場所の一つ。しかも中心地だぞ?なのに幾ら説明しても、知らない。の一点張りだ」
「おい、待てよ。俺達はどうなる?仮にたちのいたとする。まさかその 街に住めってか?」
「だろうな。そうしたらリカも人目につく。またあいつらが来る可能性もある」そうだ。今はリカが安全に暮らすためにも、そしてミーアのためにもこの村は譲れない。
「んで、どうするよ?お前さんもこのまま下がれないだろ?」
「そりゃ勿論だ。でも、対抗策がまるでない」
「あぁ、まったく無い。女神の存在を認められないならこの村は一度崩壊した貧相な村だ。無理だ」んなキッパリと……。でも本当になにも無いのは事実だ。
「とりあえず、全員集めて会議中にしよう」
そして、今に至る。

「無理でしょう……。いや無理だ」
「無理……ですよね」
「無理だけどどうにかしなくちゃいけないんだよ」
「な、なぁ。その、街ができなきゃ良いんじゃないか?」
「はぁ?ま、まぁそりゃそうだ。街に合わせて出来るんだからな」
「なら、なんとかなるかもしれないぞ」
「な、何をするつもりですか貴方は……」ニヤリと怪しい顔をすると一翔はこう続けた。
「確かここは女神の降臨する場所なんだよな?」
「あ、あぁ。だからこそ無くすわけにはいかないんだ」
「そして、女神の降臨にはその昔使える神獣が必要だったんだよな?」
「あぁ。そうだとも。ここの神獣は巨大な龍だ。でもなんでそんなことを?」
「ちょっと街に行く機会があってな。本でチラッと読んだ」
「なるほどな。確かに本に残る程の龍だったとも。特に神佑地を荒らす奴には容赦なく……。ってまさかだよな?」
「ご名答。女神の存在を誰もが否定するなら女神の存在を証明する物を用意すれば良い。何より、そんな龍がいたら街なんて造れないだろう?」
「でも、ギルドはどうします?迷惑な龍が居ればそれの退治を請け負うギルドがある。資金はあるでしょうし動きますよ?」
「ハッ、んなもん怖くねぇよ。日間戦争の勇者が全員で掛かっても暴れてるのを止められなかったんだぞ?」
「え!凄いじゃないですか!」急にリカが目を輝かせて叫ぶ。
「なんだそれ?どんな戦争だ?」
「国と国の戦争だよ。一日でけりをつけたけどな」
「その口振り…お前まさかこの前の眼鏡と共闘した戦争って」
「何を隠そう日間戦争の勇者、鬼神部隊は俺達だ。その後、俺は女神の加護を受けたここで静かにくらす事を願った。二度とこの拳を上げることなく人生の幕を閉じたかったからだ」
「……。とりあえず、どやったらそいつは暴れるんだ?」
「さぁな。今どこにいるかも知らんが勝手に暴れるだろ」 
「は?なんでだよ」
「神佑地を荒そうとしてるんだぞ?今頃空を見上げれば………。あーあ、今は街を造る会議してるのに…」そこに見えたのは純白の翼を広げ神々しく輝く龍だった。
「流石異世界だな……」

「あ、まだ居ましたね。どうも、バンさん。土地の事どうですか?」
「……は?あの龍が見えないのか?あんなのいる場所に造るってか?」
「あぁ、あれは何故か街には来ませんし。何かあったら討伐クエストですよ」
「………。そうかそうか。なるほど。そりゃそうだ。ハッハッハッ!」
「何を笑ってるのですか?はやく明け渡して頂かないと」
「おう、その返事だな。勿論、くそくらえだ。帰りな」
「………。その返事をしたこと後悔しますよ?」
「ハッ。知らんな。この拳を上げることなくてめぇらの根性叩き直してやらぁ」手に力を込めながらそう言うと相手の男は帰っていった。
「お前馬鹿だな。完全に馬鹿だ」
「い、良いんですか?あんな事言って。本当にこの村焼かれちゃいますよ…」
「ま、どうにかするのが我々なので。実績も何も無いですがなんとかして見せましょう」
「あぁ。人が来てもなんとかなるように造ったんだ。ここまで来て終われるかよ」
「さて、暫くは作戦立てと資金集めだぞ~!」
「そう言えばなんで笑ってたんだ?」さっきの事をふと聞いてみる。
「ん?あぁ。神佑地はここだ。つまり、ここが何かならんとやつは動かん。今は様子見ってとこだな」
「へぇ……。じゃああてにできないな」
「でも、バンさんならなんとかなりますよね?」リカが目を輝かせて聞く。余程鬼神部隊とやらに憧れがあるのだろう。
「おいおい。過度な期待は止してくれ。確かに難攻不落と言われたあの城を落とした作戦は俺のだがそれとこれとは違う」
「リカはなんでそんなに鬼神…部隊?が好きなんだ?」
「それは、その。日間戦争の時に私は別の村の近くに居たんです。そこに兵隊が来て私を殺そうとしました。ミレイユ国側の人間はオージャ国の兵隊からしたら敵なので当然と言えば当然です」
「そこに、鬼神部隊が来てお前を助けたと……。まさかあの少女とまた会うとはな。あの時の魔法は凄かったぞ?」
「えへへ、そうですかね…」
「魔法なんて使えるのか?」
「はい。なんでかは覚えてないんですけどうちの家庭は特に魔法を使えないといけなくて。だからついでに戦闘用の魔法とかも」
「へぇ、そうだったのか……」
「ま、そういう訳だ。暫くは建築もできんがここまで来たらまぁ何とかするぞ」
「「「おーー!」」」

村作り進歩率30% 見えないだけで割りと進んでます
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