余生尽きるまで愛して

猫又

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閑話1 男3人組

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俺らは中学校から仲のいい3人組だ。
今日は仲のいい1人から誘われてデパートに来ていた。
俺は本を見るのが好きだったので友人と話し合って行きたい場所の順番を決めて現在、友人の番がきて服屋を見に行くことになっていた。

友人としょーもない話をしながら服屋までブラブラ歩いてると通りすがりにいい匂いが俺の鼻腔をくすぐる。少し甘くてそれでいて爽やかで落ち着く匂い。

気になって周りを見ると友人もその匂いに気づいたのか周りを見ていた。

周りを見渡すとすぐにその匂いの正体に気がついた。
俺らが行こうとしていた服屋の入口の隅で前髪を弄る可愛い男の子の香水だった。

俺たちは考えより先に体が動いていた。

「ねぇ、そこのかわい子ちゃん」

そして気がついたらその男の子にナンパをしていたのだ。話しかけてみたがどうやら男の子は俺たちを見て少し怯えているようだった。そんな姿も可愛らしく見えてもっと仲良くなろうと口が動く。

「暇なら僕たちとデートしない?」

余程怖かったのだろう。男の子はプルプルと震えていた。じろりと隣の友人から鋭い視線を投げられる。そして次にもう1人の友人が男の子に話しかけた。

「あぁ、怖がらないで、俺ら悪い人じゃないよ。ただ、とっても可愛くてつい声をかけちゃったんだ。」

俺らは共感して友達とウンウンと頷いていた。だが男の子は困ったような顔をして俺たちの加虐心をくすぐる。

もっと困らせて可愛い顔をさせたいと思ってしまった。

「あ...えと...ぁう...」

緊張して上手く喋れないのだろうか。そんな姿も可愛くって俺たちはその子にメロメロになっていた。そして急にボンッと顔が赤くなる。そんな恥ずかしがらなくてもいいのに...

と思っていると男の子の目からポロリと涙が1滴零れる。それを見て俺たちは驚く。

「え、大丈夫!?」

急に泣き出した男の子に俺たちは慌てる。

「おい、泣いちまったじゃねぇか。」

「それはお前が怖いからだろ!」

「あぁ、なんだと?」

「泣かせたのはお前らのせいだろ!」


俺たちが小さい声で醜い言い争いをしていると男の子がボソッと何かを呟いた。

それまで争っていた俺たちはピタリとそれをやめて男の子の方を向く。男の子は俯いていてどんな表情をしているか分からなかった。怒っているだろうかと心配になる。

「......り...す...」

「りす?」

すると、男の子は意を決したように顔をそっとあげて

「ぁ...あの...こ、困りま...す。」

と言った。その一言だけでも可愛すぎるのに恥ずかしくて赤くなった顔にうるうるとした瞳...そして俺たちの目を見て話そうとしたのかもじもじしながらも上目遣いでいうその仕草で俺たちは1発KOされた。

それを見た俺たちはピシッと一瞬固まるとその可愛さに崩れ落ちた。

「グハッ」「ヴ...」「尊い...」

俺たちはそれぞれ呻いて愛おしさに震えていた。周りの奴らもそれに頬を赤くしたり俺たちのように崩れ落ちたり股間をおさえているやつもいた。

俺たちが崩れ落ちている間に男の子は居なくなっておりすぐに3人仲良く
トイレへと向かった。
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